忍猫物語外伝12
- カテゴリ:自作小説
- 2012/12/31 22:58:41
※下記SSは、うちのニコペットが主役の、ニコッとタウンを舞台としたお話です。
※基本的に、軽いノリのお話なので、感動するものは何もありませんが、箸休めにどうぞ。
白にゃんこシスターズの次女・氷冴は、そのスローライフな修業期間中において、拾い物の木の枝を除けば、基本的にドーピングごはんばかりを食べて食べて食べまくる過酷(笑)な修業を積んでいた。
「食は命である」というコンセプトの下、基本は食事のみで育成強化された氷冴は、その身は食事でできていると言っても過言でもないほどである。
食が命と等価になる秘儀の部類の食事修行法を実践した氷冴は、1日に10食を食べ続けることで、10の命を持つこととなる。1日10食の維持は容易くはないが、危険に身を置く忍猫としては破格の交換条件と言えるだろう。
10の命を持つ氷冴は、その後天的な、修業の成果による異能によって、1日に9回までは致死をキャンセルすることができる。それだけ命のストックがあれば、忍猫として一人前であるばかりでなく、北の猫王族の一員としての先天的な異能の力も合わせれば、並大抵の困難など問題なく乗り越えてしまうことができる。
忍猫修行で得た後天的な力で、妹たちとは別次元の強さを持つに至った5人姉妹の次女――だがそれでも、王家の力と北方守護者の力を併せて使いこなせる長女には及ばないのだが。
忍猫物語外伝 第12話「ラスボス」
忍猫養成所の教官代理補佐から与えられたお使いクエストで、ニコッとタウンのビーチで待っていたうさぎと接触。
眼帯うさぎから次なるお使いクエストを与えられ、ニコッとタウンの西にあるうさぎの森にいるという、うさぎ愛好家の私設自警団の会長に面会を求めに行ってみれば、巡回中の団員に面会を阻まれて、面会の便宜を図らう代わりに交換条件を提示される。
青バニーの交換条件に従って、ニコッとタウンのカジノ街で荒稼ぎを目論むも、ギャンブルする元手がなくて計画が破綻したところに老うさぎが救いの手を差し伸べる。
老うさぎの口添えを得る代わりに、ちょっとした肉体労働でニンジン掘りにいそしんでいたところ、うさぎ族に伝わる伝説の聖剣を発見。
ニンジン収穫を手伝った礼に、うさぎな自警団会長への紹介状を老うさぎからしたためてもらうことで、カジノでの冒険はショートカット。
うさぎ御殿にまで迫ったところ、寝起きの悪すぎる会長の目を覚ますため、ゴーストの住み着いている沼地に自生する蒲の穂を採取しに出かけ、ゴーストととんち合戦。
苦労して起こした会長の口から出てきたのは次なるお使いクエストで、ニコッとタウンに住んでいるうさぎ族の技師のところへ差し入れを宅配。
ところがうさ技師は数日前から行方不明、工房に残されていた暗号を解読して、そこに記されていたのはとある場所だった。
なお、狂言誘拐であることは目星がついていたので、うさ技師の身の危険はまったく心配していないオセロコンビ、もとい忍猫見習いの霜真と暗卦であった。
今、最後のお使いクエストが始まる。
ニコッとタウンの北側には四季を通じて雪に覆われた山、ニコット山がそびえ立つ。
雪の精霊が住んでいるとまことしやかに囁かれるその山の裏手には、
「立ち入り禁止」とニコッと行政府お墨付きをもらった亀裂がいくつかあるが、
目的の亀裂を探すのにさほど苦労はしなかった。
指定された洞穴の最奥には、一人の白猫が待ち構えていた。仮面で顔を隠してはいるが、それで騙されるほど二人も愚かではない。
仮面「よくぞ来た、次代の忍猫たちよ(棒読み)」
霜真「どうやら、ここがオチみたいだねー?」
暗卦「なにやってるんすか、冷香の姐さん?」
仮面「我は立ちはだかる者、汝らに最後の試練を与えよう(棒読み)
・・・その前に何か食べ物ない? お腹が空いちゃって空いちゃって、
だいたい二人とも来るの遅すぎ、姉上からお使いクエスト受けたのって3日前よね?
あなたたちが道草をフルコースで召し上がってくれたおかげで、
あたしは2日くらい何も食べてないんだからね(不機嫌)」
霜真「文句なら、回りくどいお使いクエストの根回しした氷冴姉に言ってよ、冷香姉?」
仮面「旅立ったのは3日前のはずなのに、なんだか3ヶ月くらい待ちぼうけを食わされていた気がするわ(愚痴)」
暗卦「き、気のせいっすよ、冷香の姐さん」
うさぎの森のゴーストの沼地で採取した珍しい虹色キノコをラスボスに渡すと、それをムシャムシャと食べたラスボスの体が見る見るうちに膨張していってメガペットサイズにまで巨大化してしまう。
説明しよう!
ラスボスとは無関係だが、霜真の姉にゃんこの冷香は見習い時代に、食事はキノコオンリーという食事療法ならぬ食事修行法を行っていたため、幻のキノコを食したらスーパー忍猫になる秘術を身に着けてしまったのだ!
仮面「遠い異国の格言に『敵にキノコを贈る』とあるのを聞いたことがあるが、なるほどこういう意味だったか(感心)
――行くぞ、忍猫の見習いたちよ(棒読み)」
仮装した仮想のラスボスは面倒そうなオーラを漂わせながら、大きな肉球から凶悪サイズの爪を伸ばして怒涛の一撃を岩盤へと叩きつける。
仮面「これで、勝負あったな(投げやり)」
霜真「な、何を言ってるの? 冷香姉の一撃はボクたちには掠りもしてないんだよ!?」
仮面「我は五つの爪を伸ばした繰り出した。
それに対して汝らは怯んですべての爪を引っ込めてしまったではないか(自慢げ)。
古来より伝わる無血戦闘術の掟により、一撃で勝敗は決している!(断言)」
暗卦「かの有名な拳法・・・じゃん拳か!? だが、じゃん拳で勝負するとは――」
霜真と暗卦の前にそびえ立っていた巨躯が、瞬きする間もないほどの一瞬の間に掻き消えたかと思うと、次の瞬間には暗卦の背後に現れて、その巨大な肉球を黒猫の頭の上にぽんと置く。
くどいようだがラスボスとは無関係な五姉妹の真ん中は、本来素早さが身上の忍猫である。未完成のパワーファイターの攻撃など、かすらせさえしない。
仮面「どうしたものかしらね?
わりと真剣にお腹減ってるから、うっかり力加減を間違えて、
ちょっとした惨事に起こしてしまうかもしれないけど、それでも続ける?(冷淡)」
暗卦「OKOK、氷冴の姐さんのお遊びに振り回されて、ちょうどおれっちたちも早く『猫の穴』へ帰りたかったところだぜ」
霜真「ここは1つ被害者の会を結成して、氷冴姉に一泡吹かせない?」
仮面「物分りのいい妹で、姉として満足よ。で、何かいい案でもあるの?(嬉々)」
霜真「それはまあ、帰り道にでも話し合えばいいんじゃない?
3日間が3ヶ月に感じられたくらいなら、3人いることだし、きっと名案も浮かぶよー?」
暗卦「冷香の姐さんとソーマの姐さんは身内だろ? 何か弱点とかないかよ?」
霜真・仮面「「ダジャレが寒い」」
暗卦「それならおれっちも知ってるし、そもそも弱点とは微妙に違わなくね?」
忍猫養成所「猫の穴」への帰途に就く忍猫とその見習いたち。
今回のお使いクエストの裏で暗躍していた、真のラスボスへと闘志を漲らせる三人の勇者たち。
彼女たちの戦いは、まだ始まったばかりだ――!
【完】


























忍猫物語外伝のラストまでお付き合いいただき、ありがとうございます^^
いえいえ、つい先日まで非公開設定でしたので、お気づきにならないのも道理。
非公開状態で内容を知られていたら、むしろどこの忍びかとツッコみたいところです^p^
氷冴と冷香の食事修行法に関しては、シリーズ初期の冷香編で、
ちょうどチー殿が疑問に思われていたことの設定公開といった感じで出しております^^
古い話で恐縮ですが、3話「魔犬(後編)」で氷冴が能力の封印解除したのは、
修業過程で使う毒薬を服用することで、すでに一度致死をキャンセルして、
その過程で瀕死判定で封印が解けて、極寒の言霊を使役しておりましたw
冷香編が3話しかなかったので、数合わせのためにラスボスとなって再登場した三女です^^;
当初はガチバトルやろうとしたんですが、ニコタらしくないって言うのと、文字数制限でお蔵入りしましたorz
バトル物は書いてて楽しいですが、無駄に文字数が増えていくのが難点ですなぁ><;
まだ構想段階ですが、次は仙郷出身の忍猫たちの登場でしょうか?
とは言え、当シリーズが「忍猫物語外伝」であったことからお分かりのように、
本伝があるんですけどね、上忍猫5人から成る忍猫戦隊「花鳥風月」の物語もどうしたものやら( ̄ー ̄;
まぁ、期待せずにゆるりとおまちください^^
長らく拙作にお付き合いいただき、まことにありがとうございましたm(_ _)m
忍猫物語外伝のラストまでお付き合いいただき、ありがとうございます^^
旧年中に半分ほど書き上げていたのですが、決着のつけ方で迷って放置しておりました^^;
後で普通のブログを2つ入れたから、非公開を解除しても天然の迷彩になっていたようですw
このままだと気付かれないかも・・・ということで、ご案内致した次第です^p^
普通に霜真編を続けていたら、3~4話は増えておりましたなぁε=( ̄。 ̄
三女以下の登場回数からすると、一人独走態勢になるので均等になるようにいきなり最終話、
でもって三女の登場回が少ないので、最後でラスボスという形で補強しておきましたw
今回の元凶の次女・氷冴なりのこだわりでしょう、
お使いクエストの締めくくりのために、わざわざラスボスを用意したぐらいですから^^
明らかに、人選をミスっているというのは火を見るより明らかですが>v<
白にゃんこ5人姉妹は全員しゃべり方が違うので、話し方で区別がつけられるかと^^
未定ですが、次の忍猫見習いたちが入所してきたとしたら、NPCとしての登場ですかなぁ( ̄ー ̄)b
続き物はスケジュール的に厳しいことを痛感しましたので、
やるなら原点に返って一話完結型ですかなぁ^^
長らく拙作にお付き合いいただき、まことにありがとうございましたm(_ _)m
完結していたのですね。何度かお邪魔しましたが・・・・ううっ・・・・・・・・申し訳ありません。決してスルーしたわけでは<(_ _)>
氷冴さんのドーピングから始まり、どうなることかと思いきやクエストがこんなにあったのですね。一つ一つがとても面白そうですのに!きっと後ほどの後日談になるのですね。たのしみにしてます(フフフフ)
オセロコンビの最後の戦い?ラスボス登場と仮面のネコ。しっかり山場は盛り上がって楽しく読ませていただきました。氷冴さんどこまで強くなるのか・・・・そして長女の強さはいかほどか?忍猫修行の厳しさが今回のお話でさらに詳しく描写されていて、各々の能力、レベルのほどがだんだん明らかになって着てさらに読み進めていくのが楽しみになりました。今回も有難うございます。
お疲れ様でした。
今回の番外編(あまたのクエスト)もきっとあるのですよね。その時をとっても楽しみにしています。
スルーも何も、いつ刊行されるか楽しみにしていたのですが
隠しアイテムとなっていたようで^^;
今回の物語も最後を迎えてしまいましたが、冒頭でいきなり氷河殿。。すごいドーピングです^^;
さて、クエストの方ですがいきなり端折られて。。
まともに書いていたらあと数回は連載が続いていたかと残念に思いますけど w
で、オセロコンビはようやく最終ステージへと辿り着いたわけですが
お使いクエストというお題の割にラスボスが登場するとはこれ如何に。
さすがは忍猫SSと言ったところです^^w
クエストはここで終結を迎えるかと思いましたが、やはり一筋縄ではいきませんね^^b
忍猫達の性格が細かく描写されてきたおかげでこの後の事をいろいろと想像してますw
今回のシリーズもしっかりと堪能させて頂きました♪♫
やはりこの忍猫シリーズは決して終わりの来る事が無いと確信!w
また次の作品が出来るまで楽しみにしております( ╹ ◡╹)b
お疲れ様でした☆