Nicotto Town



秋のホテル


アニータ・ブルックナー作です。

ポーランド系ユダヤ人家庭の厳しい躾の中で育った彼女は
男性社会、仕事では美術史家、教授とそこそこ成功を収めますが
本当の愛情を得る人生ではなかったと
自身のリハビリを兼ねて、50を過ぎて小説を書き始めます。

その四作目『秋のホテル』でい英国文学の最高賞、ブッカー賞を受賞した作品です。

彼女の名文に惚れこんだイギリス文学者、小野寺昭さんが
丁寧に翻訳されました。

美しい文章の静かな物語に、ゆっくりと言葉をかみしめ
大切に読んだ記憶があります。

報われない愛に傷つき、季節外れの異国のホテルに辿りついた主人公
作家のイーディス。
そこで出会う宿泊客は、上流階級だがそれぞれの孤独を抱えている。

愛がなくても、確かな生活さえ保証されれば
そこそこ幸せに生きていける。
そんなポロポーズをされた彼女は、「結婚」という形式を受けた方が
幸せになれるのかと迷います。

ドラマチックな展開はありませんが、何度も読み返したくなる作品です。

最近は、活躍されているのだろうか。。
新作の翻訳を見かけることはありません。残念。

秋が終わりを告げ、冬に近づいていますね。
また読み返してみようかな。
大事にとってある本なのです。

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2012/12/14 00:15
らてぃあさん★コメントありがとうございます。

欧州って階級意識が歴然と残っていますからね。。
アジア人は多少、差別意識を感じてしまうこともあるかもです。。
伝統やら格式を重視する所もありますよ。
居心地が良いとまでは言えない場合もありますね。。

緊張しながら格式の高いホテルに泊るより
そこそこコ―ジーなホテルの方がリラックスできるのが
欧州かもね。。
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2012/12/09 19:45
面白そう。欧州のホテルって国にもよるけど不思議な雰囲気がありますね。
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2012/11/30 00:14
西の魔女さん★コメントありがとうございます。

愛し合うってことは難しいことかもしれませんね。
永遠がつくからかもしれません。
たとえ、一時でも愛し合ったと思えた時期があれば
それこそ永遠に変わらないひと時。

愛情の表現が異なれば、すれ違っていくことも
あるかもしれませんね。

映画解説の始めに良い言葉がありました。

同じ時計を持つこと、
お互いに一秒でも狂ってはいけない。
どちらかが若くても、どちらかが先に老いてもいけない。
同じペースで同じ風景を見る。

でも時計は同じ時には止まらない。

自分の中に誰かを愛する気持ちが生きていれば
切なくとも、顔を照らしてくれる
灯りになると思うんですが。。
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2012/11/30 00:06
大喜さん★コメントありがとうございます。

アマゾンで調べたら、彼女についての評伝らしきものが
出ていたので注文してしまいました。

仕事に打ち込み過ぎて、プライベートが置き去りにされてきたのでしょうか。
当時はまだ若かったので、本当の意味は読み解けていなかったのかも。
再読してみようと思います。

幾つになっても自分を諦めない姿勢が
しんどいけれど、豊かに納得してい生きる手掛かりかもしれませんね。
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2012/11/30 00:02
おおくま ねこさん★コメントありがとうございます。

ファンは多いんですよ。
ブルックナー文庫として晶文社だっけな。。
一応、全作品持っているんですが
実は合わないのもあって未読のままのものも^^;

出版された当初は話題になりましたよ。
当時はわたしよりずっと年上の人たちが、感銘を受けたようでした。
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2012/11/29 23:56
アッシュさん★コメントありがとうございます。

アッシュさん向きではなさそうですw

年下の友人に紹介したら、どこがよかったの?って^^;

ヒューゴー賞、ネビュラ賞まではよく知っているのですが
ローカス賞、キャンベル記念賞は初めて聞きます。

『ねじまき少女』ググってみたら、評価割れてますね。
アッシュさんの感想はどうかな?
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2012/11/29 13:07
本当の愛情を得る人生というのは難しいでしょうねぇ・・・
満たされているように見えて満たされない。
誰しもそんなものなのかもしれません。

惜しまず与え、それをきちんと受け止める相手に恵まれてこそ
本当の愛情というものを感じられるのかもしれませんが
現実は、与える勇気と活力には限界があり、与え続けても受け止められず
もっともっとと要求のみに苛まれる・・・・こんな感じに陥るものだと思います。

僅かずつでも、静かに心が通う、そんな関係が良いのかもしれません。
50から小説かぁ・・・・疲れてる場合じゃないねw
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2012/11/29 09:03
50を過ぎて小説を書き始めるというのが琴線にふれました。
もちろん素地はあったでしょうが、書かずに居られない何かがあったのでしょうね?
人が生きる意味は答えはありませんが、
せずにいられない衝動というものは素直に大切にしたいものです。
深い作品のようですね。
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2012/11/29 07:09
黒猫手毬さんの説明の良さもあって、興味を惹かれます。
静かな夜を過ごすのによさそうな作品ですね。

読みたい本リストに加えておきます。
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2012/11/29 00:23
名作の香り漂いますね。
でも、俺は読まなさそうだなあw
もっぱらSFと時代小説とあとは娯楽的なのばっかです。
そういえば昨日買ってきたハヤカワ文庫は・・・
『ねじまき少女』。(THE WINDUP GIRL)
作者はパオロ・バチガルピ(何人?w)
ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞、キャンベル記念賞受賞というすごいやつみたいですw
まだ読んでないので、楽しみ~♪




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