Dear Snow Ⅰ
- カテゴリ:自作小説
- 2012/12/01 15:03:56
寒い。と感じて目が覚めた。
今の季節は秋。今年度過ごした朝で一番寒い朝だ。
私は枕元の目覚まし時計に目をやった。
8:00と、3桁の数字が私に時間を知らせてくれる。
…もうこんな時間か。
それにしても、寒い。布団のぬくもりをずっと感じていていたいがいくら休日でも起きなければいけない。
私はむくりと起き上がり、大きく伸びをした。
やっぱり寒い。
スリッパを履いて少し歩いてから私は部屋のカーテンを開ける。その異様な光景に私は驚きを隠せなかった。
「雪…」
大粒の雪がしんしんと降り始めていた。積もってはいないものの、その景色を見て私は鳥肌がたった。
雪が降っているのであれば、これだけ寒いのは当然だろう。
ふう、と一息ついてから私は階段をゆっくり降りていった。
階段の少し先に、見慣れた後ろ姿を見つけた。
私は足早にその後ろ姿に駆け寄る。
「おはよ、優亜姉。」
声をかけても、反応がない。
私は優亜姉の顔を覗き込んだ。どこか、寂しげな、遠い存在を見つめている目─。
優亜姉がそんな目を向けるのは、あの人しか考えられない。そう思いながらも優亜姉の視線を追う。
その先に私の兄である、和貴が居た。
お兄ちゃんは窓の景色を、どことなくさみしそうに見つめていた。
ある出来事が私の頭を過ぎる。
雪が降り積もる中、優亜姉にそっくりな女の子を抱きかかえる、お兄ちゃん。
あの頃はただただ何もできなかった自分が不甲斐なかった。
お兄ちゃんにも、そして、優亜姉にも何もしてあげられなかったんだ。
…優亜姉は起きた時にお兄ちゃんを見かけて、話しかけづらくてここに居るのだろう。
しかし、このままでは空気が重たいし、困る。空気を変えられるのは私しかいない。
「優亜姉、ここは私に任せて」
私はそっと優亜姉に耳打ちするとお兄ちゃんのもとへ駆け寄った。
「お兄ちゃん、おはよっ」
なるべく明るくあいさつをする。
「ああ、麗羅か…おはよう。」
私の声に気づいたお兄ちゃんが視線を私の方へ向けてくれた。が、すぐ窓の景色へ視線を戻してしまう。
「初雪…だね」
「ああ、そうだな。」
適当に返事を返された。これは、自分の世界に浸っていると考えられる。
でも、負けない。負けるものか。
「お兄ちゃん、そんなに雪が好きだったの?」
これは気を紛らわせるためだ。誰かが話題を変えないと、お兄ちゃんは絶対、ずっとこのまま雪を見つめているだろう。それは私にとっても、困る。面倒だから。
「麗羅…もしかして、忘れたのか?」
お兄ちゃんはじっと私を見つめる。
ここで負けたら駄目だ。
私も力強い瞳でお兄ちゃんを見つめ返した。
しばらくの沈黙。
「…あ、いや、なんでもない。その…悪かった」
お兄ちゃんが私から視線を外した。
「なに?お兄ちゃん、変なの」
私は軽く笑ってみせる。
ここまでくればあとはもうひと押し。
私は大げさに息を吐くと、わざと大きく背伸びをしてみせた。
「ねえ、お兄ちゃん。お腹すいたし、ご飯にしない?ほら、優亜姉も起きてきたみたいだし、さ」
私は優亜姉の居る方角に視線を送った。
「おお、優亜…おはよう」
お兄ちゃんは何事もなかったかのように優亜姉に笑顔を見せた。
「ああ…うん、おはよう」
優亜姉も微笑む。
重苦しい関係。
この関係がいつか終わる時が来るのだろうか。
ある組織に騙されて、人間界にやってきた私とお兄ちゃん。
その中で知り合った彼女達…優衣姉と優亜姉。二人は双子だった。
私たち4人はすぐに打ち解け合い、私とお兄ちゃんは優衣姉と優亜姉の家で一緒に生活をしていた。
その間に、優衣姉とお兄ちゃんが恋に落ちてしまった。そこで、歯車が狂ったのだ。
優衣姉は病気を煩わせていたけど、お兄ちゃんだけには絶対言うな、と口止めされていた。今思えば、口止めされても言ってしまえばよかったのかもしれない。
ある雪の日に、優衣姉は買い物へ行く、と言って出て行ったきり帰ってこなかった。
私たち3人は必死で捜索した。見つかったのは優衣姉が出かけてから6時間が経過していた。
優衣姉は、死んでいた。
買い物帰りに病気が悪化し、人通りの少ないところで倒れていた。
倒れたのは結構前だったのだろう。優衣姉の上に雪がうっすら降り積もっていた。
優衣姉が死んでしまう数日前に、お兄ちゃん抜きで3人で病院におった。優衣姉の定期検診の為だ。
その時、優衣姉は優亜姉に言っていたんだ。
「私がもし死んでしまったら、和貴を宜しくね。優亜も、好きなんでしょ?和貴のこと。」
「なっ、なんで知ってるの…!?誰にも言ってなかったのに…」
「分かるよ。だって私達、双子じゃない」
「で、でも、宜しくねってどう言う意味…?」
「私が死んだら、優亜は和貴の婚約者。これもう遺言に書いてあるの。だから、宜しくねって」
「遺言、って…やめてよ…でもなんで…」
「あなたに和貴を任せたいから、じゃ、駄目?それに、和貴のことを嫌いな人に任せてもアレだし、麗羅だって妹だからね」
私はその会話をずっと傍で聞いていたんだ。
さっき、お兄ちゃんに「忘れたのか」と聞かれたけど、忘れるはずもなかった。
その時既に優亜姉もお兄ちゃんが好きだったから。
悲しむお兄ちゃんを優亜姉はすごく悲しそうな目で見ていた。
原因はきっと優衣姉じゃない。私はそう思ってる。
でも、私には何もできなかった。二人を励まそうにも、きっと届かない。
綺麗事にしか聞こえないだろう。そう感じたから。
きっとお兄ちゃんも同じことを考えているのだろう、朝食の時もあまり元気がなかった。
それでも私たちは前に進むしかない。
この関係が続こうとも私は妥協しない。
そう、心に誓った。
麗羅ちゃん視点です!!!また思いついたら和貴くん視点で書くよ!!!ってか小説久しぶりwwwwwwwwwwwwwwwwww
優衣の設定、うんと初期は麗羅に殺されたって設定だったんだよね。うん。優衣優亜もエンジェル設定だったので。
でも、優亜を人間設定にした時に、あの黒歴史の塊のような過去じゃつじつまが全然合わないので変えさせていただきました。どっちみち優衣たそが死ぬのは確実( ´◔‿ゝ◔`)
気づいた方も居ると思いますが、多少鏡音三大悲劇の一つの曲を参考にしておりますます。
ニコタ久々だなほんと

























