またしても眠い目をこすりながら深夜の運転。サービスエリアでカフェインを補充
しながら目的地に向かっている。

急に休みになったものだから登山の準備なんてまったくできていなかった。
しかしここを逃したら次にいつまとまって休みとれるのかわからない。
　「ゆっくり休みなよ。」という白い天使に心乱されながら「行かないの？」と言う
黒い天使のささやきに負け、一念奮起して道具をまとめた。久しぶりなので準備
に時間かかるかかる。あわてたのでちゃんと道具が揃っているかわからない。
一抹の不安を残したまま着々と目的地は近づいている。

　時間に余裕があったので駐車場で１時間ほど仮眠。しっかりと日が昇ってから
登山道に入る。際振り返れば駐車場は満車。
『よくこの暑い時期に山なんか登るなぁ。。。』もちろん自分のことは棚に上げて
います。笑　　天候は曇り、時々晴れ間は見えているが山がきれいに見える程
ではない。。。。いまひとつモチベーションが上がってこないが可能性を信じよう。

　途中の山荘で、ラーメンを流し込み黙々と今日の宿泊地を目指す。
ルートの途中ではライチョウのお出まし。チングルマの周りをずっとｳﾛﾁｮﾛｳﾛﾁｮﾛし
てます、エサがあるわけでもないのに何をしているのか。。。

１６時半、１日めの目的地、野営場に到着。こんな時間ではいい場所なんて空い
てはいないがとりあえず場所を見つけて我が家を建築。あいにくの曇り面で星は
見えない。

　二日目、明け方に大雨が降ってテントびしょ濡れ。びしょびしょのテントをたたむ
のは骨が折れます。こころなしか水分で重量も増えている。

天気が落ち着いたことを見計らって８時過ぎに出発、ときどき見える晴れ間から
写真を撮ったりしながら昼過ぎに千丈乗越を通過。
ここから岩稜帯が続く。足場が不安定なので鎖場が設けられているがこれがま
た長い。とはいえ、ひどく難しい足元でもないので鎖は補助として使えば十分で
すがあるとついつかんじゃう。よけい疲れる。笑

　山頂が近くになると『小槍』が視界に。アルペン踊りを踊る場所らしいがロック
クライミングの技術が必要な上、頂上は非常に狭くとても簡単に踊りに行く雰囲
気ではない。今日はロッククライミングの予定はないのでアルペン踊りは次回の
お楽しみに♡。

15時前には槍の肩に到着。山荘でテント使用の手続きをして設営場所を探す
が昨日以上に空いてない。なんとか隙間を見つけ２泊目の我が家を設営した。
さあここまで来たし祝杯をというところであったが忘れてた、ここは山頂じゃない。
カメラと簡単な荷物だけ持って登頂を目指す。この山、山頂へはハシゴで登るん
ですがこれが長い。高所が苦手な自分としてはそんなにまでして行くべき場所
ではないが白い天使が「アルピニストのくせに」と泣きながら登れという。
そんな熱意に負けしぶしぶ登ったものの上は人でぎっしり。ちょっとよろけると落
っこちそうだったので落ち着かずすぐ降りてきてしまいました。いいんです、天気
も悪いしまた来ればいいだけだし、な~んて。笑

この夜はちょっと晴れ間が見えました。岩に腰かけてコーヒーを飲んでいると流
れ星もいくつか。そういえばペルセウス座流星群が過ぎたばっかりだったなぁ。。

人工的な音は何一つ聞こえない。実にすがすがしい世界です。

「さてこのまま逃げよっか？」黒い天使に苦笑いしながら雲上の我が家でおやす
みです。