Nicotto Town


みっちょん恋愛の詩


雨の出来事@


雨が降る
しとしとと降る
窓ガラスを濡らす
少し強くなる
ガラスに川ができる


こんな雨の日だった
彼が飛び込んできたのは
お気に入りのここで
時間の流れを
楽しんでいたここへ


「すみません。ここいいですか?」
店内は会いているのに
私の向かいに座った
同じカプチーノを手に持って
笑顔で問いかけた


「え、ええ、どうぞ」
向かいに座った彼
案外濡れていないようだった
「僕、この近くでバイトしてるんです」
「そうですか」
「ええ。役者になりたくて」


案外そういう人の多い街だ
彼くらいの容姿で
演技力があれば
なれるかもしれない
今の内にサインをもらっておこうか


「なれるといいですね」
ちょっとした会話
段々雨が止んできた
「あの、実は向かいの店から、あなたを見てたんです」
なるほど、相席にするわけだ


「連絡先、交換しませんか?」
「でもここに来れば会えるんでしょう」
「それはそうだけど…」
がっかりした彼で
でも初めからメアドなんて


「また来るから、見つけてください」
「わかりました。せめて名前だけでも…」
名前を交換して彼は出て行った
2か月前に彼を失っていた
怖さがまだあった


雨上がりの道路
水たまりを避けて人が通る
動いて行く時間
動いて行く街
そして 動いて行く私の心

アバター
2013/05/27 13:35
ひろさんへ
ありがとうございます。
どこにどんな人生が待っているか、誰にもわかりませんね。
揺れ動く動きに寄り添って行くのも、道かもしれませんね。
アバター
2013/05/27 13:12
人はいつでも揺れ動いてますね

だからこそ面白い^^



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