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ドイツ:武器輸出が急増サウジやパキスタンも得意先


「武器商人」としてのドイツが存在感を増している。ドイツは現在、米露に次ぐ世界第3位の武器輸出国で、スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、06~10年の武器輸出総額は計132億ドル(約1兆300億円)と、01~05年の計69億ドルからほぼ倍増の勢いだ。主な輸出先は欧米諸国だが、サウジアラビア、パキスタンなども「得意先」として名を連ねる。ドイツは人権弾圧国家や紛争当事者への武器輸出を禁じているが、最近は商業的利益が優先され、原則が揺らいでいるとの指摘もある。

 ドイツでは00年制定の武器輸出原則に従い、首相や国防相らで構成する「安全保障会議」が輸出の可否を決定。イラン、シリア、北朝鮮など約20カ国が禁輸対象だ。

 こうした中、昨年には独クラウス・マッファイ社製の最新型戦車「レオパルト2」がサウジアラビアに売却されることが報道で発覚。デメジエール国防相は「サウジは民主主義国家ではないが、中東安定化に必要な国」と釈明したが、サウジは「アラブの春」の民主化要求運動を鎮圧したバーレーン政府を支援しており、野党から「弾圧する側への武器輸出は問題」「中東をさらに不安定化させる」との批判も噴出した。

 非営利組織「ボン国際軍民転換センター」のマーク・フォン・ベムケン上級研究員は非欧米諸国への武器輸出増について、「ユーロ危機などで欧州の兵器市場が縮小し、政府も新規市場開拓を支援している」と分析する。

 エジプトに輸出されたはずのドイツ製自動小銃が昨秋、禁輸対象国のリビアで発見されたと報じられるなど、武器の「拡散」も懸念される。だが政府の積極姿勢は変わらず、メルケル首相は昨年以降、外遊先のアンゴラやインドネシアで警備艇や戦車の売却交渉を進めている。「ドイツが売らなくても、必ず他国が売る」(キリスト教社会同盟・ヒンスケン議員)と売却を正当化する声も根強い。



http://mainichi.jp/select/news/20121002k0000m030043000c.html



 

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