忍猫物語外伝7.5
- カテゴリ:自作小説
- 2012/09/17 23:14:30
※下記SSは、うちのニコペットが主役の、ニコッとタウンを舞台としたお話です。
※基本的に、軽いノリのお話なので、感動するものは何もありませんが、箸休めにどうぞ。
それはまだ、ニコッとランドにニコッとタウンが興るより、ほんのちょっと昔の出来事。
ニコッとランドを征服せんとした大魔王と四柱の魔王の暴虐の限りによって、
南方を守護するイヌの聖獣一族が大打撃を受け、
今日に至るまで犬族は勢力を衰退させた事態に陥っているのはまた別の話。
東方を守護するクマの聖獣の一族の王子ミーシャ。
ニコッとランド先住民で随一の武門である熊族の英傑でさえも、
魔王の一人を打ち倒すのは容易なことではなかった。
クマの王家の力と東方の守護者の力を駆使して、
同族の支援をこれでもかというほど受けて辛勝したに過ぎなかった。
魔王の仮初の居城、プレハブ城の最奥で城の主を倒したクマ勇者一行は、
魔王の部屋にあった宝箱を開くと、そこにはひらひらした布が納められていた。
「なんでしゅかね、これは?」
「王子、人族が身にまとう服のようですが」
「人族の服でしゅか、僕たちにはいらないものでしゅね」
「・・・いえ、そうでもないかもしれませんね」
白魔法使いの言葉に、王子を始めとした勇者一行は付き従っていた年少の侍従に目をやった。
熊族の眷属であるパンダ族の、由緒正しい家柄のゴールドカラーのパンダに。
「な、何でしょうか?」
「フォンフォンは、人族の姿にもなれたでしゅね?」
「夜間限定ではございますが。というか王子、果てしなく嫌な予感がするのですが」
「ちょうどいいでしゅ。フォンフォン、夜になったらその服を着てみるでしゅ」
「僭越ながら王子、これは人族で言うところの女物の服ですが・・・」
「僕たち熊族は男物とか女物とか気にしないでしゅ」
「で――」
「命令してもいいでしゅか?」
「・・・・・・・・・・・・御意」
それが悲劇の幕開けだった(笑)
忍猫物語外伝 第7.5話「ある夏の夜の狂想曲」
漆黒の深淵より、急速に浮上するは意識。
半分だけ意識が戻った寒奈の耳に、外界の音が流れ込んでくる。
声1「――ということがあってな。呪われた服であったが為、脱ぐこともままならなかったのだ。
あの戦役が終わり、タウンがある程度まで建造された頃に風の噂で聞いてな、
この服に通暁した組織に身を投じて、解呪の方法を探ってみたのだが・・・結果は察してくれ」
声2「無理を言って来てもらってすまないわね」
声3「嗚呼、セバスちゃん、その姿が見たかったのよ、ハァハァ」
声4「てりゃ~!」
声3「はうっ」
声5「また派手に壊されちゃってますねえ。この島って呪われてるんですかあ?
破壊からの再生はできますがあ、解呪はできないんですけどお」
声2「忍パンダマスターさん、『サーバンツ』のメイド長と話が付いたわ。
そこの危険人物は謹慎並びに、諸々の接触と貴方の1km以内に近付くことも禁止されるそうよ。
やっと平和になりそうね」
声1「忍猫総長殿、儂の古巣との折衝、痛み入る」
声2「いえいえ、おかげで大手組織に貸しを作れたから、結果的に損はないわ」
声1「すまんな、家が崩壊する事態になって。
しかし、SGの嘱託団体である『天空聖歌隊』にも人脈があるとは、忍猫総長殿は凄腕の外交官であるな」
声2「マスターが不在がちなので、それを補佐するのも私の仕事ですので。
本来ならあの子たちの姉がこの役目なのでしょうけれど、猫にも向き不向きがありますから」
声4「鳥を取りたい、にゃはは~」
身震いするほど聞き馴染んだ言霊に、寒奈の意識は強制的に現世に戻されてしまった。
氷冴「夜だけど、おはよ~」
寒奈「あ・・・、姉さん・・・」
氷冴「身体の調子はどうかしら~? マスター秘蔵のお薬を使ってみたから、全回復していると思うんだけど~?」
寒奈「そうですね・・・、・・・・・・、特に支障はなさそうです・・・。
ところで、飛鳥先輩と一緒の方はどなたですか・・・?
脇で簀巻きにされているのは強敵サンバレディのようですが・・・、
あの羽根が生えている方とパンダに囲まれたメイド服の女の子はお客様でしょうか・・・?」
氷冴「あの羽根が生えている人が大工さんで、
パンダに囲まれている人は・・・ぷぷっ、あれはキレイな顔だから間違えるのも仕方ないけど、男の子よ~」
金色の髪をおかっぱにしているメイド服の年少者、
メイド服を着ているという点を差っ引いても十中八九、少年には見えない。
氷冴「あの男の子はね、黄金の忍パンダマスターさんのもう一つの姿よ~。
昼はパンダ、夜は人族の姿になる珍しい出自らしいわね~」
寒奈「あの方が・・・!? 確かに・・・、あの出で立ちなら、ご本人も言っていたように夜はか弱そうに見えますね・・・」
氷冴「魔王の呪いのメイド服のせいで、着用したときから肉体年齢が進んでないんだって~。
そのせいで変態さんからベタベタされ、揚句逃げても追いかけ回される羽目になってたらしいわよ~。
ま~、それも今日までのお話らしいけどね~」
意識を失う前に聞いていた話と合わせて、今聞いた説明で腑に落ちた寒奈は何気なく背後を振り返って硬直した。
寒奈「ゑ・・・? あの・・・、姉さん・・・、気のせいか・・・、後に大きな残骸があるんですけど・・・、
あれって忍猫養成所のなれの果てですか・・・?」
氷冴「さっき大工さんが来てるって言ったでしょ~? それはこの惨状を何とかするためよ~」
寒奈「いえあの・・・大工一人で片付く問題ではないような・・・?」
氷冴「にゃはは~、あの人がただの大工さんならね~。
そろそろ始まるようね~、ニコタの防衛活動の事後処理班の仕事ぶりが初見になる寒奈は必見よ~」
背には白い羽を、頭上には円環をいただく、ゆったりとした衣装の銀髪の女は、
倒壊した忍猫養成所から少し離れたところで、対象に正対して透き通った声で歌を紡ぎ始めた。
最初は何も変化がなかったが、次第に蛍のような白い小さな光が生じては宙に漂い、
それらがある一定数に達すると異変が起こった。
家屋の残骸が緩やかに宙に舞い、
離れ離れになった仲間を求めて漂い、
結びつけば破壊の痕跡など溶けるように消えていく。
氷冴「SGが行政府と共に天界と契約し、その結果ニコタに出向して来ているのが『天空聖歌隊』なの~。
ニコタ民のコーデアクセと違って、あの人たちの羽根や輪っかは本物よ~。
むしろ、あの人たちの存在を秘匿し、紛れ込めるように天使系アクセが出回っているというのが通説ね~」
寒奈「別に秘匿しなくてもいいような・・・?
天使も悪魔もカッパも月人も鬼もゴーストも時折タウンの方に姿を現すと聞いてますけど・・・」
氷冴「業界の伝統じゃないかしら~? 正義の味方は世を忍ぶものらしいから~」
寒奈「お約束というものですね・・・?」
氷冴「よくできました~」
これにて、一件落着


























長文にお付き合いいただき、ありがとうございますm(_ _)m
今振り返ってみると、パンダ3.5部作は長めのお話になってしまいました^^;
それ以上に、インターバルが長かったというのはツッコまない方向でw
リアでは9月も下旬に差し掛かっておりますが、
パンダ3.5部作を始めた頃は、8月中旬のお盆頃には完結する予定だったのですが、いやはや^^;
そんなわけで、作中の時間は8月中旬くらいをイメージしていただけるとよろしいかと^^
チー殿もダジャレスキーなのですか、
うちの氷冴とは気が合いそうですなぁ^^
そう言えば異世界のチー殿は何やら不思議な力をお持ちのようで、
ひょっとしたら、ダジャレを言えば時間が止まるかもしれませんなぁ( ̄ー ̄)b
えー、念為のお時間です。
故郷にいた頃が「フォンフォン(本名)」、
私設自警団『サーバンツ』に在籍していた頃が「セバスチャン(コードネーム)」、
作中では便宜上の名称として「GGP(通り名)」と、
名前が三つもあってややこしい忍パンダマスターでした^^;
彼の談話によりますと、忍び寄るショタコン?の脅威から解放されたので、
一度故郷に戻って、昼間に温泉にでも浸かってくると言っておりますw
お気遣いいただきありがとうございます(*^^*)
今回も荒唐無稽な物語にお付き合いいただき、ありがとうございました(^-^)/~
長文にお付き合いいただき、ありがとうございますm(_ _)m
GGPが若かりし頃着用した呪いの服は、実はメイド服だったのです・・・!!www
えぇ、その関係で執事・メイドの集う『サーバンツ』に在籍していたのですが、
在籍中の彼はメイド修行をさせられておりましたとさ>v<
まぁ、苦難の道を歩んできたせいで、艱難辛苦がGGPを玉へと磨き上げているようです^^b
氷冴のダジャレは、異能発動時には時間すらも凍りつかせかねませんが、
ノーマル状態で使っても、気付けになる程度には威力があるようですw
ちなみに、聖歌隊の方々は羽はありますが、鳥ではなく天使なので無問題です^^b
小道具を使っていろいろと遊ぶのが好きな性分なのでw
マイ設定でニコッとタウンがかなり歪んでいる気もしますが、
次シーズンのニコタファンタジーワールドもお付き合いいただければ幸いです^^
今回も荒唐無稽な物語にお付き合いいただき、ありがとうございました(^-^)/~
長文にお付き合いいただき、ありがとうございますm(_ _)m
物凄く便利な後片付け屋の聖歌隊がいたからこそ、
前話で派手に猫の穴を壊せたわけで、別の意味でもグッジョブかとww
それがしの国語力など大したことではございませんが(/ω\)
それがしとしては、殿下の深い作品構成力や、
改行や文字色の配合など、そのセンスも見習いたいところです(*^^*)
次回ではちょっとその辺を精進してみようかな、と思っております^^
今回も荒唐無稽な物語にお付き合いいただき、ありがとうございました(^-^)/~
長文にお付き合いいただき、ありがとうございますm(_ _)m
エピローグの最後を書いているときにうっかり寝落ちして、
その日は巡回し損ねたのはここだけの秘密です( ̄ー ̄;
王子の好奇心によって紆余曲折の人生を歩むことになったGGP、
宝箱に入っていたのが執事服だったのであれば、
侍従という肩書もあったので故郷を離れることもなかったのでしょうけどなぁw
声当てクイズ?は正解です☆彡
夜の美少年メイドを見るとかなり壊れてしまうお方です、アリスは^^;
なお、ストーカーw対策はばっちりで、禁則事項を冒すとニコッとランドからの追放ですから、
さすがのアリスも諦めて、次の獲物を物色し始めることでしょうwww
当初、ニコタの市街地での深夜の大規模戦闘を考慮していたので、
深夜に街並みが破壊されても、翌朝10時にはいつも通りに戻っている、
という状況を実現するには魔法がかった修復係が必要だなということで、聖歌隊を作っては見たものの、
長らく大規模破壊が起きなかったので、お蔵入りになりかけていたチームの方々ですw
忍猫シリーズはこじつけさえできれば、ニコタのあらゆるネタを取り込みますので、
あ~なことやこ~んなこともやってしまうかもしれませんぞ( ̄ー+ ̄
寒奈編最終話にして、悟りを開いたことですし、めでたしめでたしということでww
今回を持ちまして、寒奈は忍猫養成所を卒業いたしますので、
剣士さん他皆様方とまたお会いするのは、最後のシスターズのシーズン以降になるかと^^b
今回は後ろ二つで変則的な書き方をしたせいで、字数制限に悩まされる事態になりました^^;
末妹の登場する第3クールでは、以前の書き方に戻しておきますε=(^、^;A
今回も荒唐無稽な物語にお付き合いいただき、ありがとうございました(^-^)/~
「鳥が取りたい、にゃはは~」私もツボに・・・・・
天空聖歌隊の方々の登場で破壊の痕跡が消えもとに戻った世界。フォンフォンは如何に?気になります。布の謎・フォンフォン人形変身の謎。寒奈さんの能力の発動・・・いやいや目が離せませんね
有難うございました。お疲れ様です。どうぞゆっくりお休みくださいね。
呪いの服が気になっていたのですが
まさかメイド服だったとは^^
しかし、王子といい、アリスといい^^;
金大熊猫さん、お気の毒に
個人的なつぼは、猫と同居の身としては
「鳥が取りたい、にゃはは~」です^^
天空聖歌隊の方、だいじょうぶだったのでしょうか
コーデをたくみにつかった
ニコタファンタジーワールド
楽しく読ませていただきました^^
結びつけば破壊の痕跡など溶けるように消えていく。
カッコイイです~日本語って本当ステキな言葉が多いですよね。
それを上手に使いこなせる南ちゃんに敬礼!
本当に文章がお上手です。とても勉強になります(◡‿◡✿)
また読ませて下さいね。
ありがとうございました。
これが悲劇の始まりだったのでしゅね。^^;
ひらひらした布は呪いのなんたらだったのでしょうか・・・
寒奈殿が眠っている間の惨劇、
「声3」の荒い息遣いがとても怖いですが、「声4」の一撃も痛烈☆
やはり「鳥を取りたい」と凍て付くセリフ、〇〇殿でしたか^^; w
簀巻きにされた(目が✕✕となっている様に思えますw)根っからの変態アリスが
GGPの美少年(少女?)姿を諦めるとは・・・本当に大人しくなるのか心配かも w
今回登場した通称大工さん(天空聖歌隊)はまた一つ、世界を広げてくれました^^
ニコタに紛れる数々の〇〇達もこれまた♪
これはまた新たなストーリーへと繋がりそうですね^^w
寒奈殿も今回また一つレベルアップを果たし(常識を得る?)
ますます今後の活躍が気になるところです^^
今回もまた不思議ワールド爆裂のお話を楽しませて頂きました♫
お忙しい中、これだけの執筆は大変だったかと思いますが、
また次回作に向けてしっかりと休養されて下さい^^v
ありがとうございました☆