もうひとつの火
- カテゴリ:家庭
- 2012/09/09 19:27:26
以前時計とライターという記事を書きました。
その記事は、ひまわりに買ってもらったけれど失くしてしまったライターのお話でした。
しかし、ひまわりに買ってもらった失くさないで大切にしているライターがあります。
それはある夏の日に買ってもらった大切なライター。
私たちが好きだった思い出の場所は、良く2人で出掛けた清里と言う場所です。
かつてプチ軽井沢と言う感じで、若い人にもてはやされた場所。
静かな山中におしゃれなお店が立ち並ぶ、私たちも大好きな所でした。
私たち夫婦が好きだったのは、清里駅から坂道を下り、国道の突き当たりにあったRockというお店。
ログハウスのお店は、自慢のビーフカレーと新鮮な野菜サラダ。
手作りバターがたっぷりのせられた超厚切りのバタートースト。
そして美味しいコーヒーと紅茶。
落書きだらけのお手洗いと、アメリカンな雰囲気のポスター達。
朝早くに出掛けて、日帰りでドライブを楽しんだ後、良く食事をしたお店です。
その日もRockで食事を楽しんで、その後もう一軒の私のお気に入りのお店に出掛けたのです。
それは、輸入雑貨のお店。
時計やライターなどの小物から、良くわからない鉄製の箱は、かつて英国軍が機関銃を入れていたものだという。
私がそのお店でいつかは購入しようと思っていたのは、ベトナムジッポライター。
米兵がベトナムに向かった際、軍から各自ひとつずつジッポが配られたと言います。
そのジッポに、各自が自分の好きなイラストを彫ったのです。
愛機の絵、家族の名、好きな女優の似顔絵・・・。
そしてそのジッポ達は、戦火をかいくぐり、いくつかが本国へ帰ってきました。
そんな戦争から帰ってきたジッポの実物が、今でもこうして売られているのです。
ジッポライターは基本的に永久保障ですので、メーカーからの保証書も再発行されているベトナムジッポ。
当時で2万円ほどしていた(現在では4万円を超えているらしいです)そのライターが、私は欲しくてたまりませんでした。
いつものように、私は鍵の掛かったショウケースに張り付いていると、ひまわりは勝手にお店をうろうろしています。
そしてそのライターは、ひまわりによって発見されるのです。
「アンタ!これかっこいいんじゃない?」
そのライターは今まで見たこともない形をしていました。
メーカーも良くわからない、手作りの様な物でした。
丸いボディーには、本物の25セント硬貨が使用され、その上には火打ちと火が付く芯、そして火消し用のキャップの付いた棒。
「う~ん、こんなライターは今まで見たことが無いぞ」
お店のマスターに聞くと、良くわからないけどおもしろそうだから仕入れたと言われました。
オイルも石もジッポ用で良いらしい。
しかも、在庫はたった一つだけ・・・。
上部の火消し棒を手動で持ち上げると、これまたユニークな形。
「これならアタシが買ってやる!」
というひまわりの言葉。
もう、ノー文句で買っていただきました。
するとマスターは「それ持ってくか・・・」と少し残念顔。
しかし、しっかりとジッポオイル一缶をおまけしていただきました。
早速オイルを注入して火を点けてみます。
なんともやさしい火。
実はこのライター、喜んで買っては見たものの実は使い勝手が良くなかったんですね。
オイルは入る量が少なく、そしてすぐ蒸発してしまい長持ちしません。
そして、芯はすぐにだめになってしまい、交換が頻繁に必要だったのです。
つまりは、お手入れをしないと非常に火が付きにくいのです。
また、非常に風邪に弱いという欠点も持っていました。
いつでも簡単に点火可能で、しかも風邪に強いジッポを多用するうち、このライターは仕舞われていったのです。
ひまわりが亡くなった今、久しぶりに芯を交換して石も新品に取り替えてみました。
しばらくぶりに灯されたやさしい火。
炎の向こうには、やさしい笑顔が確かに見えました。
ひまわり、あのライター・・・
また使わせてもらうよ。
そう、吸いすぎには注意するな。
ひまわりが買ってくれたモノである事において、世界にたった一つと言えますね。
まぁ、私は今だかつて見た事がありませんので、世界中で同じものが果たしていくつある事やら・・・
形はとってもユニークで、気に入っております。
ただ、ストレス無く灯す事が出来れば・・・なんですが。
でも、たまにオイルを入れて火を灯すと、とっても心が洗われますね~。
小さくて弱々しい火ですが、とっても温かいんですよ~!
ユニークさにとても興味をもちました!
使い勝手が悪くても奥様のことを思うこころがホッコリ(*´ー`*)
やさしい火が灯る度に、招き猫さんも奥様を思い出され癒されることでしょう。
妻にはたくさんの贈り物を貰っているんですよ~。
でも、やはり一番の贈り物は息子を産んでくれた事かもしれません。
彼が居なかったら、私も生きてなかったかもしれませんからねぇ。。。
ひまわりさん、幸せだなあ~❤
ああ、良く考えたもんですねぇ。
この火を灯せたら、タバコ吸っていいよ~みたいな。。。
なんと、ほどよいプレゼント^^
そうなんですよねぇ~
何が幸いするかわかりません。
もしも使いまくっていたら、私の事ですから壊しちゃったり
あるいは失くしてしまったりするかも知れません。
どんなに使いやすく、モノとして優秀でも
こういった想いは、たやすく根付くものではありませんものね。
はい、優しい火は今でも灯していますよ。。。
色々な場所やモノに、彼女はまだ生きている気がしますね。
どんな時も、いつまでも、思い出してあげなきゃ。。。
約束ですから^^
なんだか、猫さんのもとに来るのが必然だったのかもしれませんね。
思い出は消えることは決してないでしょうが、こうしていろんなものを見る度に
ひまわりさんとのエピソードを思い起こすことができる。
ときどき、お手入れをしながらやさしい火をともしてくださいね。