黒猫目日記番外5
- カテゴリ:小説/詩
- 2012/11/27 19:57:57
街での生活にもそろそろ慣れてまいったこの頃いささか無聊に過ごすことが多くなった。
あばら家の修理や冬支度も大方終わったし、さて、次は何をいたそうか。そうじゃ、里を出るときに師匠が下された書物がある。「お前のためになる書故、ひまが出来たらゆっくり目を通せ」と仰られていた。某、あまり勉学には熱心では無かったので難しい書物を読むのは苦手だが、師匠が勧めて下さった物、この機会にがんばって読み解いて見せよう。
どれどれ、
『はたきを掛けるときは部屋の上から順番にかけること』
へ?
『衣類にシミがついたときは表に端切れをあて、裏から叩くこと』
なに?
『しゃっくりを止めるには柿のへたの煎じ汁を服用するとよい』
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こ、これはもしかしておばあちゃんの知恵袋では?
た、確かにためになる書物ではある、あるがしかし、もっとこの何というかその・・
・・・・・・・・・・・・・・師匠・・・・・・・某はそんなに頼りないですかぁ