Nicotto Town



チクッと一言

ウルトラの金言 人生を戦い抜くための勇気と知恵
 牧 詩郎
  双葉新書


「ウルトラQ」から「ウルトラマンレオ」までの名セリフから生き方を学ぶ、と銘打っているが、個人的には、そこまで学べるほど響くセリフは、かなり少なかった。

特に「仕事に向かうとき」「リーダーシップとは」をテーマにした章の「名セリフ」は、ひいきの引き倒し感が強い
自分の「修行不足」かもしれないが・・・。

ただ、社会の風刺・警鐘、子供達へのメッセージといったものは、今でもかなりグサリと突き刺さるものも多い。

「みんな、何を疑っているんだ!まず相手を信じることです。
そうでなければ、人間は永遠に平和をつかむことなんかできっこないんだ!」

(ウルトラセブン 第15話「ウルトラ警備隊、西へ 後編」)

「侵略者は超兵器に対抗して、もっと強烈な破壊兵器を作りますよ!」
「我々はそれよりも、強力な兵器をまた作ればいいじゃないか!」
「それは・・・血を吐きながら続ける、悲しいマラソンですよ」

(ウルトラセブン 第26話「超兵器R1号」)

どちらも"学校へ武装警官を配備しろ"と主張する、全米ライフル協会の人達に聞かせてやりたいセリフ。


「優しさを失わないでくれ。弱いものをいたわり、互いに助け合い、どこの国の人たちとも友達になろうとする気持ちを失わないでくれ。
たとえその気持ちが、何百回裏切られようとも。
それが私の最後の願いだ」

(ウルトラマンA 第52話(最終話)「明日のエースは君だ!」)

前半だけなら、自分でも言えそうだが、後半の「たとえその気持ちが、何百回裏切られようとも」は、なかなか言えない。
自分が言われた側だったとしたら、「ムリ」と即答するだろう。


「地球を壊滅させるのに、暴力をふるう必要はない。
人間同士の信頼感をなくすればいい。
人間達は互いに敵視し、傷つけあい、やがて自滅してゆく。
どうだ、良い考えだろう」

(ウルトラセブン 第8話「狙われた街」)

地球侵略を狙う宇宙人が手を出さなくても、国/地域/個人単位で、互いに敵視し、傷付けあっている事がよくある、というのが現実。
せめて「自滅」の道は歩まないことを望むが果たして・・・。


「でも、ご安心ください。
このお話は遠い遠い未来の物語なのです。
え、なぜですって?
我々、人類は今、宇宙人に狙われるほど、お互いを信頼してはいませんから」

(ウルトラセブン 第8話「狙われた街」)

自分が知っている中で、ウルトラシリーズ中、最も痛烈な皮肉の一つ。

ちなみにウルトラマンマックスで、この後日譚「狙われない街」というエピソードがある。
今度は携帯電話の電波を利用して、人間を低脳化させる作戦を実行するが、なぜか計画を途中で放棄して去っていく。
その理由は「人間のバカさ加減にウンザリし、侵略の価値なし」と判断したから。
コメディ要素が強く寓話的だが、かなりグサッと突き刺さる。


「犠牲者はいつもこうだ。文句だけは美しいけれど」

(ウルトラマン 第23話「故郷は地球」)

同じく、自分が知っている中で、ウルトラシリーズ中、最も痛烈な皮肉の一つ。
宇宙開発の犠牲者、ジャミラを倒した後、建てられた記念碑を見たイデ隊員のセリフ。救いのない話の救いのない一言。
○島と長○の某記念碑が思い起こされるが・・・。


「今みたいな世の中、親よりお金の方が大事だもんな」
(ウルトラQ 第15話「カネゴンの繭」)

現在、カネゴンが急速に増殖中。それも国際的に。


「無茶をやるのは、弱い人のやることよ!」
(ウルトラマン 第36話「射つな!アラシ」)

「なんで、そんな無茶を?」
「俺が正真正銘の弱虫だったからさ。
無茶ってものはね、逃げ場がないくらい、いじめられ、追い込まれた者にしかできないんだ。
逃げ場があるうちは逃げ回れるからね」

(帰ってきたウルトラマン 第25話「ふるさと地球を去る」)

せいぜい大騒ぎして、逃げ回り、追い込まれないようにしよう・・・(汗)


「いくら高度に発達しても、血を吸って身を肥やすのは、もはや文明とは言えないのです」
(ウルトラマン 第31話「来たのは誰だ」)

血=非人間的な代償
文明=社会的な成功
と捉えれば、最も"仕事"に関わる言葉になる。

また、血=必要以上のエネルギー、とも解釈できる。


「観測?
は!いかにも立派な名目だわ。でも何のための観測なの?
それはいずれ自分達が利用するためにやっていること。
その手には乗らないわ」

(ウルトラセブン 第15話「ウルトラ警備隊、西へ 後編」)

本書では、このセリフから"監視カメラ"の危険性に言及していた。
領土問題でも同じ事が言える気がする。


「神なき知恵は、知恵ある悪魔を作ることなり」
(ウルトラセブン 第18話「空間X脱出」)

既に、かなりの"知恵ある悪魔"がはびこっている・・・。


全体として、「理屈と膏薬は、どこにでも付く」という事を証明しているような部分が多い。

が、流石はウルトラマン。
古い作品でも、現在に通じる事をチクリと刺しているセリフも少なくない。

長く愛される理由の一つは、この辺りにもあるのだろう。

アバター
2013/02/28 21:37
著者がどれだけウルトラマンを見まくっているか思い浮かぶようですね。
自分も小学校の頃、ハマりましたが、たしかウルトラマンそのものより、怪獣の方が好きだったような・・・。

以前、ウルトラマンを作っていた側の人のエッセイとかをよく読んでいた時期がありましたが、それを読むと当時の製作者側は、いろいろ詰め込もうとしていたようです。
アバター
2013/02/25 10:21
それにしても・・・・よくウルトラマンを見ていますね~(◎-◎;)!!まずはそこが愕きなのだけど
内容を良く見て見ると、結構社会風刺をしているわけなんですね。
神無き知恵は、知恵ある悪魔を作る事・・・・まさに隣国3国はその通りでございますね~。
ゆえに、ウルトラセブン 第26話「超兵器R1号」の言葉はそのまま・・・隣国の行動ですし。
いくら日本人がウルトラマンA 第52話(最終話)「明日のエースは君だ!」の中で言うような
何百回裏切られようと・・・というその言葉を実践しようとして、民主党系、社会党・共産党系議員達が
同じセリフを言ったところで、通じないと言うのが本質でしょうね・・・。
┐('~`;)┌馬鹿にされてる事を理解して欲しいものですね~。

アバター
2013/02/24 15:42
今、改めて見てみると、子供向け番組なのに、スゴイことやってたのだなと思います。

ちなみに「狙われた街」と「狙われない街」はセットで、ニコ動で見れます。
どちらもかなり皮肉タップリ。
ウルトラマンマックスの「狙われない街」のクライマックスは、ウルトラセブンの「狙われた街」をかなり意識したシーンになってます。
(ウルトラマンマックス自体、セブンのイメージを色濃く残すデザインですし)

ウルトラシリーズに出てきた怪獣・宇宙人多し、といえどもウルトラマンに手を振って去っていったのは、この宇宙人だけでしょう。


アバター
2013/02/24 13:04
いやー皮肉の名言は思わずにやりと笑ってしまうものばかりでしたねえ。
「人間のバカさ加減にウンザリし、侵略の価値なし」>
てっきり、『効果がないと思ったら下げようもないほどのバカだった』と言うオチかと思ったww
侵略に時間かけなくても、あと100年すれば勝手に滅びるだろうぐらいのかんじかしら。
ありえなくもない・・・。
アバター
2013/02/24 11:23
一般人なら、聞き流してしまうようなセリフでも、ファンにとっては「名言」として受け取れるのでしょうね。

「ワンピース」「ジョジョの奇妙な冒険」は最近、「名言集」が出版されてました。
「ガンダム」「エヴァ」「ベルばら」も探せばあるような気がします。

残るは「セーラームーン」「プリキュア」?
アバター
2013/02/24 02:21
こう言う感じで、金言集、
ガンダムとか、エヴァとか、ベルサイユの薔薇とか、セーラームーンとかでも、
やってほしいです。
それぞれのファンに迎えられるでしょうね(汗)。




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