Nicotto Town



矛盾を抱えた大変人

ジブリの教科書1
 風の谷のナウシカ
  スタジオジブリ×文春文庫


「宮崎駿」の名前を聞いて、その顔か、作品名が出てこない人は、ほとんどいないであろう。
その「宮崎駿」の名前を一躍、有名にしたのは「風の谷のナウシカ」だと言える。

その「ナウシカ」の製作裏話(平たく言えば、当時のドタバタぶりの暴露)と、アニメとは全く関わりのない評論家、作家などによる「ナウシカ」の論評から成る。
前者だけなら内輪ウケの話だけになるので、ファンの間では盛り上がるだろうが、そうでない人には全くチンプンカンプン。
後者だけだったとしたら、堅苦しいし、時に的をはずした論評が掲載される始末になる。
(実際、ある人の論評での王蟲の解釈には、「?」となってしまった。
 ただ論者自体、専門外ではあるので、「ご愛嬌」といった程度のもの)

両方が一冊の本にまとまっているのは珍しい、と思ったので手に取った。
(それ以上に「宮崎駿」「ジブリ」のブランドネームにやられたのだが・・・)
ナウシカのモデルと言われている、「堤中納言物語」の「虫めづる姫君」と「オデュッセイア」の「ナウシカア」が登場する一篇まで収録されているのが面白い。

「風の谷のナウシカ」は「宮崎アニメ」ではあるが、スタジオジブリが作ったものではない。
スタジオジブリは「ナウシカ」公開後に、設立されたのだ。

そのせいか、前半の裏話的な部分では、会社組織に囚われない、かなり自由な雰囲気が伝わってくる。

もちろん、宮崎駿をはじめとして、中核となるスタッフはほとんど(同じ会社ではないが)会社組織に所属している。
が、それぞれの持っているエネルギー量が大きすぎるのか、はみ出している感じがする。


「○×会社に任せよう」
ではなく
「○×会社の△△さんに任せよう」
なのだ。

大袈裟に、カッコよく例えるなら「水滸伝」梁山泊に集まってくる人物達のよう。
そして、その中心にいる宮崎駿という人物は、かなりの「変人」
「監督」である前に「作家」である、という感じの人。

「ナウシカ」で、実際にセル画などの作成を行った会社のスタッフは、映画の公開後、ほとんどが辞表を提出する、という事態に陥ってしまったそうだ。
宮崎駿という人物は、かなりの「変人」らしい、というのは薄々、感じていたが、ここまでとは思わなかった。

が、そうでなければ、ここまで有名な監督にはならなかっただろう、とも思う。

また、「変人」であると同時に、かなりの矛盾を抱えた人でもあるらしい。

「ナウシカ」の企画の際、会社から「原作のないアニメはリスクが高い」という旨の事を言われて、まず「ナウシカ」のマンガの連載を始める事になった。

が、「マンガを描くなら、マンガでしか表現できないものを目指す」と、映画にする事を忘れたかのような事も言い出したとか。

結果、「ナウシカ」は映画版コミック(全7巻)版の2種類、存在することになった。

映画版はコミック版の2巻目までの内容と言われているが、ほぼ別物と思った方がいいらしい。
(コミック版は読んだ事がないので)

論評も、映画版を踏まえて述べているものと、映画版とコミック版を一緒に語っているものがあるので、知らないと「?」となるかもしれない。
コミック版について、断片的な情報であれば、ネットにも転がっている。

が、やはりコミック版の内容が気になってしまう・・・。

アバター
2013/08/05 22:53
ナウシカは、男の目から見ても「凛々しい」とか「かっこいい」と見えるキャラです。

ただ、年齢の設定が16歳。
こんな16歳がいたら・・・。
アバター
2013/08/05 02:09
当時、アニメージュという雑誌に連載されていましたね。子供の頃は、ナウシカが、あまりに独善的に見えて、反発心を感じたものです。今は純粋に、ナウシカいいな~って思えるのですけどね。
アバター
2013/07/16 20:57
読んでいないので、気になりますね。
積読の山も気になりますが・・・。
アバター
2013/07/16 20:06
ナウシカの最終巻読んでません(-_-;)
そんな驚愕の最終巻なのですか(-_-;)
読んでみたいような怖いような。。。
アバター
2013/07/15 11:27
コミック版の方は断片的になら聞いてますが・・・。
(この本でも一部ネタバレしてますが)

積読を増やすか、読んでモヤモヤを晴らすか・・・。
アバター
2013/07/14 22:59
そうですよ~~。
ナウシカのコミック版、最終編では「ええ~っ、ナウシカどうしちゃったの~~?!」
という驚愕の展開。映画版とまったく別物。
あれほど生命を愛し、王蟲にさえも愛を注ぐほどのナウシカが、
最終編では、激怒して大殺戮を・・(汗)。
ま、読んでみて下さいませ・・。

ワタクシは、昨年の夏、
特撮映画の魅力に関する展示が、東京の某博物館であった時、
ナウシカの最終版を、即売コーナーで売っていたので立ち読みしました~(汗)。
この話は、昨年のニコタブログにも書いてあります(微笑)。



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