韓国軍:F35Bで亀裂発見、次期戦闘機事業に影響
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- 2013/01/14 21:21:05
韓国防衛事業庁は13日、空軍の次期戦闘機(FX)導入事業について、上半期中に機種を選定する計画を大統領職引き継ぎ委員会に報告したもようだ。
当初、次期戦闘機の機種選定は昨年10月を予定していたが、事業の手続きが遅れている。軍当局は現在、入札に参加した米国のロッキード・マーティン(F35A)とボーイング(F15SE)、欧州航空防衛宇宙会社(EADS、ユーロファイター・タイフーン)と契約条件などについて5度目の本交渉を進めている。こうした中、有力候補の一つとなるF35Aの「兄弟機種」ともいえるF35Bで深刻な欠陥が見つかったと報じられ、軍や関連業界は事業への影響を注視している。F35Bは海兵隊用に開発中の垂直離着陸が可能な機種で、韓国が導入を検討しているF35Aとは見た目は同じだが、機能や飛行形態は異なる。
■「F35B、亀裂発見で性能テスト中断」
ブルームバーグは12日、米国防総省が過去最大規模の費用を投じて開発を進めている統合攻撃戦闘機F35の性能テストで、再び亀裂などの問題点が見つかったと報じた。
国防総省が11日に議会へ提出した性能テストの報告書によると、F35Bの耐久性テスト中に機体底の内部の隔壁で複数の亀裂が見つかり、昨年12月にテストが中断されたという。F35Bは2010年にも機体で亀裂が見つかり、1年4カ月にわたり性能テストが中断された。同機種は垂直離着陸などのため、特に高い耐久性が求められる。
■「導入候補のF35A、F35Bと性能異なる」
防衛事業庁の関係者はこの報道について「開発メーカーのロッキード・マーティンに確認中」としながらも「韓国の導入機種選定には大きな影響はないだろう」と語った。ロッキード・マーティンが国防総省との契約に基づき開発中のF35は、空軍用(F35A)、海兵隊用(F35B)、海軍用(F35C)に分けられる。韓国が次期戦闘機として導入を検討しているのはF35Aで、F35Bのような垂直離着陸性能はない。内部の構造や固定装備、航続距離なども異なる。これに対し、防衛関連企業の関係者らは「F35Bだけでなくほかの機種でも開発の遅れなどの問題点が発覚したため、全く影響がないとは言い難い」と指摘している。これまでに投じられたF35の開発費は、当初の予想より70%多い3957億ドル(約35兆4070億円)に達すると見込まれる。
軍関係者たちは、F35の開発費増加で導入費用も膨らむと見込んでいる。韓国政府は次期戦闘機60機の導入費用として8兆3000億ウォン(約7030億円)を策定しているが、防衛産業界は、F35Aを含め候補3機種の導入価格はいずれも10兆ウォン(約8470億円)を上回ると予測している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130114-00000682-chosun-kr