秋のホテル
- カテゴリ:日記
- 2012/11/28 22:32:00
アニータ・ブルックナー作です。
ポーランド系ユダヤ人家庭の厳しい躾の中で育った彼女は
男性社会、仕事では美術史家、教授とそこそこ成功を収めますが
本当の愛情を得る人生ではなかったと
自身のリハビリを兼ねて、50を過ぎて小説を書き始めます。
その四作目『秋のホテル』でい英国文学の最高賞、ブッカー賞を受賞した作品です。
彼女の名文に惚れこんだイギリス文学者、小野寺昭さんが
丁寧に翻訳されました。
美しい文章の静かな物語に、ゆっくりと言葉をかみしめ
大切に読んだ記憶があります。
報われない愛に傷つき、季節外れの異国のホテルに辿りついた主人公
作家のイーディス。
そこで出会う宿泊客は、上流階級だがそれぞれの孤独を抱えている。
愛がなくても、確かな生活さえ保証されれば
そこそこ幸せに生きていける。
そんなポロポーズをされた彼女は、「結婚」という形式を受けた方が
幸せになれるのかと迷います。
ドラマチックな展開はありませんが、何度も読み返したくなる作品です。
最近は、活躍されているのだろうか。。
新作の翻訳を見かけることはありません。残念。
秋が終わりを告げ、冬に近づいていますね。
また読み返してみようかな。
大事にとってある本なのです。
欧州って階級意識が歴然と残っていますからね。。
アジア人は多少、差別意識を感じてしまうこともあるかもです。。
伝統やら格式を重視する所もありますよ。
居心地が良いとまでは言えない場合もありますね。。
緊張しながら格式の高いホテルに泊るより
そこそこコ―ジーなホテルの方がリラックスできるのが
欧州かもね。。
愛し合うってことは難しいことかもしれませんね。
永遠がつくからかもしれません。
たとえ、一時でも愛し合ったと思えた時期があれば
それこそ永遠に変わらないひと時。
愛情の表現が異なれば、すれ違っていくことも
あるかもしれませんね。
映画解説の始めに良い言葉がありました。
同じ時計を持つこと、
お互いに一秒でも狂ってはいけない。
どちらかが若くても、どちらかが先に老いてもいけない。
同じペースで同じ風景を見る。
でも時計は同じ時には止まらない。
自分の中に誰かを愛する気持ちが生きていれば
切なくとも、顔を照らしてくれる
灯りになると思うんですが。。
アマゾンで調べたら、彼女についての評伝らしきものが
出ていたので注文してしまいました。
仕事に打ち込み過ぎて、プライベートが置き去りにされてきたのでしょうか。
当時はまだ若かったので、本当の意味は読み解けていなかったのかも。
再読してみようと思います。
幾つになっても自分を諦めない姿勢が
しんどいけれど、豊かに納得してい生きる手掛かりかもしれませんね。
ファンは多いんですよ。
ブルックナー文庫として晶文社だっけな。。
一応、全作品持っているんですが
実は合わないのもあって未読のままのものも^^;
出版された当初は話題になりましたよ。
当時はわたしよりずっと年上の人たちが、感銘を受けたようでした。
アッシュさん向きではなさそうですw
年下の友人に紹介したら、どこがよかったの?って^^;
ヒューゴー賞、ネビュラ賞まではよく知っているのですが
ローカス賞、キャンベル記念賞は初めて聞きます。
『ねじまき少女』ググってみたら、評価割れてますね。
アッシュさんの感想はどうかな?
満たされているように見えて満たされない。
誰しもそんなものなのかもしれません。
惜しまず与え、それをきちんと受け止める相手に恵まれてこそ
本当の愛情というものを感じられるのかもしれませんが
現実は、与える勇気と活力には限界があり、与え続けても受け止められず
もっともっとと要求のみに苛まれる・・・・こんな感じに陥るものだと思います。
僅かずつでも、静かに心が通う、そんな関係が良いのかもしれません。
50から小説かぁ・・・・疲れてる場合じゃないねw
もちろん素地はあったでしょうが、書かずに居られない何かがあったのでしょうね?
人が生きる意味は答えはありませんが、
せずにいられない衝動というものは素直に大切にしたいものです。
深い作品のようですね。
静かな夜を過ごすのによさそうな作品ですね。
読みたい本リストに加えておきます。
でも、俺は読まなさそうだなあw
もっぱらSFと時代小説とあとは娯楽的なのばっかです。
そういえば昨日買ってきたハヤカワ文庫は・・・
『ねじまき少女』。(THE WINDUP GIRL)
作者はパオロ・バチガルピ(何人?w)
ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞、キャンベル記念賞受賞というすごいやつみたいですw
まだ読んでないので、楽しみ~♪