人魚姫様のご所望の結婚式場建造が決まってから拙宅に来客がある様になった。
波乗り王子様の相棒のハッピー殿である。
毎日街の家々をめぐり歩いて寄進をお願いしておられるらしい。
やはり宮仕えの方は大変なようだ。

そう言えば、この前釣り堀で双子真珠が入った真珠貝を釣り上げたら熊オヤジが人魚姫様の執事のアシカさんの御一家の肖像画を譲ってくれた。
（値打ちものだからとせっかく譲って頂いた肖像がじゃが、拙宅に飾るのはいささか合わぬ気がして持て余しておる。）
奥方とお子さんに囲まれて仲睦まじい様子が描かれておったが、遠く故郷を離れて人魚姫様のお供をされて居られるアシカさんもさぞや苦労が絶えないであろうに。
早く結婚式を挙げて国元のご家族に逢いたいことであろう。

ハッピー殿も毎日のご訪問お疲れであろうと思い粗茶を入れて差し上げた。

「勝手にお邪魔してすみませんね～」
「いや～ありがたい、遠慮なく頂きますよ。もー大変ですよ毎日毎日街中のお宅を訪問して王子を助けてくれって言って回ってるんですよ。
おかげさまで会場は第2まで完成して間もなく第3も完成しそうです。もう見に行かれました？
第3はアクアリュウムに成ってるんですよ。綺麗な魚が泳いでて珊瑚に囲まれたそりゃー見事な作りで、やっぱり、あれですね海を知り尽くした王子と私じゃないとああいった作りはなかなか出来るもんじゃありませんよ。
え、海に詳しいのかって？そりゃあ毎日波と戯れる王子のお供をずっとしてきたんですからね。自慢じゃないが色んな海を見てきましたからね。
波乗り王子の名前は伊達じゃありませんよ。そして王子の横にはこのハッピーがありですからね。
ああ、いっぱい喋ったら喉が渇いた。お茶が美味しい。ところで茶菓子は出ないんですか～」

・・・・・・・・・・勝手に上がり込んで厚かましい上にうるさい客じゃ(ｏ￣＿￣ｏ)