酒話 マスター編 15 ?
- カテゴリ:自作小説
- 2013/08/15 21:57:21
★ 花のカクテルと夏の幻 ★
やぁお客さんいらっしゃい。
こちら初めてですね。どうぞ遠慮なさらないでお好きな所に座ってください。
お一人ですか? うちにはどなたかのご紹介で?
おや、通りすがりですか。この辺は人気のない通りだから寂しかったでしょう。
さて、何か呑まれます?
えぇ酒だけはいっぱいありますから。ウィスキーでもスピリッツでも日本酒でも。
あんまりお酒は得意じゃないですか。では何かカクテルでも作りましょうかね。
そうですね……さっぱりと……
『ミモザ』
シャンパンをオレンジジュースで割るんですよ。あぁ、お値段の事はご心配なく。
シャンパンって言っても高いものはそりゃ高いですけど、こういうカクテルに使うのはリーズナブルな、でもちゃんと美味しいやつを使いますからね。
それにほら、ハーフボトルだからほんとにお手頃で楽しめるんですよ。
色がキレイでしょう?
色といい、グラスの中でシャンパンの小さな泡がふつふつと踊る様子もまるで、小さなあのミモザの花に似ていることからこの名前がついたんですよ。
ミモザの花、ご存じないですか?
オーストラリアが原産の花なんですがね、フランスなんかでは春のお祭りにこの花を投げあったりする地域があるんですよ。
花は鑑賞して楽しむだけじゃなくて、砂糖菓子になってケーキにも飾られますね。
呑みやすいでしょう?
ゆっくり舐めるように呑むといいですよ。
何かつまみます?
そうそう、今日はいいのがあるんですよ。
友人が漬けてくれた三年物の梅干し。こいつを叩いて、塩でしんなりさせた薄切りの大根と合わせて紫蘇の葉でくるくるっと。
カクテルに梅干しと大根、意外ですか?
まぁ騙されたと思って試してくださいよ。
ここ十年くらいで、洋風の酒だから洋風の肴、とか、この酒にはこの肴、とか、ワインだからコレでないと、っていう酒と肴の定義はどんどん変わっていますからね。
ほんのり甘いさっぱりしたカクテルに、きゅっと味の締まった梅干し、合うでしょう。
えぇ、シャンパンは残ってますから、おかわり作れますよ。
気に入っていただけたようで嬉しいです。
ところでお客さん、こちらの方に何かご用事でもあったんで?
いやね、さっきも言いましたけど、ここら辺寂しい場所だから、あんまり飛び入りのお客さんって来ないんですよ。
ちょっと珍しいなと思って。
はい? この店の前の店ですか?
うちが開く前の?
うーん、ワタシがここを借りた時にはもう空き家でしたからねぇ。
長いこと使われていなかったらしいですよ。
ここを紹介してくれた人からは、随分昔はキャバレーだったとかって聞きましたけど、その人もとっくに他界しちゃってるもんですから……
すみませんね、詳しい事何も解らなくて。
え? そのキャバレーですか?
そこで働いていた女性を探してるんですか。それはまたずいぶん古い話ですねぇ……
そうですねぇ、ワタシで役に立てる事があれば良いんですが……
当時はこんなカクテル無かったんですか?
あの時代ですとマティーニとかマンハッタンとか、そういうのが代表格でしたかね。
そうですか、毎年この時期になると誰か知った人が居ないか、ここに来られてたんですか。
うちが開いたのが去年の暮れでしたからねぇ……
あぁ、残りのシャンパンも呑んじゃいますか?
じゃあオレンジを……ちょっと待っててくださいね。
はい、どうぞ、お客さん。
あれ? お客さん?
トイレにでも行ったかな? でも席を立つ音なんてしなかったけどなぁ
あぁ、いらっしゃい林田さん。
え? 何きょろきょろしてるのって? そうだ、外で初老の男性とすれ違いませんでしたか?
こう、丸いメガネの……
え? 誰にも会わなかった? 変だなぁ。
さっきまでミモザを呑んでみえたお客さんが、ほんの数秒目を離した間にいなくなっちゃったんですよ。
って、あれ?
シャンパンもミモザも減ってない?
変だなぁ、確かに呑んでみえたのに。
肴も手をつけた跡がないや。
そりゃ……って、変な事言わないでくださいよ。
でも、そうですね。
こんな暑い日、しかもお盆の最期の夜だ。何があってもおかしかないですかね。
えぇ、とっても寂しそうな目をした方でしたよ。
来年も……いらっしゃるかもしれませんねぇ
おぉう♡ ここで初めての「やってみました」ww
ミモザってお洒落なカクテルだよねぇ(´▽`)
大根、あたしは超薄切りの方が好きなのだ~
塩を少な目にしてあんまりしんなりさせないで、
他にもツナとかベーコンとか合うよねぇ
しかしカマンベールかぁ…真珠ちゃま、勇者だな!ww
カルロロッシのスパークリングワインと、くらしモアのオレンジジュースのミモザww
大根のレシピもやってみました♥
大根、ちょっと厚みがあるほうが歯ごたえが美味でした。
調子に乗って、大根をカマンベールチーズに変えたら、あんまりでしたwwww
2話行く前にくじけた覚えが…(^_^;)
おちょみさんの趣味とは違うかもだけど
ラノベ&アニメ(漫画)に「灼眼のシャナ」と言うのがあります
その中で出てくる言葉ですよ~
これがさっぱりして意外に合うのだ(・∀・)
基本その時台所にあるもので肴作るので、
組み合わせ滅茶苦茶になる時もあるのだww
旨い事言いますな♡
>因果の交差路
ミモザにすっぱしょっぱ系のおつまみは意外だった~
そうそう、一頃そういう切ない映画やお話が流行りましたね^^
久々に、最新のキャバレー系だ! とウキウキして「バーレスク」を見たら
切なさはちょっぴりのサクセスストーリーだったのが意外でしたw
読んでくださってありがとうございました~(´▽`)
大根の白と梅干しの赤とシソの緑がマッチして、
とっても綺麗な一品になります~
意外なようだけど、見た目にもカクテルとぴったしかんかんです~^^
読んでくださってありがとうございました(´▽`)
いやこの際だからいつか成仏できるように、
とことん付き合ってあげましょうよ、毎年(・∀・)
炒り卵を上手に作る事が苦手なので、
ミモザサラダ作る時はゆで卵の白身と黄身を分けて、
黄身はすりおろします(´▽`)
周りに白身の砕いたの散りばめるとキレイん♡
大概悲しい恋物語になりますけどね
どれも意外性があるけど、これが、合うんでしょうねぇ~夏の暑い夜には・・・^^
あたしなら、来年は来ないように、盛り塩してしまうぅ・・・。
ミモザといえば、炒り卵~^^
♪(^‿‿^)η たまごは塩とお砂糖で味付けして、よーくときほぐしてから炒るときれい~^^
お盆にはこういう儚げ~なお話が良いですねぇ
キャバレーが日本に出来始めた最初の頃をイメージしてるので、
踊り子とバンドマンの恋とか、
戦後お金のために働きに行ってしまった元恋人を探して、とか
色々物語の展開は尽きませんね。
そうそう、カルピスにオレンジキュラソー垂らしてシャーベットにすると
大人の夏のスィーツになりました^^
手つかずで残ったシャンパンと肴は、マスターが自腹でいただくんですよw
カクテルは若い頃ちょっと凝ったもので、
バーテンやってた友達から色々教えてもらったんです~
おしゃけ呑みの彼女なら、居酒屋でガンガンが良かったかもしれませんねぇ
でも若い時ってそういうの気付かないのかもしれませんねぇ(^_^;)
読んでくださってありがとうございました(´▽`)
お盆滑り込みセーフです~^^
夏の大根はさっぱりと大根おろしか浅漬けで頂きたいもの!
先日大根おろしに梅と醤油で頂いたらンまかったです^^
読んでくださってありがとうございました(´▽`)
クリスマス聖戦みたいな、粋な計らいだったんでしょうね~
シャンパンのオレンジジュース割♪ 柑橘系の王道ですね。
オレンジキュラソー垂らして、縁に飾り塩あしらったのとかも
ありですかね~ 女性客はジュース、男性はキュラソー。
ロイドメガネの初老の紳士、きっと当時駆け落ちに失敗して
その遺恨がこの時期になると地上を徘徊してるんでしょうか。
良き時代の物語ですね~
ただ突っ込みを入れると、お客さんが払ったお金あったのって・・・ご免なさいね、現実的でm(_ _)m
「ミモザ」ってネーミングも良いですね。可憐な花ですよ。
そのカクテルなのですか。
私は基本飲んべいだから、カクテルは高くて量が少ないという現実なので、今は飲みません。
なのに、かつては、付き合っていた人と一緒に行ったのはカクテルバー^^;
彼女強くて酔わないの・・・アチャー場所間違えてたんだね。
当時居酒屋でガシガシ飲めば良かったのかも。
まさかのお盆のお話だっ!!
ミモザと梅。。。あああ、大根のシャキシャキした歯ごたえ。
試したいです!