今日の日記(除染 自分の間違いに恥じる編)
- カテゴリ:日記
- 2013/04/10 20:24:20
みなさんより、質問があったことを先に答えれる範囲で書いていきます。
1)作業着は何を着て、それは作業後どうするのですか?
作業服は、普通の作業服です。水を使うので合羽を着てますよ。僕らが除染してる所は、比較的放射線量が低く、普通に市民が生活しているところなんですよ。
2)昼食はどうするのですか?
現場から離れたところに、ベース基地があって、そこに休憩所を作っているので、作業員のみんなは、そこで昼食を取っています。
3)除染した時に使用した水はどうするの?
除染した際に使用した水には放射線物質(セシウム)が含まれています。ですので、水が流れて、敷地の外に出るところに「ゼオライト」という、セシウムを吸着する物質の入った袋を置いて、ろ過した後に放流します。
4)除染した時に流した物質は、土に溶け込むの?野菜とかに影響ないの?
除染した際に出た物質は、すべて回収します。その際、放射線量を測定し、放射線量の低いものは、市の焼却場で焼却処分します。放射線量の高いものは、(高いといっても危険な量ではありません)ベース基地で保管しています。保管方法は、シートで覆って、土を30cm被せて、放射線の放出を低減させます。
また、野菜や魚に関しては、厳しい放射線量のチェックを受けて出荷されているそうです。
5)除染の作業員に健康被害は無いの?
作業員の(僕らを含めて)全員に作業終了後、放射線量測定器にて測定を行い、毎日記録しています。そして、一人の年間被爆量を超えそうな人は、作業からはずれてもらいます。
みなさん、いろいろな疑問がありますよね。僕自体もう~ん、わかんねぇってことが、たくさんあります。まだまだ、?なことが、皆さんあるでしょうから、質問して下さい。僕も勉強して答えていきます。
さて、今日の除染の話ですが、除染の第一歩の住民との対話と除染の承諾を貰うというものがあります。
まず、簡単にわかりやすく、除染とはどういうことをするのか説明をします。これが難しい・・。
僕らには、完全に除染して、放射能を除去するすべがありません。低減は出来ても、「0」にする事なんて、出来たら、ノーベル賞物なんです。
当然、頭ごなしに反対を唱える方もいます。そんなこと無駄だと。
しかし、僕らは今までの実績を説明し、必要性を粘り強く説明します。それでもダメな場合は、除染しないんですけどね。
今日、一軒のおうちの方に説明に行きました。
そこは、おばあちゃんが一人で住んでます。おばあちゃんは、僕らの説明を聞いて、是非、お願いしますと頭を下げてくれました。
そして、そのおばあちゃんのなぜ一人暮らしをしているかを聞いて、自分の考えかたの間違いに気がついたんです。
おばあちゃんは、「地震の前は、息子夫婦と孫と一緒に暮らしてたんですよ。こんな大きな家で、何で一人暮らししてんだと思ったでしょ(笑)でもね、地震が起きて、放射能が飛んできて、息子夫婦は家族を連れ、避難したの。子供たちが安心して暮らせない町だもんねここは。この先どうなるかわからないんだもんね。」
そして、最後に「悔しいよ」と。
悔しいよ。
僕は、その言葉を聞いた時に自分の考え方が間違えだと。。。。
僕は、本当のところ、福島の除染は福島の人間でやりゃいいじゃないか、なんで大阪からわざわざ、右も左もわかんない人間が来なくちゃいけないんだと考えてました。
でも、それは、違う。
人は、どこに生まれるかなんて、わからないし、自分で選択できることでもないですよね。
僕が、福島に生まれて、「悔しい」と思ってたかもしれない。
そこに住む人が、同じ日本人が作った、制御不能なもののために何一つ悪いこともしていないのに不幸になる。
電気は、無くてはならないもの。生まれたときから普通に日本中どこでも手に入ったもの。
それは、東京電力が悪いとかの話じゃないんですよ。
みんなが、当たり前に享受してきたものなんです。
だから、この不幸も日本人みんなで受けとめて、みんなで克服しなければならないことなんです。
という、考えに変わりました。
自分が恥ずかしい。
あまりにも、自分のことしか考えてなくて。
自分は、30年後に除染の作業に従事したから、死ぬかもしれない。
でもね、その時、僕は78歳。別に死んでも不幸ではない。
だけど、今、福島に住んでる子供たちが、40歳にもならないうちに発症するかもしれない。
それは、絶対に避けなくちゃいけないことです。
日本人、みんなで考えて、たとえ、十分な効果が得られなくても、少しでも、ほんの少しでも、低減できるなら、一日でも早く除染を行い。何かひとつでも少しでも可能性があるなら、行動すべきです。次から次へと手を打たないといけない。
生意気なことを書いていますが、ここに来て、この福島に来て、「悔しい」という言葉を聞いて、自分の中で「頑張ろう」スイッチがオンになりました。
遠く離れた方には、理解できないかもしれません。電気代があがるのに不満が続出するのもわかります。でも、当たり前に使っていた原子力発電所が使えなくなって、値段が上がるんです。それは、受け入れるべきです。日本に住んでいるすべての人が。
僕は、そう思います。
さて、明日は、「う~ん困った除染」の話をしますね。
では~^^
結局は自分が実際に感じてみないとわからないものですよね・・
自分は何もしないのに、2年も経ったんだから、少しはなんとかなってるんだろう、とか
誰かが動いているんだろうとか、そんな感じで過ごしてきてしまった私に気付かされました。。
良かった・・・と思った。そんな富士夫様で良かったと。
見つけてあげるよ~君だけのヤル気スイッチ~
…ちゅ~CMソングを思い出しました
私もおばあさんの言葉が、心に残りました。
そこから富士夫さんが考えを変えたことにも
感動しました。
何もできずにいてごめんなさい。m(__)m
「ごめんなさい」
自分も、福島が自分らでやりゃいいじゃねーか
ぐらいに思ってたよ。
人間、考え方はバラバラで
まとまる事は難しいし
暴利を貪ろうとする人は一握りでも必ず出てくる
けど、その中に「悔しい」と思う人がひとりでもいるなら
なんとかせんといけんね。
お疲れ様。
さっき、ブログ書いてたらどこか押したらしくて消えたよ。
感情爆発のブログだったから消えてよかったかも。
今の子供たちが40歳の寿命なんてそれはあってなならないね。
私は十分生きたからもういいや。なんて思ってるけど大切な人のことを考えると
そうも言えんかな。