政治家の錬金術 3
- カテゴリ:ニュース
- 2013/02/08 01:52:47
最近のニュースで
未公開株詐欺 というのをよく耳にします。
値段が上がることは確定的だから すぐに儲かるという話です。
こういうタイプの詐欺が話題になるたび思うけど
必ず儲かるのなら 他人に教えるわけないじゃん。
全部 独り占めするのが当たり前。
セールスマンを雇って 教えて歩くなんて ありえへん話でんがな
というのは置いといて
株も短期間に 大金を稼ぐことができる手段の一つです。
それを確実にする手段が インサイダー取引です。
現在では このインサイダー取引というのは 厳しく取り締まられてる
しかし ちょっと昔は 公然とはしないけど
こっそりとするのは やりたい放題でした。
政治家と大企業のあいだには 深い結びつきがあります。
特に 与党は顕著です。
そのつながりから 情報を流すわけです。
例えば 製薬会社が 癌に効く特効薬を開発して完成した
というニュースが発表されると
その会社の株価は すぐに跳ね上がります。
上がる前に買っておくと 簡単に利益を得ることができます。
製薬会社が政治家に前もって買っておくようにと 連絡する
ということです。簡単ですね。
実際には 本人名義ではなく 他人の名義を使います。
現在のレバレッジ取引は そのころは
「てっぽう」という俗語で呼ばれていました。
そして ちょうちん行列という言葉もありました。
* てっぽう ・・・・ 100万円の資金で 1000万円の取引ができる
* ちょうちん行列 ・・・・情報が入ってくると 政治家本人のぶんだけでなく まわりにいる人たちも知ることができるので みんな自分のお金で買います。それを大勢の人が ちょうちんを持って行列して歩いているようすにたとえた言葉。
新薬の発表以外にもいろいろあります。
はじめに出てきた 未公開株というのは
リクルート事件で有名になりました。
* 株とは 事業を始めるときに 資本金が必要ですが
その資本金を 複数の人から集める という目的で作られたシステム
株券を一株 50円で 公募する(昔は額面が50円というのが一般的)
その企業の業績がよくて 発展して大きくなると 株の価値も上がる
新聞の株式欄に株価が掲載されています。
株価のところに なにも印がついていないのは 額面50円
1000円とか 5000円以上の値段のものもあります。
それは元は50円だったということです。
未公開株というのは 現在は額面は 50円だけど
新規に上場すると すぐに 額面を上回る値段がつく
という意味です。
創業者利得という言葉があります。
最初に起業した人も 自分が出した資本金を 株という形で持ってる
起業した人だから 額面の金額を出資しています。
それが上場したとたんに 大幅に上回る価格になると
株を売れば丸儲けで 巨額の金銭を得ることができる。
それが 創業者利得というものです。
これは 長年の苦労が報われたといったものですから
最初に書いた 濡れ手に粟のようなおいしい話は
一般にはありえない。
あっ また話がわき道に
新薬発表以外には 企業買収。
業績が下がって株価が低迷している会社を 優良企業が買収する
そんなニュースがあると その会社の株価は急上昇。
メーカーなら 新製品の発表
ゼネコンは 大きい受注
それから これは いいニュースじゃなくてもいいんです。
悪いニュースを発表する前に 空売りをするんです。
手元になんにも持っていないのに 売り注文を出す。
悪いニュースを公表したあとで 値段の下がった株を買い戻す
そこで空売りしたものとの差額を受け取る ということです。
てっぽうとかちょうちん行列というのは
直接 当事者から聞いた言葉です。
私が昔 麹町のスナックでバイトしていたころ
そこのオーナーからです。
その人の父親は 宮内庁御用達の料亭のあるじ
妻妾同居の 妾のほうの子供が そのオーナー
兄は妻のほうの子供で
兄弟なのに親子ほども年が離れてた。
料亭といえば 政治家とは深いつながりがあります。
そのすじからの情報で ちょうちん行列に参加していました。
私にも その気があるならと誘いの声をかけていただきましたが
なにしろ地方から一人で出てきたばかり・・・3年目
貯金などないから なんにもできない状態なので参加しなかった。
きちんと事実の裏づけのある実話です。
昔の言葉では 「こじきと役者は三日やったらやめられない」というのがあるけど
現代は 「政治家と芸能人は三日やったらやめられない」ですね