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ミンダナオ島「平和の学校」紛争地域に NPO支援


 フィリピンの子どもたちの教育向上を支援する名古屋市中区大須のNPO法人「アジア日本相互交流センター」(アイキャン、田口京子代表理事)が、政府軍と非政府軍による紛争地域で建設を進めていた「平和の学校」が9月に完成した。同国教育省への引き渡し式には現地の要人らが出席したほか、両軍兵士がともに警備にあたったという。(青山正敏)

 同センターは同国の子どもたちを貧困や紛争、差別から守ろうと1994年設立。マニラやミンダナオ島に事務所を置き、学用品支援や学校建設、学校給食提供などの活動をしている。

 一昨年から活動資金捻出のため、市民らから書き損じのはがきや古本、CDなどを募集。2年余りではがき約7万3000枚などが集まり、得られた資金は350万円を超えた。この資金に加え、国の補助金や一般寄付でミンダナオ島・コタバト州ピキット町での学校建設に乗り出した。

 昨年11月に用地を確保し、今年4月に着工。ピキットは両軍が激しく争う地域で、土地代や教員研修費などの他、政府軍による護衛費がかさみ、最終的な建設費は約5000万円になった。

 鉄筋コンクリート平屋、6教室の学校は「スルタンメモリアル中学校」と名付けられ、約300人が学ぶ。同センターによると、引き渡し式には州評議員や町長ら約500人が出席し、式典を無事に行うため、両軍の兵士が警備にあたった。同地域で両軍が顔を合わせることはなく、出席者を驚かせたという。式典では「平和を維持していく」などとする「平和の学校宣言」が採択された。

 同センターの吉田文さん(28)は「建設できたのは、両軍が平和と教育の向上という目的に協力してくれたことが大きい」と話す。

 現在も同センター(052・253・7299)は現地支援のため書き損じのはがきを募っている。
(2012年10月3日  読売新聞)


http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/aichi/news/20121003-OYT8T00044.htm


 

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