見上げてごらん、夜の星を
- カテゴリ:日記
- 2012/08/13 11:42:49
星座の神話
原恵
恒星社厚生閣
「本が好き!」
http://www.honzuki.jp/
より献本いただきました。感謝。
星座の名前の由来になった神話も解説しているが、それより星座(もしくはそれを構成する星)の名前の由来の解説が多い。
星座を見た時、昔から不思議だったのが、いくつかの星座は、星を線で結んだ図を見ても、どうしてもその名の形に見えない、という事だった。
はくちょう座を見せられた場合は、なるほど、と思えるが、けんびきょう座などは、何度見せられても「顕微鏡」には見えない。
また、星座の名前も(神話上のものを含めた)人や動物の名前が付けられ、その名前の由来などを調べようとするといろいろ広がっていく星座と道具の名前など味も素っ気もないものの2通りあるが不思議だった。
答えは単純だった。
人や動物の名前などの多くは、古くからの星座で、道具の名前などの多くは後から作られたものだそうだ。
しかも、星座は星の場所を示すのにも使われるため、星座がない空間があると困るので、星がある部分には必ず星座がなければならず、後から無理矢理作ったものも多いらしい。
特に南半球は航海術が発達してから、「発見」されたので、道具(特に航海に必要なもの)の名前がつけられたのだ。
星座は、地球から見たら、たまたまそういう形に見えただけの話なので、同じ星座の星々が同じような位置にあるわけではない。
星の位置を示すだけなら、星座の名前でなくてもいいのでは?と単純に考えたが、住所を現す時に緯度と経度で表すと正確だが覚えられない(どの辺りというイメージが湧かない)のと位置を表すには不正確だが、覚えやすいということと同じなのだろう。
面白かったのは、今は使われなくなった星座の名前や各国の星座の名前。
使われなくなった星座の名前の中で、言わば「ゴマすり系」の名前の星座が印象的だった。
人がやることは、ある意味、今も昔も変わらないのか・・・。
また、西洋以外の星座(星)の名前も興味深い。
紹介されている例はわずかだったが、日本の場合では、「農機具」の名前が多かった。
いろいろな国の星座の名前を対比してみrと、お国柄が出てくるのだろう。
違う部分だけを強調してしまったが、当然、共通している部分もある。
星を見て、考える事は、人間あまり大差はない、という事かもしれない。
単に紹介されている例が少なかっただけのようですね。
星の和名があまり聞かれなくなったのは、星占いの普及によるものでしょうか。
同じ星が国や民族によって、どう呼ばれているのか比較するのも面白いでしょうね。
野尻抱影氏の「日本の星」(中公文庫)
表紙の返しに「700種の和名~」とあります。
実際には一つの星に、各地での呼び名が寄せられているため、
星の数自体は減りますが^^;
北斗七星は漢名で、和名としてはひしゃくぼし、鍵星、船星、ますぼしなど、たくさんあげられています。
アルコルは中国でも軍人の視力検査に使われたようです(別の野尻氏の著作で読んだ覚えがあります)。
農業の目安、漁業・航海の時の目安、などにも使われたようですね^^
エジプトではシリウスの昇る位置の変化から、がナイル川の氾濫が近いことを知り、
避難と水が引いたあとの耕作(肥沃な土が流れ着くため)を進めたそうです。
全国的なものではないようですが、農機具の形や農作業の時期の目安にする呼び名が多いようです。
織姫&ひこぼし、北斗七星、南十字星、北辰、昴・・ぐらいかしら?
意外にニッポンには、星の古名が無いような気も・・。