「論理」と「感情」
- カテゴリ:日記
- 2012/11/17 22:34:06
イルカを食べちゃダメですか?
科学者の追い込み漁体験記
関口雄祐
光文社新書
自分は子供の頃、給食で鯨肉が出た最後の方の世代だが、正直、鯨肉にあまり思い入れはない。
ただ、欧米の「捕鯨禁止」の主張には、以前から理解し難いものを感じていた。
(ちなみに生物学上、イルカとクジラには違いはなく、大型のものをクジラ、小型のものをイルカと区別しているだけらしい)
2009年度のアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した「ザ・コーブ」ではイルカの追い込み漁が批判的に描かれた。
が、著者によれば、ギリギリ、ウソはついていないものの、「ドキュメンタリー」というより「プロパガンダ」に近いものだと言う。
著者はイルカの追い込み漁が行われている和歌山県太地町に水産庁調査員として訪れたのをきっかけに、長年にわたり漁師達との交流を続けている。
本書は、その経験を元に描いたイルカ追い込み漁の体験記、および捕鯨の歴史についてと、捕鯨のこれからについて論じたもの。
当然、(自称)保護団体メンバーとの衝突についても触れられている。
地元の漁師達が口を揃えて嘆いている事は(自称)保護団体メンバーの「姑息さ」
基本的に「欲しくない」と言っている人にムリに押し付けようとしている訳ではないから、放っておいて欲しい、というのが漁師達の本音。
それでもしつこくつきまとう(自称)保護団体メンバーに「イルカをとって何が悪い?」と聞いても、彼らは正面から答えようとせず、何かの拍子に腕がぶつかったというような事があれば、大げさに痛がるフリをして「暴力を受けた」と騒ぐらしい。
(そもそも撮影している場所自体、一般人は立ち入り禁止の場所だったりする)
2011/7/2にフジテレビで放送された「渡辺陽一が撮ったこれが世界の「戦場」だ」という番組で、スタジオの中学生がシー・シェパード代表のポール・ワトソン氏に質問するコーナーがあった。
そこで中学生が
「クジラは獲ってはダメで、牛がいいのは、なぜ」
という趣旨の質問をしたところ、
「牛は海に住んでいない」
という回答が返ってきた、というのを思い出した。
この辺りから考えると、(自称)保護団体メンバーにとってはイルカ・クジラ保護は「科学」ではなく「宗教」なのだろう。
そのため、漁師達からの「なぜ、獲ってはいけないのか」という「論理」には太刀打ちできず、「感情」に訴える方法でしか対抗できないのでは、という気がする。
捕鯨を理解させるには、まずは、その違いがある事を認めさせる事から始めなければならないのかもしれない。
(もしかすると、ムリかも、という気もする)
どうしても、という訳でもないので気になさらずに。
色々と差し障りがあるので、ゴメンナサイ。
水産だけではありません。
反捕鯨で利益を得る団体というと、やはり水産関係になるのでしょうか。
国際捕鯨委員会の日本代表の方と、お話したことがあります。
その方、これまで反捕鯨の勢力と、だいぶ激しくやり合ったそうです。
結局のところ、反捕鯨勢力の背後には、
反捕鯨によって利益を得る、欧米の色々なビジネスの団体が沢山付いており、
シーシェパード等は、その宣伝を請け負っている宣伝マンのような役割とか。
だから論理もなにもありませんわ。
彼らは、お金になるからやっているだけで、
目につくことをやって、国際的な注目を集めればいいわけです。
だから、逆に捕鯨国が「じゃあ、もう捕鯨もイルカ漁も止める~。」
といって廃止すると、逆に彼らは仕事が無くなって困るのだそうです~。
いわゆる、中世ヨーロッパの十字軍のようなものですね。