「充電中」
- カテゴリ:自作小説
- 2009/07/27 15:48:38
「ねー、お昼まだー? 」
テーブルに着き、キッチンに目をやり彼女は言う。
語尾をのばす言い方は彼女、綾夏さんの癖。
綾夏さんは僕の恋人で、一年前に付き合い始めた年上の綺麗な女性だ。
朗らかな性格で、根が暗い僕には本当に勿体ないな、と何度も感じる。
仕事で忙しく、なかなか会一緒に過ごす時間の無い綾夏さんは週末、僕が暮らすアパートに必ず訪れ昼ご飯をとりとめもない事を話しながら一緒に食べる。綾夏さん曰く、「充電中」らしい。
「お待たせしました。本日のメニューは、旭特製スペシャルパスタでございます」
「わーい、嬉しーい」
口元をほころばせ、昼食を食卓に運ぶ僕を見上げる綾夏さん。
市販のパスタを茹で、それにちょうど家にあったトマトソースをかけたかなり単純な料理でも、綾夏さんは残さず平らげ、「おいしかったです。ご馳走様でしたー」と言ってくれる。
それが嬉しくて、毎日週末のメニューを考えて僕は日々を過ごす。
誰かに作る喜びって、こういう事なんだろうな。
「毎週ありがとね。次もよろしく! 」
僕がプレゼントしたカバンを提げ、お決まりのセリフを口にし、彼女は玄関を出ていく。
「ええ。ぜひまた来てくださいね」
それを見送るのは、少し寂しい。口にはしないけど、きっと綾夏さんだって。
綾夏さんと過ごす甘く穏やかな時間に、ほんの少しの切ないスパイスを添えて。
こうして、僕らは充電を終える。
そうですね~。
一緒に休息する相手がいるっていうのは、
幸せなことなんでしょうね^^
わたしもこういう充電したいです~~~~(*´ェ`*)