黒猫目日記72 (おもちゃのタマゴ)
- カテゴリ:日記
- 2013/04/04 20:26:48
広場の露天風呂あとには大きな石の台座が据えられて、淡い色合いのおもちゃの卵がいくつも置いてある。
台座の中央には蝶の羽を生やした妖精がふわふわと浮かんで居る。
おもちゃの国の妖精殿と申すらしい。
「ニコットタウンをお花でいっぱいにするために来たんだけど、おともタマゴたちだけじゃぁ たよりないのよねー」
妖精殿は中々の美人だがいささか気が強よそうだ。
おもちゃの国の住人らしいおともタマゴたちも妖精殿の顔色を伺いながら働いておるようじゃ。
「労働基準法違反ですよ・・・僕たちだけじゃとてもとても・・・・」
「云うことを聞かないとあの杖でピシピシト・・・・」
「ほんとにわがままなんだから・・・」
ヒソヒソヒソ・・・・・・・・・
妖精殿はおともタマゴ達をキッっと睨みつけると打って変わった甘い鼻声で
「ねぇ、そこのタマゴの中に花の種が入ってるから、ちょっと手伝ってくれないかしら」
と、やたらと目をパチパチしながら話しかけてきた。
「手伝ってくれたらお礼にいいもの あ ・ げ ・ る 」
ううぅ、何かコワイ わ、わかった、できる限りお手伝い致すからそう寄ってこないでくれ。
やれやれ、綺麗な花には刺があるとよく云うではないか
クワバラ、クワバラ近寄らぬに越したことはない。
お色気は苦手なようですね。^^