一人の部屋
- カテゴリ:自作小説
- 2012/12/09 22:06:37
彼が任務で遠征してからはや四日。
一緒に住んでいる部屋で現在一人溜めにため込んでいた録画を見ている。
「・・・・・・」
無言で見つめるテレビには、鮮やかな色彩とテンポよいおとに音声が部屋に響く。
テレビから壁に視線を向け、カレンダーを確認する。
そこには二人の予定が事細かに書かれていた。
(あと一週間、か・・・・・・。)
カレンダーに書きこまれている予定のの半分はバツで消され、残りは現在とこれからの予定。
その前は自分が遠征だったので、彼とは入れ違いで出て行った。
しかもお互いがそれぞれ役職付なので、多忙を極めているため、一緒に暮らしているはずがここ一カ月くらい顔を見ていない気がする。
自分のランクが上がれば肩を並べられると思っていたが、実際は違っていた。
「はやくかえってこーい・・・・」
ぽつりとつぶやかれた言葉は、、誰に聞こえることもなくむなしく消えていった。