玉藻前




鳥羽上皇が体調を崩されてしまった。

優秀な医者に見てもらったが治る気配が一向に無い。

これはもしかして呪いの仕業ではないのかと

陰陽師を呼び出してみたところ、

「これは、ただの病ではありませんねぇ。狐の仕業です。そうですねぇ・・・」

病の原因を一目見て暴いてしまった。

陰陽師は注意深く周りを見まわす。

そしてある女官に目をとめこう言い放った。

「貴方ですね。鳥羽上皇のお身体を崩させた悪い狐は！」

指をさされた女官はたちまち白面金色をした九尾の狐と変わり宮廷から消えて行ってしまった。



彼女の名前は玉藻前。

１８歳の時より宮廷で仕えていた。

才色兼備で美しい玉藻前に鳥羽上皇が放っておくわけがない。

たちまち鳥羽上皇の女官となり契りを交わす仲となったのだが、

物の怪の発する邪気を人間が耐えられるわけがない。

鳥羽上皇は体調を崩してしまったのである。



玉藻前が姿を消すと

鳥羽上皇は徐々に回復していった。

体調を取り戻し平穏な日々を送ろうとしていると変な噂を耳にする。

那須野では九尾の狐が婦女子をさらっているらしいと。

さてはこの九尾の狐は玉藻前ではないだろうか。

おのれ玉藻前。上皇の体調を崩させるのみではなく民までさらって苦しめるというのか！

鳥羽上皇は討伐軍を結成し玉藻前の排除に向かった。



九尾の狐の姿になっている玉藻前との死闘は凄まじかった。

兵が玉藻前に攻撃をしかけようも

玉藻前はあっさりと避けきって攻撃を交わす。

妖術をつかって兵を戦線喪失させていく。

このままでは、勝てる見込みがない。

だからといって人間側もこのまま引くわけにはいかない。

狐を暴いた陰陽師を軍師として指揮をとり挑んでみた。

これが功と成したのか玉藻前は弱っていった。

「ごめんなさい。許して下さい」

玉藻前は涙ながらに許しを請いたが

怒りに満ちている鳥羽上皇は冷徹に言い放つ。

「止めを刺せ。」

討伐軍にいた武将が弓を放ち、別の者は太刀を振りかざして

こうして玉藻前を息の根を止めた。



玉藻前は死後、身体は大きな石”殺生石”と成り果てて

栃木県那須に鎮座する。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ウィキペディア参考

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追記

玉藻前

御伽草子に登場する伝説上の人物。
日本三大妖怪の一人。
九尾の狐。
鳥羽上皇の女官となり寵愛されていたが
鳥羽上皇の次第に体を崩すようになった。
陰陽師に見てもらったところ
玉藻前の正体を暴かれ、さらに玉藻前の発する邪気が原因だと発覚。
玉藻前は逃亡したが
討伐軍を編成し、栃木県那須町で倒される。
玉藻前は死ぬ寸前”殺生石”となって
今現在も存在する。



せっかく狐さんの衣装があるのだからと
妖狐をテーマにして作ってみた作品です。

客観視で話が進められているので
何故、玉藻前が鳥羽天皇に近づいたのは謎です。

玉藻前は子供のいない老夫婦に大切に育てられている過去があり
老夫婦へ恩威の為に宮廷へ奉公しに行ったのか
それとも
三大妖怪と言われているのだから
鳥羽上皇を貶めるために近づいたのか

調べれば調べるほど、
色んな感性がたちこめて
国語の授業をしているようでした（笑）