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ロシアと日本は世界を変えることができる


   雑誌「フォーブス」は、「ロシアと日本は互いに熟視するべきだ」という表題の記事を掲載した。

   記事を執筆したのは、アジア太平洋安全保障問題の専門家ジョナサン・ミラー氏。ミラー氏は、今後10年間はロシアと日本にとって変化の時代になる可能性があるとの見方を示している。

   ミラー氏は、アジアが世界で戦略的に最も重要な地域に変わりつつある中で、ロシアと日本の今後の関係ははっきりしていないと指摘し、中国がアジア太平洋地域で経済を発展させ軍事力を増大していくことで問題が作り出されるものの、それはロシアと日本の関係に新たな可能性を与える可能性もあるほか、アジアにおける安全保障基盤は今後さらにもろくなり、両国にとっては「魚雷(問題)」がさらに増えていくだろうとの考えを表している。ミラー氏は、そのような「魚雷」として、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の体制、激しくなっている資源争い、中央アジアでの影響力争い、国際テロリズム、組織犯罪などを挙げている。

   ミラー氏によると、ロシアと日本はこれらの条件のもとで、互恵的パートナー関係を構築するために、自国の戦略を見直さなければならない。その例として、2012年の初めに実施された露日外相会談での公式声明が挙げられている。この声明の中では、アジア太平洋地域の安全保障分野の激しい変化を念頭に置いた場合、ロシアと日本の関係は新たな重要性を帯びていると述べられている。

   もちろんロシアと日本の協力関係発展の道には、南クリルに関する論争が深刻な障害として立ちはだかっている。政治家たちは依然としてこの問題にあまりにも熱くなっている。だが、歴史的な傷がロシアと日本の戦略的互恵関係を促進することはないにしても、その傷が核兵器不拡散、テロ対策、エネルギー安全保障などの一連の重要問題における両国の協力を妨げることはない。

 日本とロシアは、核兵器製造に関する北朝鮮の秘密のプログラムに関する問題を解決するために政治的な努力を行った。ミラー氏は、北朝鮮の強敵である韓国、米国、日本と北朝鮮との協議では、ロシアが重要な仲介役を演じることができるであろうと指摘している。

 ロシアと日本の戦略関係の強化は、台頭する中国に対して、他の国の立場を考慮しなければらなないというシグナルを送ることができる。

ロシアと日本は中国と緊密な貿易関係を維持しており、対立を望んではいないものの、中国がアジア太平洋地域の主導的な役割を演じることには反対の立場を持っている。

ミラー氏は、日本は歴史的に米国との安全保障条約に頼っていたが、中国の影響が高まるにつれて、日本は地域で新たな戦略的パートナーを模索することになるだろうとの考えを表している。

 ミラー氏の見解によると、エネルギー安全保障分野におけるロシアと日本の関係は非常に大きな意味を持っている。2011年3月の東日本大震災の後、日本ではエネルギーの需要が高まった。ロシアと日本がすでにこの分野における協力強化に向けた最初の一歩を踏み出したことは、賞賛に値する。それらの協力とは、東シベリアのガスパイプライン敷設プロジェクト、ウラジオストクでの液化天然ガス(LNG)工場の建設、サハリンでの新たなエネルギープロジェクトの実現などだ。

 ミラー氏は、日本とロシアが中央アジアで共同投資プロジェクトを実施できるとの見解も表している。その際、日本は情報テクノロジーや産業分野の経験を提供できるだろう。ミラー氏は、「ロシアは、アジアが変化し、太平洋の大国としてのステータスを新たなものにする必要があることを理解している。ロシアはそれを日本と一緒に、あるいは日本なしで行うことが可能だが、ロシアは日本を同盟国に持つことで、その移行をより容易に行うことができるだろう」との確信を表している。

   ミラー氏は、今はちょうど、「クリルに関する大きな取引」を結ぶ時期にあると指摘している。そのためには政治的な勇気が求められる。だが、ロシアと日本がアジア太平洋地域における未来の戦略方針の策定において重要な役割を担う用意があるならば、両国は領土問題を自ら解決しなくてはならない。


http://japanese.ruvr.ru/2012_10_03/90078923/


 

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