貝殻
- カテゴリ:小説/詩
- 2013/06/24 09:08:25
海の音が好きだった
ひいては戻るさざ波の
音を聞くのが好きだった
心にしみこんでいった
昇っていく朝陽
沈んでいく夕陽
何時見ても海は
私たちを包んでくれる
こんな景色を
あなたと見たかった
でもあなたは遠くに行く
白いウエディングスーツを着て
笑顔が素敵なあなた
今日も輝いているだろう
誰も知らないこの想い
招待状には欠席の丸を書いた
今でも海が好きだ
流す涙は砂にしみ込み
つぶやきは波の音に消え
足跡も消えていく
小さな貝殻を拾い集めて
袋に入れて持ち帰る
今日は私のさよなら記念日
何時か捨てる日が来るまで