Nicotto Town


どうかこの魔術ようまく効け


世界は彼女の手の中に(仮)Ⅰ

「はぁっ!」


杖から火の玉がとびだす。

その火の玉は、5m先にある的にあたって、小さな爆発を起こす。

杖を持った銀髪の少女は、額に浮かんだ汗をぬぐった。


「…クエ、どうだ、調子は?」

凛、とした女性の声に銀髪の少女は振り向く。

「あ、ファランさん…まあまあ、ですかね…。」

銀髪の少女―クエ―は、まだズキズキと鈍く痛む左腕を右手でぎゅ、と握った。



クエ・ニルバーナ――彼女がこの組織に入団したのは、つい最近のこと。

銀髪赤目、という一般の人とは違う風貌と、その類まれなる才能に、他の組織の人々は恐れを抱いた。

組織内のどこを歩いても畏怖と好奇の目にさらされる、そんな毎日に、少々嫌気が差したころ、紫髪―その髪は頭のうえで高く結われている―に黄色の目をした女性、ファラン・クエイトに、声をかけられた。

『一緒に、世界を救ってみないか』

と――――



「……無理だけは、するなよ…?」

心配そうに歪められた顔に

「大丈夫です…!」

とクエは微笑った。



『グルルル…』

低いうなり声がする。

その声の発生源―どうやって組織内にはいってきたのか不明だが―黒い毛の魔道狼に、ファランは囲まれていた。

『(ざっとみて…10匹くらいか…)きついな…』

ファランは、ぐっ、と細身の魔道剣を強く握る。

と同時に、魔道狼は、一斉に、襲い掛かる。

ファランは、その全てを辛うじて、跳ね飛ばした。



「とりあえず、これくらいで休んでくれ」

「大丈夫ですって…うわぁっ」

よろけたクエをファランが支える。

「だから言わんこっちゃない…」

額に手をあて、ため息をつくファランに、クエはえへへ…と苦笑した。

「休んでくれ、お願いだから」

な?と心配そうにこちらを見るファランに、休まざるをえなかった。




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タイトル募集中です。

よかったら感想と一緒にコメントへどうぞ(笑)

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2013/07/22 00:53
普通にすごく面白かった((
タイトルそのままでいいと思うよー



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