追憶
- カテゴリ:小説/詩
- 2013/06/09 16:38:28
並木路を歩いて
途中でカフェで休んで
噴水の傍ですわって
小さな駅まで行って
電車で街まで出て
お気に入りの雑貨屋さんで
二人のマグカップを買って
ファストフードの店で夕食をして
私の部屋でちょっとだけ寄り道をして
あなたが帰っていく
こんな道の後を
辿ってみた
どんな拾いものをするか
試してみた
拾ったものはただ空しさだけ
二人お揃いのマグカップ
あなたはどうしたかしら
捨てなきゃいけないのに
忘れなきゃいけないのに
ぽつんと部屋に置かれている
短かった恋
もっと抱きしめたかった
もっと寄り添いたかった
もっと愛したかったのに
あなたはもういない
街はこれから雨の季節
思い出も流してくれるだろうか
そっと手からふるい落とせば
流れていくだろうか
行き先は知らない
明日の目に
顔をあげなくちゃ
そぼ降る雨に打たれながら
あの人のことを流そう
そして晴れ間を受けよう
ありがとうございます。
悲しい振り向きですね。
でも、こうして一段をあがっていくんですね。
恋の階段は上へ上へと上がっていくのですね。
別れのない愛の館に届くまで
一段一段昇り詰める階段に
迫る別れの時が切ないですね。
文章の流れに潜む感情の高揚が
素敵ですよ。
ありがとうございます。
梅雨の晴れ間に思い出を映し、雨の日に流れに捨てる。
新しい明日の為に…。