ばばんば、ばんばんばん~♪ 湯治場日記その1
- カテゴリ:レジャー/旅行
- 2013/03/17 23:10:52
古宿や安寿飛びこむお湯の音… ドボーーーン!
強風が吹き荒れる関東地方を北上し、
鄙びた温泉町の、
ほとんどお客がいない自炊の湯治宿に到着し…、
…ってか、私しかお客がいない!!!
まるでつげ義春の貧乏旅行記に出てくる、
辛うじて崩壊を免れているような旅館。
感じが良くて健康そうな、
でも、髪の毛の真っ白なお爺さんが一人で経営してますが、
このお爺さんの代で、旅館はもう廃業するつもりなんだろうなあ~。
ペンキがはげた浴室の壁、
壊れたカラン、
ビニールホースから直接流れ込むお湯。
お風呂場の鏡には、
「祝新築 芸者置屋○○」という文字。
いったいいつ新築したんじゃ!
でも、まあ、これを半分狙ってきたのです。
お湯は紛れもなく、源泉そのもので満足。
しかも、そのお湯を私一人で独占できるし、
調理室も誰に遠慮することなく自由に使えます。
で、まずはお風呂に入りましょう。
ふう~、極楽。
そうして、お風呂から上がって、
これからの4日間の態勢を整えます。
まず、テレビの電源を抜いて見ないようにして、
代わりにスピーカー付きのウォークマンを繋いで、
お気に入りの音楽をながせるようにしました。
次に、調理室で適当な鍋を探し、
今夜の夕飯の鍋料理のために、
出汁昆布を水に浸します。
そして、お湯を沸かして、ポットに入れ、自室に運び、
インスタントだけど、コーヒーを煎れてホッと一息。
部屋は温泉地を流れる川に面していて、
障子を開けば、眼下には流れゆく渓流。
間断なく流れる冬の川。
さて、今日のノルマを達成すべく、
仕事の本を読みますか。
しばらくすると、
窓の外が騒がしい。
はて、窓の外は渓流のはず?
やおら障子を開いてみれば、そこには猿!!!
猿が窓枠に捕まって、こっちを見てる。
お互いにびっくりして、
猿は窓枠から落ちそうになるわ、
私はコーヒーをひっくり返しそうになるわ、
おおお、びっくらこいた。
夕方に宿からご飯とみそ汁が提供されますので、
私は持ち込んだ食材で鱈ちり鍋を設えて、
いただきます…
…ごちそうさま。
再び、読書。
そして、夜の温泉。
再び、読書。
この湯治場日記を書いて、現在夜の10時半。
もう少し本を読んでから、寝ます。
ここの猿は、温泉に入るワザをまだ学習していないようです。
とはいえ、宿からも、温泉街に散歩に出かけた折も、
猿の姿をかなり見かけました。
そして、ところどころに「熊出没注意」の看板。
これだけ暖かいと、
お腹をすかした熊が冬眠から醒めてきて…(汗)。
私が泊まった宿は、
間違っても他人にはお勧めできません。
私は勉強するために行ったので、
安くて、他人に煩わされることがなくて、
およそ行楽気分の皆無なところに泊まる必要があったのですが、
癒やしを求めての行楽ならば、
もう少しお金を出して贅沢したいと思います。
猿くんは、
「おっと、変な奴と出くわしちまったぜ」
と慌てておりました。
対岸の雑木林が彼らのねぐらのようで、
対岸からこちらの宿へお湯を引いているパイプの上を、
器用に渡ってくるのです。
私と目があった途端、
「おいおい、こりゃ、ちょっとやべーぞ」
という感じで、
次々と温泉パイプの上を対岸へと引き上げていく猿の群れ。
子供の猿でも、
器用に渡って行くから、たいしたものです。
さすがに室内やお風呂に侵入した形跡はありませんが、
でも、宿の避難階段は、猿くん用の階段として供用されているようでした。
ニホンザルは結構大きいからびっくりするよね。
お猿さんも温泉入りに来るのかな?
体が安まってお仕事も進みますように。
お猿さん、心臓麻痺寸前だったかな?
きっと、いつものように誰も居ないと思ったのかもね
もしかしたら毎晩侵入して
その部屋で過ごしていたとか???