シリアの情勢悪化は中国にも責任との批判に中国反論
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- 2012/09/30 22:47:53
中国外交部の洪磊報道官は28日、「シリアの武力衝突や暴力事件がもたらした女性、子どもを含む一般市民の死傷に、中国は大変心を痛めている。一部の国が中国を批判しているが、その批判はまったく受け入れられない」と述べた。中国国際放送局が報じた。
報道によれば、英国とトルコの首脳はこのほど、シリアの情勢悪化による人びとの被害に対し、中国とロシアには一定の責任があると表明した。
洪報道官は「中国は一貫してシリア問題の政治的解決に向けて努力しており、その目的は停戦の実現と一般人の被害防止だ。シリアの関係各方面が政治対話を再開し、シリア国民が主導する政治的移行プロセスを推進することが、当面の衝突や殺戮を食い止め、市民の苦難を緩和する根本的活路だ。国際社会はシリアおよび中東地域の平和と安定を維持するという大局から出発し、この目標の実現を推進すべきだ。一部の国は今までの失敗を教訓に、シリア問題における自国の政策を真剣に見直すべきだ」と述べた。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0929&f=politics_0929_002.shtml
シリアは2011年1月から反政府運動が続き現在内戦状態に突入したため、国連が介入
して平和を取り戻そうと努力して居る国です。
シリアが内戦になった理由は大統領のバッシャール・アル・アサドが長年にわたり独裁政権
を維持してきた為、民衆がデモを起こした時に軍事力で弾圧した事が原因で、軍隊内で
も離反者が多く出て、自由シリア軍を結成し、正規軍は独裁政権の維持、自由シリア軍は
独裁政権の打倒を掲げて戦ったためです。
ではどうしてデモが発生したのかと言うと、発端と原因が別にあります。
発端は北アフリカにあるチュニジアと言う小さな国で、失業率が30%を越えた事が発端
です。 失業した26歳の若者が野菜や果物を売ろうとしたところ、販売許可が無い為警察に
野菜や果物を全部取り上げられ、怒った青年は政府に抗議するためガソリンをかぶり焼身自殺
をしました。 その事件のうわさがツイッターやフェイスブックで若者の間で広まり、失業率
が高くて生活が出来ない人々が、政府に対して抗議デモが拡大。 デモから暴動に拡大し、
大統領を失脚させ、国外に逃亡させたことが切欠で、周辺国の同じ様な失業率の高い国、
周辺国にデモが飛び火。 チュニジア、エジプト、リビア、イエメン、アルジェリア、
モロッコ、サウジアラビア、ヨルダン、レバノン、イラク、クエート、バーレーン、オマーン、
シリア、モーリタニア、西サハラ、スーダン、ジプチ、ソマリアなど多くの国を巻き込み、
アラブの春と呼ばれる巨大デモが発生したのです。
この動乱で4つの国は完全に政権崩壊、5つの国は民衆の弾圧が成功しましたが、それ
以外の国では憲法改正や王政の廃止等に繋がっていったのです。
原因については、シリアはリビアと同様の独裁国家だったことが挙げられます。
独裁政権だからと言って悪事三昧をしていたわけではありませんが、一人で勝手に
物事を決めると言うのは、話し合いで決めたときと違い不利益になる人が出た時に
話し合いの末覚悟して臨むのと、一方的に不利益を押し付けられるのとの違いがあります。
幸せであれば独裁であっても、ブータンやベネズエラやベラルーシの様に何も問題は
無かったでしょうが、経済が悪化し失業率が高くなり生活が苦しくなれば独裁者1人が
悪い事にされてしまうのです。 例えそれが以前は祖国の英雄だと言われていた人でも、
髪の毛をつかまれて町中を引きまわされて、怒った国民に生贄にされ無残に惨殺されて
しまうのです。 日本でも似たようなことが起こっていますからわかると思います。
政権が1年も続かない総理大臣ばかり輩出しているのは、国民が不景気なのはトップが
悪いからと思うから、足を引っ張るのです。
シリアもこれは洒落にならない事態でした。
シリア自体が地下資源の無い国だったのですが、隣国にイスラエルがあり、長年戦争を
していた事で経済が脆弱でした。 それでも何とかアメリカと折り合いをつけたりしながら
経済をよくする努力はしてきたのですが、2008年のアメリカサブプライムローン問題で、
アメリカの経済が大ダメージを受け、それまで中東の地下資源へ大量投資する投資家
によって潤滑に中東バブル経済を作り上げていた隣国が次々と経済危機に陥りました。
オイルマネーはまだよかったのです。 石油を買わない先進国は無いので、地下資源の
有る国はなんとか経済が回復しましたが、経済が回復できなかった国も多く、失業率が
35%もあったシリアでは暴動が起きないように監視体制を強いていた時にアラブの春
のデモが発生したのです。
独裁政権のアサド大統領は武力で対抗したため、国際社会から大統領辞めろと言われ
ていますが、今大統領が辞めても次の大統領になりたい人が軍事力で脅してくるとか、
実際にテロリストのアルカイダがシリアをイスラム教国にしようとテロをしていたりと、
直に退陣するわけにはいかないとして、国債批判を受けながら大統領を続けています。
今回なぜそんなシリアの内戦で中国が悪いのかと言うニュースが出たのかと言うと、
アサド政権はGNP世界第2位になった中国をモデルに政権運営をし、中国の援助を受けて
独裁政権を維持してきたことが原因の1つとして挙げられています。
さらに中国はシリアに大量の輸出を行い金儲けしたことで、ただでさえ経済が弱っている
のに拍車がかかり、失業者が増えたことや、シリアが内戦状態になって国連で話し合いを
しましょうと言った時に、中国が支援する独裁政権が国連で大統領を辞任に追い込む事態
になれば、中国も独裁国家で政府に不満を持つ国民が多く暴動を起こしている状態なので、
同じ様に国連が中国のチベット問題やウイグル問題に介入し、中国政府の首相を引きずり
おろして、アメリカの都合の良い首相をすえられることを恐れ、国連での話し合いを妨害
するために拒否権を乱発したことが他国の非難をかっているようです。