資金不足で年々縮小されている神戸ルミナリエ。
久しぶりに行ってきました。　

毎年行っているわけではありません。

始まった１９９５年、点灯日初日に近くにいたので
歩いたのが最初です。
人はそれほどではなく、そこそこの距離がありました。
ゆっくりと「綺麗だね」と言い合いながら光の回廊を歩きました。

嘘のように、まばゆい光の洪水でした。
この地域を襲った震災の傷跡が生々しくそこいらに転がっていたから。
歩く人もそれぞれ心の中は傷だらけであったと思います。

それからまたたく間に観光名所となり
毎年、大勢の人が訪れるようになりました。

神戸の街が人で溢れ、比較的小さな私鉄ホームの乗り場は
入場制限がかかることもありました。

２回ほど行って、黒山の列にくたびれるようになり
人混みが酷いこの時期、三宮元町界隈には
用事がない限り避けてしまうようになりました。

見物する人たちも通りすがりが多く、周辺のお店への
経済効果もさほどないのが実情。
継続する資金が毎年枯渇していき、今では存続が危ぶまれています。

１００円募金を呼び掛けていますが、実際に入れる人はまばらな状態です。

たまたま用があり、この時期に三宮にいたので
友人と一緒に見ようということになりました。
相変わらずの人混みですが、規模が縮小された為、若干マシです。

やっぱり綺麗でした。
http://madonna.blog.ocn.ne.jp/yume22/2012/12/post.html

震災の２年前に仕事の都合で、神戸から引っ越した友人も
あの時、あの家にいたら、どうなっていたか分からなかった人です。

わたしたちはたまたま運がよかった。
そういう実感が胸にあります。

ルミナリエを後にしながら
「当時のことをやっぱり思い出すね。
もう止めていいんじゃないかと思っていたけれど
続けるべきなんやろうなぁ」
と友人が言いました。

今年１月の慰霊点灯の時、娘を亡くしたお母さんが
「ようやくここに来ることができました」
と泣きながらロウソクに火を灯しておられました。

助けられなかったこと、失ったことに
自分を責めてこられた辛い年月であったことでしょう。

本当の悲しみを語るには時間が必要でもあります。
語りたくないことが多いのです。

人々は明る話題を好み
そうであってほしいことに目を向けます。

それは仕方がないこと。
苦しみや悲しみばかりでは気が滅入ります。

でも、負の出来事や、それらがどうなっていったのか
どう対処したのか、未来はどうなっていくのか
その蓄積こそ、本当に次世代への財産となる
大切なことなのです。

のちにほとんど他府県に報道されなかった
復興が産業化された実態、コミュニティを分断された人々
その中での孤独死、自殺、復興計画の為の土地をめぐる
住民同士の紛争。

疲れ果てたのか市職員が、冬に近づく季節
誰もいない暗い須磨浦海岸にタクシーで乗り付け
浜辺でガソリンをかぶり、焼身自殺をしました。

復興の闇の象徴に思えて、その事件が忘れられません。

そのどれもが、貴重な体験であり反省すべきこと
次に生かせるべき、知らなければならない出来事でした。

が、何も伝わっていないことに愕然とする想いがあります。
東北の被災地でも同じようなことが起こり
悲惨な出来事ほど、伝えられないからです。

被災地には原発事故が何一つ終息せずに
残り続けています。

今、直接、わたしたちの生活には関係ないかもしれませんが
やがて、もっと厳しい現実となって、直面しなければならない
多くの問題が語られないまま
選挙が始まって、終わりました。

あの世界大戦の記憶持つ人たちが、いなくなる時代を間近に迎えつつ
急速に争いの種が世界中に芽を出しつつあります。

あの戦争でどんな被害が出たのか。
原爆は何をもたらしたのか
南方戦線に送られた若い兵士たちは
どんな末路を辿ったのか。

わたしはつい最近まで知らないままでいました。

調べ出すと
人間の愚かさと残忍さに
呆然とするのです。

たぶん、間違いなく原発問題もそうです。

未来に悔いを残すことになるでしょうか。。

そんな事を思いながら、溜息ばかりが出てきます。

しばらく忙しいので、コメレスが無理なので、コメントは閉じます。
訪問もちょっとまばらでお許しください。