理解はできないが、受け容れる
- カテゴリ:日記
- 2013/05/25 20:18:08
春になったら莓を摘みに
梨木香歩
新潮文庫
著者が学生時代、英国で過ごした頃、下宿した家の女主人ウェスト夫人と、そこに下宿した人々との交流記。
ウェスト夫人は全くのボランティアで下宿人を受け入れている。
様々な人種、考え方の下宿人たち。
本書で登場する人達は、クセの強い人たちばかりだが、取り上げたのがそんな人達だけなのか、本当にそんな人達ばかりなのかは不明。
「筋金入りの博愛精神」とでも言うべきだろうか。「使命感」のようなものさえ感じる。
下宿人のために嫌な思いをしても、決してボランティアは止めようとしない。
例え小切手の不正使用未遂事件を起こした住人(の知り合い)がいたとしても。
本書の裏表紙にもあるが「理解はできないが、受け容れる」というのがウェスト夫人の生き方。
見習うべき、とは思うが、自分なら嫌な事が2つ、3つあれば、もうコリゴリと思ってしまうのが関の山だろう。
この考え方を貫ける方が理解できない、とさえ思ってしまった。
ところで、今の日本では「理解できないものは、排除する」という風潮が強い気がする。
昔からそうだったかもしれないが、少なくとも「排除」しようとする人の声が簡単に拡散するようになってしまった。
(逆の事も言えるが・・・)
「受け容れる」というレベルは遥か彼方だが、少なくとも積極的に「排除しない」ようにしたい。
「八つ当たり」まがいの行為では、そこで思考停止してしまい、どツボに嵌っていくだけで、何も解決しないから。
理解できないものを理解しようとするには、語り合いが必要だと思いますが、そのための訓練がされていないので、相手に自分が理解できる「レッテル」を貼り付ける事で理解した気になっている、というのが現実なのかもしれません。
(手っ取り早いですし)
「あるがままを受け容れる」のが、この人にとってはラクなのでしょうが、自分にとってはハードルが高そうです・・・。
そのままあるがままを受け容れる方がこのかたにとっては楽なのかもしれないですね。
理解できないものは隔離する、あるいは住み分ける、
という辺りが自分にとっては限界か、という気がします。
>☆彡ナッティさん
梨木香歩さんは、最近、読むようになりました。
この本は、そんなに厚さはないので、あっという間に読めますよ。
この本も ぜひ 読んでみたいです♪
理解できなくとも、受け入れるというのは、マザーテレサの領域ですね(汗)。
ワタクシも、そこまではできないわ。
「理解できない」は仕方ないにせよ、「理解できないから叩く」ということはやりたくないですね。
へんな理屈をこねて、平気でやっている人達がいますが・・・。
理解できないものは排除する…確かにあるある!
変わり者扱いしたりねw
イヤな世の中です^^;