もしもし
- カテゴリ:日記
- 2012/12/15 13:20:22
はい、こちら国立天文台
星空の電話相談室
長沢工
新潮文庫
著者は国立天文台の広報普及室に勤務していた人。
一般の人からの問い合わせに応える、言わば「電話番」
もちろん、広報は電話応答だけが仕事ではないが、本書では、その電話応答での出来事が中心に語られている。
普段、天文台に電話をかける事はしない(電話をかけた事がある人の方が少ないと思うが)ので、一体、どんな内容の質問があるのかが、まず興味があった。
流星群、日食などの天文現象についてのものや、学校の先生、研究者の問い合わせは想像できるが、それ以外は何があるのだろう。
一番、多いのは「日の出、日の入り」の時刻。(特に初日の出)
「理科年表」に載っている内容なのだが、考えるより前に聞いてしまおう、という感じで聞いてくるらしい。
本書の発行は2005年。ネットが今ほど身近ではなかった頃だが、こういう人は、今でも掃いて捨てるほどいるだろう。
それから、学校の宿題対策なども。
観測の方法やデータの問い合わせなら、まだいいが、「結果」だけを聞こうとする人もいるそうだ。
(それも親が、というケースもあるとか)
こちらの方は読書感想文や論文の「コピペ問題」など、今の方がもっと「悪質」になっている。
少し意外な感じがしたのは、最も回答に困るのが、「マスコミからの天文現象に関する問い合わせ」だという点。
何が困るか、というと「条件がハッキリせず、要領を得ない」から。
例えば、日食ひとつにしても、必ず聞かれるのは
「前回、起きたのはいつか?」
「次に起きるのはいつか?」
という点。
要領を得ない、というのは「日食」が「皆既日食」だけか、「部分日食」も含めるのか、観測できるのが世界のどこでもいいのか、日本から見えるもののみか等、いろいろ条件があるのだが、それらを省略して、質問するケースが非常に多いそうだ。
人に質問する機会の多いマスコミが科学に対して、訓練されていないのか、「同族」であるからアラが目立つのか。
ふとノーベル賞に関連した誤報騒ぎを思い出した。
そして、やはりいる「困った人々」
天文現象は人間の都合で変更できるわけでもないのに、「こうあるべきだ」と演説する人。
中には、天文とは全く関係ないことで電話をかけている人もいるらしい。
こういう人達も相手にしなければならない、広報普及室。
その苦労がしのばれる。
ただ、なぜ多くの人が日の出、日の入りの時刻にこだわるのか、
よく分からないですね。
(初日の出なら分かりますが・・・)
という問い合わせは、なかったのかしら?
意外に日本人は真面目ね(微笑)。
天文とは関係ない事で電話かける人って、
ただ、自分の相手をして欲しかっただけなのかも。。
知る人ぞ知る、といった番号だったのでは、と想像しています。
(あんまり天文台に質問する、という発想にならないと思うので)
ところで、一旦、カルトに走ると何を言っても、自分が信じている教義を補強する説明
にしかならないですね。
アマゾンでチェックしたら、確か2002年に電話番も退職されていたようで、
それ以前「まで」のお話、となるんですよね。
・・・でも国立天文台の電話番号を調べる方が手間がかかりそうな気がします^^;
>「こうあるべきだ」と演説する人
勘違いから発してて、説明して理解してくれればまだ可愛いんでしょうけれど・・・
カルトに走っちゃった人たちって基本的に聞いてくれないですもんね><