Nicotto Town


胎児よ 胎児よ 何故躍る


lost the past ~失われた過去~

※この物語は、サークル「夜龍国」をもとにしたお話です。

興味がある方は是非!(



「緋翠、緋翠!綺麗な花があったんだ。きっと君の髪によく似合うよ。」


優しい兄のような存在、白羅(はくら)。



「っと、ったく、危ねーな、前向いて歩けよ、緋翠。・・・怪我無いか?」


意地悪だけど、本当は優しい座黒(ざくろ)。



「ねーねー、知ってる、緋翠?今日のおやつは木苺のパイだって!」


いつも明るく笑っていた、雅黄(まさき)。



そして、


「ほら、おやつの時間だ。・・・何、大丈夫。この木苺のパイは僕が作ったんじゃなくて、買って来た奴だから。」


孤児で、町に捨てられていた私達を育ててくれて、名前をくれた、料理が下手な秋冷(しゅれい)。


そう、私(緋翠(ひすい))と4人の幸せな日常は、ある日突然崩れた。


これくらいのささやかな幸福も、悪魔は見逃してはくれなかった・・・。







「僕らは町に買い物に行くけど、緋翠はどうする?」


秋冷に声をかけられ、少し顔を上げる。


読みかけの本に栞を挟み、立ち上がった。


「私は・・・そうだなあ、留守番してるよ。」


何故、留守番を選んでしまったのか。


どうして一緒に行かなかったのか、後悔することになるとも知らず、


私はそう答えた。


「おい、緋翠。」


座黒が私の腕を掴み、笑った。


「俺らで何かお土産買って来てやるから、楽しみにしとけよな。」


「うん、有難う。」


私も微笑み、見送った。そう、これが最期だった。





いつまで経っても帰ってこない。


「おかしいなあ・・・」


彼らが出て行って、すでに12時間以上経過していた。


お腹がすいて、でも料理は出来なかったので、


ただ、座り込んでいた。


しかし私はまあ、道にでも迷ったのだろう、と甘い考えをしていた。


本当に、甘かった。


ノックの音がして、扉が開いた。


「緋翠・・・よかった、こっちは無事だったか。」


立っていたのは秋冷だった。


秋冷だけだった。


「無事・・・って、何?ねえ・・・他の3人はどうしたの・・・?」


嫌な予感がした。聞いたら傷つくこともわかっていた。


「・・・戦火に巻き込まれて、死んだ。」


刹那、頭の中が真っ白になった。


「緋翠・・・僕と一緒に、”黒”に行こう。そうすれば僕らの身の安全ははかれる。」


大好きだった、秋冷の声にも、髪にも、顔にも、彼自身にも


全てに腹が立った。


今思えば、八つ当たりだったのかもしれない。


ただ、自分でコントロールできない程、腹が立った。


「ふざけないで!何都合のいいこと言ってるのよ・・・!?三人を守れなかったくせに、自分だけ助かろうなんて!代わりに秋冷が死ねばよかったのに!」


こんなこと、言うつもりはなかった。言いたくなかった。


なのに、口が勝手に動く。


秋冷を見ると、自責の念に駆られているように、顔を歪ませていた。


それでも、私の怒りは収まらなかった。


「私、秋冷なんか大嫌い。”黒”になんて行くつもりはない!」


秋冷を殺したいほど憎んでいた。憎くて憎くて、殺したいほど憎くて。


でも、4人の男性に囲まれて甘やかされて育ってきた私に、それほどの力量が


あるはずもなくて。


私は無我夢中で家を飛び出した。


座黒がいつも持っていた剣だけを持って、家を飛び出した。


後ろで秋冷が何か言っているのが聞こえた。でも、振り向かなかった。


町に抜けると、確かに銃撃戦があちらこちらで繰り広げられていた。


怒りも忘れて、一瞬で血の気が引いた。


下を見ると、倒れている人、人、人。


(何で・・・戦争なんてするのよ・・・)


三人の声はもう聞けない。


明るい笑顔はもう見れない。


亡骸に会うことさえ出来ない。


私が本当に憎んでいたのは、秋冷じゃない。


戦争だった。


それに気づいたのは、最近のことだ。


その当時の馬鹿な私は、理不尽を全て秋冷に押し付けて、


秋冷を盾に時代の流れに逆らうことをしなかった。


いや、出来なかった。怖かった。


そんなことをして、時代からはじき出されるのが。


殺されてしまうのが、死が、全てが怖かった。


だから私は明けても暮れても剣の練習をしていた。


馬鹿みたいに、狂ったように剣の練習をしていた。


本当は不安や怒り、悲しみを全部剣に当てつけていただけ。


けれど、剣の腕はあがった。


そして、ある日私が剣の練習をしていると、背後で拍手が聞こえた。


「貴女、素晴らしい剣の腕ね。どう?”白”に来ない?貴女なら戦争を終わらせることが出来る。」


金の髪の女性に声をかけられた。


(戦争を終わらせることが、出来る?)


それが私が人の命を奪うことだと知らず、頷いた。


「わかりました。”白”に入りましょう。」




そして私は”白”になった。


たくさんの仲間と会って、たくさんの人と戦った。


そして、戦場で秋冷に会った。


今なら、互角に戦える自信はあった。


ただ、その勇気がなかった。


秋冷は私の育ての親。いくら憎かったとしても、だ。


それに、私は薄々気づいていた。


秋冷を殺したとして、時間は戻らないのだと。


殺し合いの先には、暗い闇しかなく、新たな光など生み出さないのだと。


だから私は、人を殺すことはなかった。たくさんそれを批判された。


何故、人を殺さないのか?


金の髪の女性にも呼び出され、聞かれた。


私が、答えると、彼女は小さく呟いた。


「それなら・・・貴女を手に入れた意味ないじゃない・・・。」


ぞっとした。これほどの恐怖を過去に感じたことがあろうか?


彼女は私を殺戮の兵器としか見ていなかった。


どんな敵と戦ったときも感じたことのない恐怖だった。


自分が人の命を奪う。


考えるだけでぞっとする。


それは、誰か私みたいに悲しむ人を生み出すんだ。


だから、だから私は、ただ戦った。


何も考えず、見えるはずのない平和を考えながら。


ときに、”黒”の人と仲良くすることもあった。


黒”の人も、”白”の仲間も


誰一人戦争を望むものは居なかった。


ただ、皆、何かに操られるように戦っていた。


もし、私に出来ることなら、戦争を終わらせたい。


この永遠に続く負の連鎖を打ち切ってしまいたい。


一方で、それは叶わぬ願いなのだと思う自分も居る。


そっと、座黒の剣を見た。


ねえ、座黒・・・。私はどうしたらいいの?




             ~fin



意味不な終わり方さーせんorz


#日記広場:自作小説

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2012/08/06 17:40
し、衝撃…?
まあいっか☆
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2012/08/06 16:53
そのえの意味が分からないwww
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2012/08/06 16:51
その子が友達だったらどんなにいいか考えるwww
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2012/08/06 16:42
いや、早いでしょwww
なんか私、タメになると友達みたいに接しちゃうんだよねー
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2012/08/06 16:40
打つの遅いからねーwwwwwwwwwwwwwwwwww
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2012/08/06 16:37
長いっていうのは普通の人から見たら、短いんだよ、私の基準は。
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2012/08/06 16:35
今書いてるとこだけで、こんなに長いwww
打つのがめんどすぎるお^^
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2012/08/06 16:27
えwww
いや、私の小説公開する気はない奴だけど、無駄に長いし、しかも、ブログのは書くきねぇっつーオプションまでついてるんだけど(^p^)
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2012/08/06 16:18
すごい…
私もがんばんないと、クオリティの差がwww
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2012/08/06 10:22
なんか流行りっぽいっすねw

わ、凄ッ!
文章力あっていいな~><



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