Nicotto Town


小桃のかんづめ


緑沼の秘密・連載ミステリー(5)

 黒田君の緑沼での溺死は、お酒を飲んでいたこともあり、
県庁内部の問題も、一部地元新聞で憶測記事がながれたものの、
酔って滑って溺死・・・で終わった。

 ただ、みどりは行方不明のままだ。
東京・歌舞伎町で、いかがわしい仕事をしているとのウワサもあり、
私は 忸怩(じくじ)たる思いにかられるばかりだった。


そんな日々のなか、仕事で面識のある、40代のやせぎすで、
ヒゲをはやした、屈折したフリーの記者さんに、焼き鳥屋に誘われて
一杯飲んだ。といっても 私はレモンハイをなめる程度だ。

「小桃さぁ、みどりちゃんと仲良しだったんだろ」
「うん」
「あのさ、みどりのお婆さんって、嫁姑問題とかあったのか知らないけど、
家出て、川原で小屋掛けして暮らしてたの知ってる?」
「知んない」
「そうかぁ。でね・・」

彼は間を置くように、地酒のコップ酒を飲み干した。

「誰とはいわないよ、少年たちが、そのお婆さんを・・・・」

もう、私は聞く必要がなかった。

他人のようにいっていたけど、黒田たちが、みどりちゃんの
おばあさんを・・・こ・ろ・し・た・の。か。も・・・


そうなの・・みどり・・みどり・・いまどこにいるの??

(続く・連載5回 了)

#日記広場:自作小説

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2009/08/05 19:01
( =①ω①=)フフフ
アバター
2009/08/05 18:44
私、みどりです←ウソ



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