Nicotto Town


てらもっちの あれもっち、これもっち


燐音姫のわがまま旅日記(第2章)


峠の茶屋の前でシャネルのスーツを着て仁王立ちする燐音姫に3人はやっと追いついた。
隠居「おう。助さんや。いつものやつ。そう、いつものやつを準備してくれないか。どこかに入れていないか?」
助「ご隠居様。ご印籠のことですか?うちらロバでっせ。どう考えてもロバにポケットはついてないっすよ。」
格「そうでっしゃろ。」

隠居「おうおう、そうだったな。4本の足が走行用なんだからポケットに手は突っ込めないものな.ということは。。。。忘れたか。」
助「だからご隠居。言ったじゃないですか。日本語しゃべれる、ちゃんとした人間つれてった方がいいって。」
格「そうでっしゃろ。」

燐音姫「なに、ぐずぐず言ってるの!このシャネルのスーツが目に入らないの?1986年のバブルまっさかりのプレミアムものよ!」

隠居「そうはいってものー。こちとらブランドものは弱くてのー。」
助「いやいやご隠居様。格さんがブランドには詳しいのですよ。格さんや?あのスーツは価値のあるものかい?」
格「そうでっしゃろ。」

燐音姫「ほらね。わかる人にはちゃんとわかるのよ。」
隠居「といってものー。」

そのとき、どすん、どすんという音が響いてきた。
巨大ロボット リネンガーZが到着したのだった。
「ガガッガー。ドスン。ぐしゃり。」
リネンガーZは茶屋に腰掛けて、茶屋を破壊した。
巨大ロボとその破壊ぶりにご隠居とロバ達は腰が抜けた。

燐音姫がシャネルのスーツのボタンに囁いた。
「リネンガーZ。よく来たわ。私を連れて国境を越えてちょうだい!」
「ご主人様。なぜ 最初から それを 私に 命じなかった のですか?」
「面白いからよ。」
「どこが、面白い の でしょうか。」
「いいから。 早く。」
「かしこまりました。ところで 今回の 被害総額は 240百万両に およんでおります。」

 「ちょっと高かったわね。まいいわ。そういう補修費にある程度、城のお金をばら撒けば、景気も良くなるってものよ。よし、それ「リオノミクス」と呼びましょう。」

リネンガーZは燐音姫を操縦席に格納した。
ぐしゃぐしゃになった茶屋からリネンガーZは立ち上がった。
「おーい!まてー!」

地上では茶屋のおやじが騒いでいる。
「おいらのお茶屋を壊したんはどうすんのやー。」
「補修費用はお城に請求しておいて!一応、織り込み済よ!」

ご隠居とロバの助さん格さんは腰が抜けたままだ。
「燐音姫ー!あしらはどうすりゃ良いのですか。」
「好きにして!ついてきたかったらついてくればいいのよ!」

璃音姫はリネンガーZに命じた。
「さ、行きましょ。でも、今度はいろいろ壊さないようにしてね。景気振興策と技術開発は私達の国の内需には必要だけど、他の国でやったら戦争になっちゃうからね。」
「了解しましたー。」

リネンガーZはそろーりそろりと抜き足差し足で国境を越えて行ったのだった。

隣国のたまごっち王子は中央の城から国境の様子を確認していた。
そして抜き足差し足で故郷を超えて行くロボットの様子を望遠鏡でじっと見ていたのだった。




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