Nicotto Town



黒猫目日記47

暮れも押し詰まってくると街中も賑わってきた。
くりすますのピカピカきらきらとした様相と打って変わり松飾りやしめ縄などの落ち着いた飾り付けが建物を覆っている。
街を歩く人も着物や羽織袴が目立つ。中には雪だるまなどと訳の解らぬ格好の者もおるが・・・

巫女姿の女人も多く見受けられる。山の登り口の神社にはダルマ御神籤が設えられてなかなか盛況なようだ。
其れがしも二三度引いてみたが、どうにも末吉ぐらいしか出ない。
『待ち人 巡り合いがたし』・・・・・・思わず破り捨てたくなった。
未だ今年の悪運が尽きておらぬようじゃ。年が明ける前にお払いにでも行っておこう。

正月飾りの鏡餅は用意したが門松が手に入らぬと思っていたら花屋からの知らせが届いておった。
何と、この街では門松は種から育てるのじゃそうな。ううむ、松と竹と梅が同時に成る木があるのか。流石、街は里とは違って便利なものがある。

ともあれ、これから年越しの準備を万端に整えて行くとしよう。

姫、黒めが立派なおせちをご用意いたしますぞ。





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