中国:化学工場の建設計画に抗議 大規模デモ
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- 2012/10/27 22:22:03
中国浙江(せっこう)省寧波(ねいは)市で、化学工場の建設計画に反対する住民による抗議活動が続いている。11月8日に開幕する共産党大会を前に、当局は多数の警察官を投入して抑え込みを図っているが、27日も1000人規模のデモが発生して多数が警察に身柄を拘束されるなど、抗議活動は拡大の一途をたどっている。
香港メディアなどによると、工場は、化学繊維の原料で毒性が高いとされるパラキシレンの生産施設で、市内から十数キロ離れた鎮海(ちんかい)区に建設する計画。10月初旬から住民らが健康被害の恐れがあるとして建設計画の撤回を要求。道路を封鎖するなど数百人規模のデモが断続的に発生し、22日には数千人規模に膨らんだ。
鎮海区政府は24日、新たな環境対策を盛り込んだ改善策を発表し、事態収拾を図ったが、住民側は受け入れを拒否している。26日に派出所が襲撃され警察官が負傷したほか、27日にはデモ隊の一部が警察車両に投石し、警察が催涙弾を発射。午後には1000人規模に拡大し、警察が排除に乗り出した。
抗議活動の呼びかけは28日もインターネット上などで続いており、中国版ツイッター「微博」では建設予定地の「鎮海」などの言葉が検索できなくなっている。
遼寧省大連市では昨年夏、有害物質の流出の恐れがあるとして、住民がパラキシレン工場の閉鎖を求めて大規模なデモを起こし、工場が当局の判断によって閉鎖に追い込まれている。
http://mainichi.jp/select/news/20121028k0000m030019000c.html