星野之宣流「星を継ぐもの」完結編
- カテゴリ:日記
- 2012/09/30 13:37:16
星を継ぐもの 4巻
星野之宣
小学館
J・P・ホーガン原作の”巨人たちの星”シリーズ(「星を継ぐもの」「ガニメデの優しい巨人」「巨人たちの星」)をマンガ化したもの。
今回で完結する。
ジェヴレン人(ランビア人との末裔)の存在と、彼らが人類を支配しようと策謀を巡らしている事に気付いた主人公たち。
一方、シャピアロン号の巨人たち、ガルース船長らは、自分達の末裔がその対立の元を作ってしまった事に気付き、どちらにも加担せず、去っていこうとする。
武力面では話にならないほど差があるジェヴレン人に対して、どのように対抗していくのか・・・。
「星を継ぐもの」の方は何度も読んだので、ストーリーをよく覚えているが、他の2作については、記憶がかなり曖昧なので、どの部分がどのようにアレンジされているのか、といった楽しみ方はできなかった。
先日、後日譚である「内なる宇宙」を古本屋で入手したので、今度、それも含めて読み直してみたい。
印象的だったのはジェヴレン人のヴェリコフに協力するように説得するシーン。
ちなみにこれまでのすべての「謎」の種明かしにもなっている。
ヴェリコフの説得はガニメアンのガルース船長が行う。
その説得に用いた方法は「真実を語る」こと。
目の前の損得ではなく、そもそもの始まり、自分達(の末裔)が行った暗部も包み隠さず話した上で、協力を求めた。
(捕まって、カマをかけられたとはいえ、ヴェリコフは一度、ジェヴレン人側を裏切っている、というのが底辺にはあるが)
不都合な事は無かった事、もしくは過小に扱い、都合のいい事は針小棒大にして語る事は誰にでもできる。
が、真実を語る事は、そう簡単ではない。
本当は一番の近道なのかもしれないが、一番、勇気がいる事なので、そうできない事が多い。
どこかの国で話題になっている問題も、お互い自分にとって都合のいい事ばかり言っているうちは決して進展しないだろう。
ところで、原作では「星を継ぐもの」のラスト近くでダンチェッカー教授が論理的考察だけで真実に近い所まで迫るシーンがお気に入りだったのだが、マンガではアレンジされ、別の人物に持っていかれてしまったのが少々、残念。
ダンチェッカー教授のようなキャラは好きだっただけに・・・。
(実際にいたら、敬遠してしまうかもしれないが)
ある面、素朴な(と思っていますが)巨人たちのイメージが・・・。
こちらの言い分を認めさせようとすると、平行線をたどるけど、
相手とこちらの両者の共通利益がないか、両者で探求し合うように持っていくと、
うまく進展するそうです(汗)。
ガルース船長もそうすれば、もっとうまくいったかも・・。
どちらを先にするか、悩ましいところですね。
原作を積読中なので、手にするにしても原作を読んでから・・・と手出しせずにいます^^;
「真実を語る」もっとも必要なことなのに、最も難しいことですね><
第三者からは真実なのかどうかわからないことが多いことも難しくしているのでしょうね。