ロ米:スパイ戦争再来
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- 2012/10/10 20:58:20
テキサスの連邦裁判所は4日、ロシアに不法にミクロエレクトロニクス製品を持ち出そうとして拘束されたグループの為の時効中断措置を講じた。彼らは、諜報機関用語では、産業スパイと呼ばれる。
事件に関与しているとされているのは全部で11人で、その内8人が逮捕された。残りの3人はロシア国内にいるので、拘束できなかったという。 伝えられたところでは、少なくとも2人がロシアのパスポートを持ち、逮捕された1人はロシアと米国の二重国籍を有しているという。そして残りは、旧ソ連邦構成共和国から米国への移民達だった。
この不法な輸出事件に関しては、今のところ分からない点が多い。ロシア外務省も、そう述べている。しかし最も肝心なことはすでに明らかで、それは、いかなるスパイ・スキャンダルでもないという事だ。 外務省のアレクサンドル・ルカシェヴチ報道官は、次のように伝えた―
「我々は、ロシア人も含まれるこのグループをめぐる状況を、注意深く見守っている。手元に届く情報によれば、彼らは、ロシアにマイクロエレクトロニクス製品を不法に送ろうとしたとの罪に問われている。なお米国側からは、告発は刑事上の性格を持つもので、諜報活動とは何のかかわりもないとの説明を受けている。」
首班とされているのは、アレクサンドル・フィシェンコなる人物で、彼は、米国とロシアの会社の社長でオーナーでもある。FBIは、彼が米国領内でロシア政府の未登録のエージェントとして活動し、不法にハイテク・マイクロエレクトロニクス製品を買い付けていたとして告訴した。その他の10人は、輸出に関する一連の法律違反と司法妨害の罪に問われている。
ロシア及び米国政府間にスパイあるいはそれに関連したスキャンダルがどんなにあったとしても、そうしたものすべては、実際のところ、ある一つの問いに突き当たる。なぜ今であって、それ以前ではなかったのかという問いだ。 新聞報道から判断すれば、FBIが「スパイ達」を泳がしておいたのは、ひと月間でも又1年間でもなかったのだ。
ロシア人専門家達の中には、今この事件が「暴露」されたのは決して偶然ではないと確信する人々もいる。ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所のイーゴリ・ホフロフ研究員もその一人だ―
「ああした種類の情報を流すには、今は最も良い時だ。なぜなら、だ米国大統領の選挙レースが、最後の直線コースに入った時だからだ。 共和党は、オバマ大統領がロシアに対し、そして米国との関係に友好的立場を取らない国々に対しあまりに軟弱だと非難している。それゆえ、今回のスキャンダルは、共和党と民主党の間の政治的争いが過熱化している事からきたものと見ている。」
米露間のスパイ事件というものは、重要な政治的出来事を前に定期的に火が付き話題となる。例えば最近では、2010年にもそうした事があった。ロシアと米国が調印した戦略攻撃兵器に関する新条約批准の前にも、スパイ事件が持ち上がった。その時は、ロシアの11人のスパイ・グループが摘発され、後にロシアへと送還された。
http://japanese.ruvr.ru/2012_10_05/90357358/