【自作小説】水風船
- カテゴリ:コーデ広場
- 2013/07/13 17:05:35
保護色
ある日の夜。私はお祭りへとやってくる。
大規模じゃないけど、私は毎年このお祭りを楽しみにしていた。
こういうイベントは心がうきうきする。
今着ているのがお気に入りの水色の甚平というのも、そんな気分を後押ししていた。
数えるほどしかない屋台の一つに、水風船の屋台があった。
金魚すくいとか、スーパーボールすくいとか、宝石すくいとか、こういう「すくう」系の屋台は結構好きだ。
透明な水の中を自由に泳ぐ金魚はかわいいし、きらきら光るスーパーボールや宝石は水と光の影響か普段よりきれいに見える。
水風船を見ていると、一つの水風船が視界の隅に入った。
私はその方向へと視線を向ける。
その水風船は私の着ている甚平のような、水色がベースになっている。
その色より少し濃い水色と黄色でラインが描かれ、さらに黄、白、ピンクの水玉模様が散らされている。
ふと、私の意識が現実から少しだけ離れる。
視線は水風船に固定したままだ。
水風船に溶け込むようなイメージ。
髪が水色に染まり、瞳は髪より少し濃い水色になる。
桃色に染まる頬、髪を縛る白のリボン。
黄色は……肌色かな?ちょっとそれっぽいし。
そうやって、水風船の世界の一部になった自分を想像する。
いつまでもじーっと見つめているのも迷惑なので、空想もそこそこに私は水風船をすくって家に帰ることにした。
本当はたこ焼きも買いたかったけど、この水風船を見ていたらそんな気分もいつの間にかなくなっていた。
街灯の少ない帰り道を歩いていく。
私の手の中の水風船は屋台で見たときほどの魅力はない。
薄暗い世界の中では仕方ないことだろう。
それでもさっきの感覚を思い出し、家に帰るまでの間に想像の続きを楽しむことにした。
あとがき
このコーデ見てたら唐突に小説書きたくなったので書いてみました
たまにコーデから小説書いてる人見かけるからやってみたくなったのですよ
というか私も過去何度かやってますし…
夏という季節はやたらテンション上がりますよね
あちこちがきらきらしていて、わくわくするようなことがいっぱいで…
そんな中でもお祭りは身近で私もすきなイベントです
今回は水風船でお話を書きましたが、本当はスーパーボールの方が好きだったりします
一時期、1回数十円のくじで100個くらい集めた時期があるのですよ
ありがとねー(*´ω`*)
見ていてあきない!
stpお届け~