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シン・ドラマ汁


ドラマ【八重の桜】【ダブルトーン】

八重の桜
NHK 日曜夜8時~

【あらすじ】会津戦争が終わって半年が経過した。その頃アメリカの新島襄は、日本で明治維新が起きたことを知り、また新たに内戦が起きるのではないかと心配していた。八重たち山本家は、尚之助に砲術を教わっていた米沢藩士・内藤を頼り、米沢で暮らしていた。機を織り反物をこしらえ、八重みねが売り歩くことで生活費を得ていた。ある日いつものように反物を売っていた八重に、ツヨという女性が声をかけてきた。彼女は会津の出身で、会津戦争で夫を亡くし、今は米沢の商家に嫁いでいると言う。

【感想】長かった会津戦争が終わり(実質籠城戦は1ヶ月くらいだったようですが)、今回からは復興…かと思いきや、山本家は米沢に移住してしまいました。会津戦争から半年後にすでに米沢で暮らしているように描かれていましたが、実はそれよりずっと後の明治3年11月頃に出稼ぎに行っただけだったという説もあるようです。なので、その場合山本家は、会津藩が斗南藩となり青森へ転封した時、まだ会津にいたということになります。恐らく細かいことはよくわかっていないのでしょうね。なので米沢でツヨという女性と知り合いになったこととか、米沢の借家に大蔵が訪ねてきたというのは、全部創作なのでしょう。多分ね。また、この斗南藩についてもすぐに決まったわけではなかったようです。実は藩を置く場所について、新政府より猪苗代か陸奥か、どちらかを選択する権利を与えられたんだそうです。猪苗代は旧会津領なので、普通に考えればこちらを選ぶのが妥当です。しかし結局陸奥を選んだ理由にも諸説ありまして、まず旧領を選ぶことで新政府への忠誠を疑われることを回避したという説、それから旧領に戻ると、領民に戦時先払いさせた年貢や借用した金があり、年貢は入って来ず借金も返せないという状態になるのを避けたという説もあります。私が見たサイトでは、後者の方がリアリティがあると書いてました。わりと史実に忠実に作られている八重の桜ですが、さすが会津に都合が悪いことはスルーしますね。このへんは毎回の大河と大して変わりませんw 陸奥斗南藩が3万石、そして斗南に移住した会津藩士やその家族が総勢1万7千人もいたと言いますから、1人頭2石もないくらいですね。1石が大人1人が1年に食べる米の量と言いますから、これだけで藩を支えていくのはほぼ不可能でしょう。人間食べるだけでなく、他のことにもいろいろお金がかかりますからね。本州最北の地で斗南藩の藩士たちは、相当苦労したことでしょう。しかし藩士たちが陸奥に移住したのは明治3年、その翌年には明治維新の最大の改革と言われる廃藩置県が待っていますから、旧斗南藩士たちは士分を失い、僅かな拠り所であった収入源すら断たれてしまうことになります。皮肉なものですね。ドラマを見ていて不思議に思ったのは、大蔵が斗南藩のことを伝えに米沢まで来た時、八重は斗南に行くことを拒否したことです。斗南には夫・尚之助も行くとのことだったので、普通ならやっと夫婦揃って暮らせると、苦労するとわかっていても喜んで行くような女だと思っていたのですが…。なんかよくわからない理由で断ってましたよね。確かにいつまでも恨み言ばかり繰り返していたのでは、先には進めませんが、米沢にいようが斗南にいようが、先には進めると思うのですが…。その時八重は、まだ斗南藩士たちが新政府への復讐を考えていると思ったのでしょうか。まぁ考えてはいたでしょうね。南と斗う藩ですから。しかし私はそれよりも、八重は母やみねなどの家族と離れ離れになりたくなかったのではないかと思います。八重は尚之助と結婚したとはいえ、ずっと山本家にいましたから、嫁に出た娘と違って、実家に対する思い入れが強いのだと思います。尚之助がどこにいるかわかっていながら、一緒に住むことを拒否したのなら、これはもう、離縁されても仕方ないかなと思いますねぇ。


 
ダブルトーン~2人のユミ~
NHK-BSプレミアム 土曜夜11時15分~

【あらすじ】由巳は退社時、仕事場の前で龍野に呼びかけられ、恐怖にかられて逃げ帰ってしまう。そして、裕美龍野を再々見かけたことを思い出し、裕美龍野に殺され、自分も龍野に殺される運命だから、夢がつながったのではと思いつく。そこへ洋平から電話がかかってきて、自宅に招待されるが、裕美はそれどころではなく、上の空。様子がおかしいことに気づいた洋平は電話を切ろうとするが、裕美はこのまま話し続けてと頼む。

【感想】ええええ、断っちゃったよー。だから言ったのに。裕美のことを調べるためにだけ洋平に近付くのはやめろって…。由巳が何故断ったのかを考えてみる。まず、死んだ婚約者のことが忘れられず、結婚する気がないという気持ちが続いていると考えられる。これは前から言っていたことで、やっぱりまだ忘れられないのかもしれない。ただ見た感じ、由巳も愛しているとまではいかないけれど、洋平のことを気に入っていて、一緒にいると安心できると感じているように見える。次に、洋平のことは好きだけど、裕美に遠慮しているとも考えられる。恐らく相手の夢を見る時は、相手の気持ちに入り込んでいるので、裕美の夫である洋平に近付く女は、やはり許せないのかもしれない。非常に複雑な女心である。裕美はもう死を覚悟して、死後夫と娘を由巳に託そうとしているのは知っているけれど、由巳は自分の洋平に対する思いが、裕美の思いにかなわないと感じているのかもしれない。うーむ、しかしこれで由巳が洋平に接触するのは難しくなったな。今後どうなるんだろう。そして郁子への疑いはますます高まった。考えてみれば、洋平は結婚する前にも彼女が死んだという過去がある。今までそれは漠然と交通事故か何かで死んだのかなと思っていたが、もしそれが事故に見せかけた殺人だったら…? 今回、洋平が裕美を送りに2人で家を出た後、1人でワインを飲む郁子の態度が気になった。郁子は確か独身。やっぱり洋平のことが昔っから好きだったんじゃないだろうか。しかし自分からは言い出せず、知り合った女性を紹介するなど、逆のアクションを起こしてしまう天邪鬼だったりして。由巳を洋平に紹介したのも、自分の力では洋平を立ち直らせることができないと思ってのことだったりして。そして、洋平は裕美が死ぬ日、郁子に夕方裕美を訪ねて家に来てくれと頼んでいた。2年後の会話から、その日郁子は家に行かなかったと言っているが、本当は行ったのだとしたら…? 頼まれたのに行かなかったのだとすれば、他に何か用が発生して、アリバイはあるはずだけど、そのへんのことはさっぱりわかりませんね。今まで郁子のことは何度も疑ってきたけれど、その都度このドラマはそんな生臭いミステリーじゃないと否定してきたのですが、今回だけは疑いが深まったな~。そして謎の男・龍野に関しては、今回まったく進展がありませんでしたね。次回最終回は目まぐるしい展開になるようです。すべての謎は次回で解ける。これは見逃せません!




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