Nicotto Town



アフリカの悲劇と希望其の1


★アフリカの悲劇ダルフール

ウィキペディアではこう書いてある。
「 中国はダルフール紛争に対して武器を援助している。虐殺を実行するジャンジャウィード用の兵器購入に、中国は石油取引による収入の80%以上をあてており、攻撃用ヘリ、装甲車、小火器などの兵器はほとんどが中国製である。」

これが表面上の説明だ。


■はじめに
 多くの日本人にとって、ダルフールという名称など聞いたことさえないかもしれない。イラクやパレスチナ情勢は頻繁に伝える日本マスゴミだが、今世界でもっとも悲劇的な地域であるダルフールについては意図的で悪質な隠蔽工作を行っているとしか思えない。新聞には時々取り上げられるようだが、テレビはほとんどが無視といった状態だ。当サイトをご覧になっている方は、スーダンで行われている民族虐殺で、背後に中国共産党が控えていることをご存知の方も多いと思う。

■スーダンについて
 まずはスーダンという国について説明することとしたい。スーダンはアフリカ最大の250万平方キロメートルの面積を誇り、世界でも第10位でチベットよりも広大だ。人口は約3600万人で世界第30位、台湾の1.5倍に達する。1956年にイギリスから独立、首都はハルツーム。民族構成はアラブ人が75%を占め、アラブ連盟加盟国でもある。アラブ人というとイラクやレバノンのようにコーカソイド系(注1)の顔立ちをイメージしがちだ

中略

長期間続いた内戦と経済制裁により、経済は長らく疲弊していたが、90年代後半以降中国の援助や投資が拡大し、近年は経済が拡大傾向にあるものの、外務省の資料によると一人当たりGDPは470ドル程度で依然として世界最貧国の水準にある。The Fund of Peaceが発表している失敗国家ランキングでは堂々の1位である。

政治的にも悪いニュースが多く、アメリカから指定されているテロ支援国家のひとつであり、アメリカのマスコミが選ぶ世界の独裁者ランキングでバシール大統領は金正日と毎年首位を争っている。1998年にケニアとタンザニアのアメリカ大使館が爆破された直後、アメリカが報復として、アフガニスタン(当時はタリバンの全盛期)とスーダンの化学工場を空爆している(これに対しスーダン政府は化学工場ではなく薬品工場であると主張。西側マスコミの客観的な分析でも、アメリカの誤解であった可能性が高いと見られている)



■ダルフール紛争
 それではいよいよダルフール紛争の概略を述べることとしたい。スーダンは独立から6年後の1962年、政府軍と南部の非アラブ系との間で内戦が勃発、1972年に一旦停戦となったが、1983年に再び内戦が再開し、2002年にようやく休戦となった。
 だが2003年に再び紛争が激化。2003年以降の紛争の首謀者となったのはジャンジャウィードと呼ばれるアラブ系の民兵組織である。ジャンジャウィードという語には「武装した騎兵」という意味があるそうだ。非アラブ系の村を集中的に襲撃。虐殺、略奪、強姦が次々と行われた。

被害者の証言によると、攻撃はだいたいいつも夜明けに国軍のヘリコプターによる空襲からはじまり、村は住民が戻ってこないように焼き尽くされる。そしてジャンジャウィードが突入し、住民の財産である家畜を盗まれ、道路は封鎖され、逃げることも出来やしない。井戸の水を汚染するために死体を井戸に落とされた上、証拠隠滅のために砂で埋められる。さらに攻撃手段として女性たちがレイプされる。母親が家族の目の前でレイプされたりすることもある。

ジャンジャウィードによる虐殺で約20万もの非アラブ系民族が犠牲となり、250万人が難民になったと言われる(実際にはもっと過大な数字も発表されて下り、正確な規模は不明である。だが私は何らかの国家や組織に対して批判を行うとき、なるべく控えめな数字を用いるのを基本的な方針としている。)。

難民の多くは隣国のチャドへ逃れたが、ジャンジャウィードはさらに越境攻撃をしかけ、難民キャンプを襲撃している。ダルフール紛争は21世紀最大の大量虐殺とも言われ、民族浄化が現在進行形で進められている。
 

現在進行形で進められている民族浄化にはスーダン政府が関与していることも明らかになっており、政府軍の航空機と連携して村落を襲撃する行為が確認されている。襲撃された村の数は実に1600にも上る。スーダン政府は民族浄化を単に黙認しているのではなく、積極的に支援している。

スーダン政府からジャンジャウィードは、カラシニコフ銃などの武器が供与されている。スーダン政府自身はもちろん紛争への関与を認めておらず、しかも「紛争は単なる小競り合いに過ぎない」という見解を示している。

中略


■中国共産党の関与
 この21世紀最悪の悲劇に関して、今やスーダン政府と同じぐらい国際的非難を浴びているのが中国である。中国がダルフール紛争にどのように関与してきたのか。3月28日にウォールストリート・ジャーナルに発表された共和党のウルフ議員の論文がうまくまとめられている。ウルフ議員は、「中国政府は虐殺の実行者であるスーダン政府を全面的に支援してきた」として中国政府を激しく非難。具体的に以下の4点を挙げている。

(1)中国政府は国有の中国石油を通じてスーダンの石油の大部分を買い、スーダンの石油生産企業集団2つの最大株主となっている

(2)スーダン政府は中国との石油取引からの収入の80%以上を虐殺を実行するアラブ人の民兵組織「ジャンジャウィード」用の兵器購入にあてている。

(3)同民兵組織やスーダン政府軍が使う爆撃機、攻撃用ヘリ、装甲車、小火器などの兵器はほとんどが中国製。

(4)中国は米英両国が推進する国連平和維持軍のダルフール派遣に一貫して反対してきた。
具体的に検討するとしよう。まず(1)についてだが、中国政府がダルフール虐殺を支援する理由がここにある。中国政府の目的は石油である。今や原油の50%を輸入に頼り、世界最大の石油輸入国となった中国は世界中で石油を貪ろうと血眼になっている。中国の石油消費量は毎年30%の勢いで増え続け、原油価格高騰の一員ともなっている。原油獲得のために、スーダン政府およびジャンジャウィードによる民族浄化を黙認するどころか、積極的に支援してさえいるのである。


続いて(2)と(3)はきわめて重要である。虐殺をするには当然武器が必要であり、武器を調達するには金も必要である。中国政府は民族浄化のための資金と武器を援助しているのである。スーダン政府の資料によると中国は2005年、2400万ドル相当の武器・弾薬、5700万ドル相当の部品と航空機器、そして200万ドル相当のヘリコプターと航空機をスーダン政府に輸出している。

中国の支援がなければ虐殺はより小規模なものとなったはずだ。そして(4)。国際社会とてダルフールの惨状を完全に見て見ぬふりをしているわけではない

中国の拒否権によって阻まれているのだ。

http://dadao.kt.fc2.com/fanzui01.htm
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