Sさんの事情
- カテゴリ:仕事
- 2012/12/13 09:11:01
病院の患者さんの送迎のアルバイトを始めて、一ヶ月が経ちました。
ようやく慣れてきたかなぁ・・・という感じです。
一番初めに言われた事。
「あのSさんという患者さん、気を付けてください。色々言う人ですから。」
毎朝、キャップとマスクとサングラスで無愛想に車に乗り込むSさん。
とっても我がままな人だと、先輩ドライバーの方に言われました。
私の第一印象でも、随分と口の悪い人だなぁという印象。
もう、思ったことは全部口に出しちゃう。
「お前ら俺らみたいな透析患者がいるから給料貰えるんだぞ」
等と口走る始末です。
それは大きな間違いで、腎不全という病気の原因の殆どが糖尿病からです。
つまりは、日ごろの不摂生が原因でその病気になるケースが多い。
しかも、腎不全の障害認定基準は1~3級。
透析処置の費用は100%国の援助です。
つまり、税金なわけですね^^
という事は、ご自身の不摂生の尻拭いを我々の血税でしてもらってるお立場なのです。
ま、これは非常に悪く取った言い方で、腎不全は糖尿以外の原因からも発症しますし
患者さんが非常に不自由な生活という大きな代償を払っているのも事実です。
そういう方に対して、健常者の私たちがお手伝いするお仕事は、とっても意義があるものだと、私は考えています。
さて、Sさんにお話を戻しましょう。
実はSさん、病気になってからは非常に身体に対して真面目に向き合っているようです。
体重の増加も見られず、毎回予定時間の4時間ぴったりに処置が終了します。
中には家での食生活に問題があり、体重が増加して予定よりも多くの水分を抜かなければならない患者さんもいます。
Sさんは、そのような事が殆どない患者さんなのですね。
そして、処置をスムーズにするように、家からパジャマを着て上に上着を着てきます。
上着を脱げば、すぐに処置開始となるわけです。
そこで問題が発生します。
スムーズに処置が開始され、時間も予定通りのSさん。
当然他の方よりも早く処置が終了してしまうのです。
つまりは、送迎の予定により、Sさんの待ち時間が発生してしまいます。
これにストレスを感じてしまうSさん。
そして、思っている事を口に出してしまうSさんの悪癖が炸裂してしまうのです。
これにより、医師、看護師、ケアスタッフへの印象は最悪に・・・。
ある日、事件が起こります。
Sさんよりも先に処置が始まった方と、Sさんが同時に処置が終わったのです。
Sさんの主張は、その方と一緒に送ってくれというもの。
しかし、そうする事によってその後の患者さん全部に、待ち時間が発生してしまいます。
Sさん一人が待ってくれれば、非常にスムーズに送迎業務が出来る訳です。
一生懸命Sさんをなだめる、主任看護師さん。
本来ならば、新米の私が口を挟む場面ではなかったのです。
しかし、今度は私の悪癖が・・・
主任さん、なるべく早く帰りますので、今日だけはダメでしょうか?
主任:「一人の患者さんの我がままだからねぇ・・・」
今日だけと言う事で、お願いできませんか・・・
私のゴリ押しが通って、Sさんともう一人の方をお送りしました。
車中で
「みんなSさんがいつも待ってくれてるから、それを知ってるから今日は特別っすよ!」
それでもムスっとした表情で、車から降りるSさん。
わかってくれたかなぁ?と不安が過る私でした。
再び、Sさんを送迎する日。
車に乗ったSさんから、口を開いてくれました。
S:「よう、あんちゃん、この前な、カミさんが鍋焼きうどん作って待っててくれたんだよ。」
ああ、それでSさんあんなに急いでたんだ~
うどん、伸びちゃったでしょう?
S:「おう、まぁ伸びちゃったけどな、増えてちょうど良かったよ^^」
あはは、Sさん、奥さん大好きなんでしょ!
S:「うるせえな。。。ま、これ飲め。」
そう言って缶コーヒーを手渡してくれました。
私の心が温かくなったのは、缶コーヒーだけのせいではありませんでした。
そう言えばですよ、こういう頑固オヤジって最近少なくなりましたよね。
ちょっとした理不尽も、自分のエゴも
頑固なキャラで押し通してしまうタイプ。。。
昔は煙たがられながらも、しょうがねぇなぁと許されていた事も
今となっては若い人が付いて来れず、淘汰されてしまい絶滅しちゃったのかもしれません。
あはは、この会話ですね~。
心が温まるツボですよねぇ^^
そうでしたかぁ・・・
人工透析の処置は、4時間行うとその間ずっとランニングをしていたくらいの疲労感だそうです。
4時間走るなんて、フルマラソンですよね。
それを一日おきにやるわけですから、病院に通うのも憂鬱になりますよね。
寒いとか、喉が渇いたとか、待ち時間とか・・・
やはり言いたくなる気持ちはわかりますね。
そういう処置や手術の苦痛は、やはり体験しなければわからない事です。
やはり本人が一番辛いと思います。
しかも、スプさんのお母様は糖尿とは関係のない発症ですから・・・
本当にお気の毒としか言いようがないですね><
きっとですね、お母様は看病する側の苦労も理解してくださってるんだと思います。
つい口をついてしまう、そんな言葉だって・・・
きっと言ってしまった後でへこんだりしてしまってるのかも。
そこはスプさん、フォローをお願いしますね!
そして、いつまでもステキな親子関係を続けてくださいね!
私も息子も、母のいないものですから^^
何だかちょっと羨ましいかもですv^^
気持ちが通じたのかどうかはわかりません。
でも、私がまだ道がわからない頃から、道を教えてくれたりしていたんです。
もしかすると、とても面倒見の良い人なのかもです。
一方、自分の行きたい道を通らなかったりすると、すぐにおへそが曲がってしまいます。
まぁ、扱いにくい事は確かなんですよねぇ・・・。
そそ、助け合いと気遣いで成り立ってる所はありますね~。
私もそれを忘れぬようにがんばります~。
ほっこりして通ってください~。
人の内面を見るって事は、なかなか難しいですよね。
先入観なく判断するって、人生の達人レベルですよ^^
まだまだSさんとも、そして職場の人とも
長い付き合いではありません。
でも、いい関係を維持しながら、楽しく働きたいと思っています!
まぁねぇ~、恥ずかしいという部分もあったのかも^^
人間って不思議だよね。
どんな人にも表と裏があって、いい部分も悪い部分も持ってる。
だから、ひとくくりに出来ないのよね。。。
先入観無しに、しっかりと関わり、判断しなきゃいけないね~。
だって、いい部分を発見すると結構嬉しくなるもんね!
ええ、Sさんの言う事はどれも自分勝手なことばかりです。
もう少し言えば、思い切りSさん寄りに考えて100歩も200歩も譲らなければ
頷ける事はないかも知れませんね。
では、もうひとつのエピソードを。
Sさんの奥様はとってもいい方なんです。
私たちドライバーにも、とても気遣いをしてくださり、必ず挨拶に出てくださいます。
時折奥様から飲み物なども頂いたりもするんですよ。
そんなステキな奥様が、何故Sさんの奥様なのでしょうか?
きっとSさんにも、いい部分があるんだと私は思ってしまいます。
私が思うに、Sさんはとても真面目な方のような気がするんです。
病気にも真面目に向かい合い、摂生もされています。
少しでも処置が速く終われるような努力もしてくださっています。
だからそんな努力をしている自分が、何故待たされなければいけないのか?
そんな風に考えてしまい、我侭な事を言ってしまうのではないでしょうか?
私も随分前に、料理の仕事をしていた頃
閉店のための掃除をしながらオーダー処理をしていたものです。
早く閉店作業を終えると、まだやってる人の分までやらされる事がありました。
私自身が努力して、自分の担当の場所を早く終わらせられたのに
ちんたらやってる人の分までやらされるという理不尽を、私は考えていた事がありました。
何となくですが、その時の自分と今のSさんが、被ってしまうのですよね・・・。
大分慣れてきた分、そろそろミスが出始めてきた感じです><
そうですねぇ、人と向き合うってある意味人生そのものですからねぇ。
難しい反面、遣り甲斐もありますねぇ~。
ええ、がんばりましょう!
お互いに次のステージに向かって!
どんな人も一方の部分だけを見てはいけないと、私は色んな所で学びました。
出来るだけ相手の長所を見つける事の方が、難しい事ですからね。
まぁ、私自身が欠点ばかりなもので^^
ちょっとお寄りしてみたら、いいお話に立ち止まってしまいました。
フツーと違って依怙地だったりワガママだったりする人って、いますね~(^○^)
猫さんとSさんの会話で好きなところは
あはは、Sさん、奥さん大好きなんでしょ!
S:「うるせえな。。。ま、これ飲め。」
ですっ\(^o^)/
なめこも、わりとこの手の方たちは得意です。
血中に溜り 疲れやすくイライラしたりすると母の主治医から聞きました。
鬱ではないだろうかというような激しい 落ち方でとても不安になりました
すぷの母は20年近く前に癌の治療中事故が起こり 片方の腎臓を摘出し
今までひとつの腎臓で耐えてきたのですが
今年に入り検査結果数値が悪く 体調を崩し主治医とすぷとで説得し納得の上
透析の手術を受け、無事先月退院し自宅より通院で透析開始になりました。
あまりの辛さに【死んだほうがマシだ】と聞かされたときは子として
耐え難い物があります。
他者の痛み苦しみは本人しかわからず 丁寧に丁寧に説明したものです
週に2回 最寄り駅まで歩きそこからバスに乗って病院へ帰っています
そう思うと 招き猫さんの心のこもった行動・お言葉
あり難いなぁって想いました(。◡‿◡。)
歳を重ねていくと いろんな想いがじゃまをして
素直に ありがとうっていえなくなるんだなって想いました
実家から帰宅したらすぷのかばんから 封筒に入った現金がでてきました
【じぶんのためにつかいなさい】ってメモがついてました♪
母からすぷに対して 言葉荒げて残念なこと言われても
そんなこと言っちゃってかわいいな~ もうwとさえ
つい感じてしまう今日この頃です*
気持ちが通じた瞬間、ですね✿
けど、Sさん。。。
すっごく自分勝手だ~><
奥さんがいることに驚きました(笑)
社会って助け合いで成り立ってるのにね・・・^^;
招き猫。さん御無沙汰しております!
わわーめっさいい話聞いてほっこりした私が通りますよー。←
人の本性ってやはり表面だけではわかりませんね^^
すぐに判断しないで、長くお付き合いしていくことで
見えなかったものが見えてくる!それっていいですね(*´∇`*)
患者とドライバーなどという形で先輩方から聞いた先入観なく
出会っていたらとても良い方なのでしょうね♪♪
きっとお友達になれますねっ♪(・∀・)
それにしてもSさん・・・可愛いところがある方ですね(*^^*)
でも、わたしSさんが好きにはなれません^^;
送迎の時間も決まっていることだから、
帰宅時間も大体が分かるはず。
だから奥様にもその時間に告げて、食事を作ればいいだけのこと。
要するにただの我儘です。
自分だけが特別にして欲しいだけのこと。
一回限りならばいいけれど、次回も求めたりすることになりはしませんか。
今回は出来たけれど、次回は出来ない事情があるかもしれない。
それを分かる人なのでしょうか。
病気の治療はもともと我慢が必要。
みんな我慢されているし、お互い様であるはずです。
毎回、特別を求めて来る人なのか、違うのか
そのあたりの見極めは必要かと思いますよ。
わたしは以前、接客業だったのでクレイマー的な人は要求に応えれば
喜んでくれて仲良くなるけれど、常に人よりも特別を求めてくるものです。
それが負担になる時もあるので、毎回は無理だと
本当に分かってもらえるのかがポイントです。
少し慣れてきた頃でしょうか。
私ももうすぐ8か月経ちますが、やりがいと難しさを感じています。
お互い人と向き合う仕事ですね。頑張りましょうね!
頑固おやじに見える人にも 事情があった。
その頑固の中の 「人間らしい部分」≪単に嫌な人では無い≫に 招き猫さんが気が付いたからこその特別対応だったと
私は感じています。
よかった^^
さすがって事はないんですけどね^^
私も何だかほっこりしました。。。
そうなんですよね、よくよく話を聞くといいおっさんだったりします。
憎まれ口を聞く人ほど、可愛かったりしますもんね~。
さすが招き猫さん。
なんだかSさん、可愛らしいなあw