『晩鐘』の中に佇む… ブリュールの世界遺産
- カテゴリ:レジャー/旅行
- 2012/11/06 05:02:02
ブリュールのアウグストゥスブルグ城…、というより宮殿。
ここも世界文化遺産です。
ここはケルンから各駅停車で15分ほど。
駅前からすぐに宮殿の庭が広がり、
庭の真ん中をまっすぐ進めば、
アウグストゥスブルク宮殿に到着します。
ケルン大聖堂と同様、
駅前世界文化遺産という感じ。
でも、ケルンの駅前は多くの建物と雑踏でわさわさしていますが、
ここは駅舎以外に、
駐車場とインビス(キオスクみたいなもの)しかないです。
市街地は、宮殿の背後の方にあるらしく、
ですから、この街の住人はこの駅からではなく、
街の中を通っている路面電車を利用しているみたい。
そりゃそうです。
宮殿の裏手からこの駅まで来ようと思ったら、
宮殿の脇を延々歩いて、駅に辿り着くまで、
徒歩で20分ぐらいかかるのではないでしょうか。
それだけ広大な庭を持つ宮殿なのです。
ですから、この駅は、地元住民用と言うより、
アウグストゥスブルク宮殿へ正面から向かいたい観光客用と言っていいでしょう。
さて、アウグストゥスブルク城…、というよりも宮殿。
日本語で「城」と書くと、多少なりとも防御や武装の機能を兼ね備えていますが、
ここは完全に、これ見よがしの見栄えだけが目的の宮殿。
宮殿自体は小規模でも
絶対王政の頃ですから、
他国の宮殿に負けず劣らずと、
バロック様式の外装で、
内部はロココ様式。
ここはケルン大司教で、しかも
神聖ローマ帝国皇帝を選出する権利を持つ選帝侯でもあった人の
宮殿らしいのですが、
なんとこの宮殿を年に数日しか使わなかったんですと…。
無駄遣いという領域を遙かに凌駕しています。 唖然
建物自体は立派なんですが、
この頃の宮殿は、
どこの宮殿も同じような造りになっているから、
正直言って見飽きてしまって、
内部の写真撮影が不許可だったせいもあって、
正直言ってあまり印象に残っていません。
ただ、ケルン大聖堂に近いところにある世界文化遺産ですので、
日本人観光客も多く訪れるようです。
内部見学ツアーを申し込んだら、
なんと日本語オーディオガイドを貸してくれました。
むしろ、この宮殿のすばらしいところは庭と森です。
宮殿の横には、きっちりとデザインされ、
形通りに刈り込まれた広大な庭園が広がり、
(一部工事中なのが残念)
その公園が尽きると、
今度は深い森の中を広い通りがまっすぐ貫いています。
というのも、
この宮殿は選帝侯&大司教の鷹狩り用に作られましたから、
獲物になる動物たちの住み処である森と
森から狩り出された動物たちを鷹が狙う広大な牧草地が必要なのです。
ちょうど明治神宮の中を幅広い参道が伸びている感じですが、
こちらの道はひたすらまっすぐに伸び、
木立も、高く太く垂直に立っています。
その森の中、広い散歩道をまっすぐに進み、
やがて案内板に従って、左手に曲がると、
森は尽きて、今度は広大な牧草地の中を
やはり幅広い散歩道が続いています。
この道がどこまで続いているかというと、
このお城の鷹狩り用別宅であるファルケンルスト城…、
というより別荘まで続いています。
森歩きもずいぶんな距離でしたが、
牧草地の中の散歩道歩きも結構な距離。
なにせ広大なので、途中でドイツ鉄道の下をくぐり、
そして、また幅広い散歩道を歩いて、ようやくファルケンルスト城という、
小さな別邸に到着します。
時間が遅かったので、
ここは外から見るだけにして、
すぐに道を引き返しました。
だって、夕暮れが迫っていたんです。
しかも、今日は冬時間に移行した日だから、
いつもより1時間、陽が沈むのが早い。
そして、ここまで歩いてきた道には、
街灯というものが一切なかった!
このまま陽が落ちてしまったら、
道がわからなくなって、
ドイツの世界文化遺産の中で遭難してしまう…。
山によく登る安寿は、
日暮れまでに安全な場所に絶対に辿り着くという
本能というか習性が働いて、気が気ではありません。
ですが、ドイツ人は慣れているのか、道がわかっているのか、
私が戻りだしたというのに、後から後から散歩にやってくる。
そして、気がつきました。
ヨーロッパの夕暮れは長いのです。
日本の場合、秋の陽は釣瓶落とし…
まっすぐとは行かないまでも、
垂直方向に陽が沈んでいくので、
あれよあれよという間に逢魔が時になり、
そして真っ暗闇になってしまうのですが、
ヨーロッパの場合、
かなり斜めに陽が沈んでいくので、
夕暮れの風景になってから、
陽が沈みきり、
あたりが真っ暗になるまで、
かなり時間がかかるのです。
その帰り道、
丘の上に、今にも沈もうとしている夕陽に照らされて、
散歩道の木立が、長-ーく影を伸ばしている。
そんな夕暮れの風景の中を歩きながら、
牧草地の方に目を向けたら…、
ああ…、ミレーの『晩鐘』だあ~
なるほど、
夕暮れが始まってから、
陽が完全に落ちきるまで長いから、
ヨーロッパの農家って、
夕暮れでも畑仕事をするのね。
夕暮れの中でも仕事を続けていて、
でも、教会の鐘が聞こえてきて、お祈り。
そして、
じゃあ、この辺で今日の仕事はおしまいにしようか…、
ということで、家路につくのでしょう。
ブリュールのアウグストゥスブルク城と別宅のファルケンルスト城よりも、
この広大な森とそこから続く牧草地の中の散歩道に、
ミレーの風景画を、直にこの目で見、
その風景の中に自ら佇むことができたのが、
私にとっての何よりの文化遺産だったのでした。
おしまい。
絶対に長いですよ~。
日の出ですが、
6時頃目を覚ますと、少しだけ夜明けの気配。
そこから1時間半以上の7時50分頃に、
ようやく地平線上に太陽が昇って
朝日が差し込みますもん。
日本だと1時間ぐらいですよ。
しかも、12時になっても、朝日が眩しい。
緯度が高いから、太陽の位置が低くて、
日本の感覚で言うと、いつまでも朝日の光線なんです。
今日の夕方は、
途中から雨になってしまったので、
よくわからないんですが、
でも3時半ぐらいに夕暮れの気配がはっきりしてきて
現在5時半にとっぷりと陽が落ちた感じです。
夜明け/夕暮れの時間が長いというよりも、
夜明け/夕暮れの光線の状態が
長く続くと言った方が正解かもしれません。
ベルサイユ宮殿は行ったことがないのですが、
ロココと言えば、ベルサイユ。
アンドレ、オスカルの、薔薇の花びら舞い散る世界です。 ☆\(ーーメ
でも、もし私がヨーロッパ在住なら、
宮殿を訪ね歩くより、その土地の朝市に行くと思います。
宮殿は飽きて、食傷すると思うのですが、
朝市は飽きないように思う。
朝市のお店の人は、外国人が買い物に来ても、いつも愛想が良いし…。
感じたことがないのは、私が鈍感だからか
ここはイタリアで、独よりは南だからか....
それでも緯度は樺太あたりなんだけれど。。。。
ロココの宮殿って
ベルサイユのミニチュアみたいな感じなのかしら???
フランスには行ったことがないけれど
「宮殿」で記憶に残っているのは
ナポリとトリノ
欧州にいるのに
見たことのない名所って多すぎるわ