Nicotto Town


るしのしっぽ


好きだった授業


私、自分の学校生活を振り返るに
国語の授業はおおむね、大好きだったんですけど
高校時代、ある先生のとある授業だけは、
なんとも困った、記憶があります。

その先生、通常は冷静に(比較的、低めアンダーに)
文学史なんかを語っていたのですが
宮沢賢治の、
「アメユジュトテチテケンジャ」(「永訣の朝」の一節)がでてきたところで
(一番前のドア側の席の子があとで証言してたんですが)
黒板のほうを向いたままボタボタと涙をこぼしだし、
賢治の妹がいかにけなげだったのか
切々と涙声で語り始めたんです。
いまだに覚えてます。

それまでわぁわぁ私語がうるさかった生徒たちも
先生の過剰な感情移入にギョッとして教室中シーンとなり

授業終了の鐘の音でみんな我にかえったわけですが
先生はなにも言わず教室をでていって

あとのうわさで
長期入院中の妹さんの容態が悪化した
とか
幼いころ妹を病気でなくした
とか
親の離婚で生き別れていた妹と最近再開した
とか

学年全4クラスの授業全部で泣いたらしくて
誰一人知らぬ生徒はいない状態で
きっとそんな自分たち兄妹と賢治作品がオーバーラップしちゃんたんだろうなぁ、と、
数々のドラマチックな先生のストーリーが学年中流布しました。

当時は妹萌えじゃなくシスコンといってたと思います。
どんな理由であれ、
どんだけ妹が好きなんだ、先生、っと突っ込みながらも、ほとんどの子が、ちょっとうらやましく思ったわけですが

それからしばらくして先生に直に泣いた理由を聞きに行った子がいて…

みんなまたまた、驚いたのでした。
だって、先生に妹はいなかったんですよ。
(まぁ、戸籍確認したわけじゃないので真偽のほどは謎のままですが)

だって、
純粋に宮沢賢治のあの作品が好きで泣いてたってことですから。
そんな先生の授業、なんだかんだでわりと好きでしたね。

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2013/03/29 01:08
猫さん、
私も、国語の先生ってたしかに“個性的”な人が、多いような気がしますー。
なんていうか、人間的というか、ねー。

高校時代の漢文の先生は、
いつも風呂敷に教科書やら一式を包んで歩いているおじいさん先生で
ちょっと厳しいのでみんな苦手だったんですが、
それが、夏休みあけの初日、
登校途中で珍しく姿を見かけて挨拶しようかどうしようか迷って結局スルーしちゃったんですけど

びっくりしたことに、その日の朝礼で校長から、夏休み中にお亡くなりになったと聞きました。
私のほかにも見かけたとか、挨拶したという子がたくさんいて
きっともっと授業をしたかったんだろうなぁと話題になりましたねぇ。
訳本で強気になる漢文の先生の話しで思い出しました。
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2013/03/27 22:07
わたしの思いこみかもしれませんが、国語教師って面白い人多かった気がします。
高校の時の国語教師(担任)を思い出しました。
あまり頭の良い人ではなかったらしく、明らかに間違っていると思われる解釈をされるので
クラスメートが注意したのですがそれさえも理解してもらえなかったようで・・・
漢文の日は訳本を持っていると強気、持っていないと下手に出る人で、
みんな口には出さないまでも内心バカにしてました。

どうせ困らせられるなら、るしさんの先生のように可愛げのある人であってほしかったです。
好きな作家で感極まって泣くとは、なんとも憎めないですね。




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