Nicotto Town


JEJE 昔の名前ででています。


富士の裾野の時之栖(ときのすみか)

あの冬の日からもう何年経つのだろう

クリスマス間近のある日 あなたは 言った

一回でいいからいつか時之栖に行きたいなと・・・

イルミネーションが見れる時間には もうあとわずか

車は 東名高速を通り 何とか ぎりぎりの時間に のっぱらの駐車場に着いた

あなたの手をとって 上へ上へと登っていった

真っ暗な暗闇の中・・・

そして そこには 今までになかった 光景が広がっていた

「なんだ さっきの駐車場は 臨時駐車場だったんだね ちゃんとここにもあったね」

あなたは その美しいイルミネーションを見て そのイルミネーションに負けないくらいの美しい笑顔を見せてくれた

イルミネーションの時間も終わり・・・真っ暗な坂道を下り ポツンと車が一台残された駐車場に戻ってきた

空を見上げると そこにはさっきみたイルミネーションより美しい星空が広がっていた

そしてあなたは その星を見て こうつぶやいた

「こっちの方が ずっとさっきのイルミネーションよりきれい・・・」

見上げるあなたの頬にひとすじ 星の光に照らされて 涙が 光った

思わず 僕は 後ろから 空を見上げるあなたを抱きしめた

あなたの体は とてもきゃしゃで・・・壊れてしまいそうだった

そしてあなたの 甘い臭いが 僕の心に勇気をくれた

「本当は ずっとあなたの事・・・好きだったんだ 始めてあった時から・・・」

いつも暮れになると 多くの仲間とドンちゃん騒ぎ・・・

でも 僕には あなたの笑顔しか見えてなかった

いつもはしゃいで 笑っているあなた

でも ある日 笑っているあなたの横顔に 淋しさを感じた

そして 今日も・・・

「ごめん」と僕は あなたの肩から 手を離した

「私さ・・・生きているの・・・疲れちゃった・・・それにあなたの思いにも 応えられないよ」

「僕が10歳も年下だから?それとも 他に付き合っている人いるの?何でそんなに悲しい顔をしてそんな事言うの?」

帰りの車の中で あなたは全てを話してくれた

そんなに大きな悩みを持っていたとは 思ってもみなかった

「ごめんね・・・わかっていたよ あなたの思い・・・だけど だめなんだよ もう私は・・・」

あなたの家まで送っていって・・・僕はさよならを告げた

そして どんな事があっても 生きていてよ 必ず 生きていればいい事あるから・・・と・・・

今は どうしているんだろう・・・今の季節になると・・・いつもあなたの事を思い出す




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