Nicotto Town


なのこのこ


自作怖い話<身代わりの少女―夏祭り前の失踪―>

 次の日、私は学校に登校していた。Mに話を聞くつもりで居たかった。けれど、やっぱりMは学校に来ていなかった。

「まだ、来ていないだけだ。」

そう信じようとしていた。

その希望も無くなった。朝から、先生たちの行動がおかしいのだ。以上に慌しい。クラスメイトも、心配し始めた。

 Sも私たちと同じクラスだ。Sが声をかけてきた。

「先生たちどうしたんだろうね?そういや、まだM来てないね。大丈夫だよね~;;」

「だ、大丈夫だよ。Mのことだから寝坊でもしたんじゃない?」

私は、Sに昨日のことを話していない。Sに、心配させたくなかったのだ。

(大丈夫、大丈夫)

私は、自分にそう言った。

先生が、教室に青い顔をして、入ってきた。

「先生どうしたの???」

クラスの一人が聞いた。

「う、ううん。なんでもないよ」

なんでもないはずが無い。

Mの登校班の子のTが教室に入ってきた。

私はそっちに聞いた方が、いいと考え話を聞きに行くことにした。

「おはよ~~。ねえ、Mは???」

短直に聞きすぎた。

Tの顔が青くなった。

「Mちゃんが居なくなっちゃったよ~」

なきそうだったが堪えていた、Tが一粒涙を流した。

(これはやばい)

私はそう思った。昨日から、太鼓の練習にも来ず今日は居なくなった。大丈夫なわけが無い。でも、皆大丈夫だと信じたかった。

 その日は、Mは見つからなかった。放課後私たちが探してもいなかった。

「どうしようか、、、他居そうなとこってどこだろう??」

私は、Sに質問された

「う、もう、暗いし、私たちまで行方不明になったらだめだから、もう帰るよ!!」

私はそう返した。もっと探したい。その気持ちはあったが、私の中には、もう探しても意味がないとも思い出していた。

 太鼓の練習にMが来なかった日から2日、Mが見つかった。Mは何も無かったかのように教室に入ってきた。すぐに、私たちは駆け寄った。

「M今までどこいたの??探したんだよ。」

私たちはそう言ったが、Mの反応は以外だった。

「はあ、探した?そんなことしなくていいのに」

そういって、自分の席に座った。

明らかに、性格が違う。そうみなが感じた。

(感じが悪い。ひどい。でも、みつかったんだからいいか!)

Sは、そう思ったようだ。

でも、私はそうには行かなかった。明らかにおかしい。話し口調も、性格も態度も全然前のMとは違うのだ。何が起こったのか。私には分からなかった。というより、分かりたくなかった。

私は、そのとき勘付いていたのだろう。

このMは、別人だ。

っと。絶対に昔のMではない。6年間クラスメイトだったから私には分かった。

しかし、他の皆はまったく思っていないのだ。Mの母親だって、担任だって。

なぜ、私にだけ分かったのだろうか。それは、Mにそのとき言われた言葉で分かった。

「あんた、あの日私を見たでしょ。」

そう言った、Mはあの日の太鼓の練習のときの顔で、笑ったのだ


                      <完>
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