読書の秋②
- カテゴリ:日記
- 2012/10/19 23:02:56
② ジャック・リッチー
最近、と言うより夏ごろから「クライムマシン」「ダイアルAを回せ」「10ドルだって大金だ」「カーデュラ探偵社」を読んでました。ジャック・リッチーはEQMMやヒッチコックマガジンの常連寄稿者で短編の名手。と言うより短編しか書いてない長らく忘れられた作家です。
読者を驚かせる手腕はもちろん、どうも引きこもり願望や独特の善悪観が作品に垣間見え。多分、短編で生活できるだけ稼げればいいと思ってるようなひとじゃなかったかとおもいます。
そんなリッチーにもシリーズのような作品があり、日本で発売されてるのが「カーデュラ探偵社」、主人公のカーデュラはヨーロッパ出身の元貴族、人民政府等に財産を没収されアメリカに渡った苦労人。しかし頭脳明晰、怪力、銃で撃たれても死なない、裏路地からビルの屋上までひとっ飛び、移動するときは時々何かに変身。日光アレルギーで夜間専門。。。。そうです。作品の中で明言はされないものの彼はD伯爵の一族。
そんな彼の最大の敵は貧乏、なにせ初登場から「気が付いたら破産していたのだ」と言ってるし、それでも誇りは失わない姿がいとあわれ。
残念なことは、シリーズとしても非常に作品が少ないみたいで単行本の内容も先の三冊の短編集に収録されたもの+カーデュラ以外の短編だけでした。
あと、もう一つのシリーズが短編集に収録のみの「ヘンリー・S・ターンバックル」シリーズ。ミドルネームのSはsensibilityだそうで。偶然が幸運になって返ってくるという意味にもなるようです。(事件も偶然的に解決してしまう)
主人公のターンバックル刑事は頭脳明晰、抜群の推理力、なのに何故か事件の真相はほぼ外すか、口をつぐまねばならないような真相だったり、それでいて事件関係者からは「君のおかげで事件の真相に気が付けた」などと感謝され、自身はプライドが傷付けられるのか毎回毎回シェリー酒をあおる肝臓がちょっと心配な可哀そうな人。
私のお気に入りは「縛り首の木」という話。辺鄙な村に迷い込んだターンバックル。相棒ラルフは異様な雰囲気にびびりまくるもののターンバックルは「いたずらだよ」と一笑。
・・・・・・・・・・・はい、外しました。悪戯でもなく、犯罪でもなく オチがホラーなんです。
『ジョジョ』みたいに大売れしたのに…
知ってる作者の品でなければやっぱり直感?
今、「チャイルド44」と言うのを読んでます。
まだ読み終わって無いですが、スターリン前後のソ連での連続猟奇殺人の話です。
書いたのが今のイギリスの新進作家なのが感心・・・
ほんとうに井の中の蛙である自分というものに
気付くことが多いことに気づかされます