Nicotto Town


TAKEのつぶやき


☆壺算

この落語は誰が聞いても矛盾していることが分かっているのですが、うまい言い回しで騙されてしまうところが面白いところです。どことなく「持参金」を思い出します。

【スジ】
落語のパターンですが、ある男が訪ねてくるところから話は始まる。男の話では窓の上にいた猫がネズミを見つけて、捕ろうとした拍子に三宝さんの棚の布袋さんを順々に倒して、これが落ちて、水壺が割れたという。そこで、買い物上手に付き合ってもらって新しい壺を買いに行くことを相談しに来たわけであった。

さっそく二人は、天秤棒を担いで瀬戸物町まで来るのである(この道中の掛け合いが笑えます)。そして、ある瀬戸物屋へ入ると店の番頭と交渉を始め、一荷入りの壺が三円五十銭のところを三円に負けさせてしまう。そして、一旦は帰るかに見せ、すぐに店に舞い戻ってくる。

そして、ここからがこの落語の面白いところである。一荷入りを二荷入りに換えてくれと話しを始める。まずは、元々は二荷入りが一荷入りの倍の値段であったことから、七円のところを六円に値切る。さらに、

「先に銭で三円払たあるやろ。それに、この一荷入りの壺を三円で引き取ってもろうて、三円と三円で六円でエエな。」と誰が聞いてもおかしなことを平然と言う。しかし、番頭もおかしいとは思いながらも、話のスジは通っていると勘違いする。

二人は天秤棒で壺を担いで帰ろうとするが、何度も呼び止められ、そのつどおかしな話の繰り返しである(ここがこの落語の見せ所)。そして、番頭は「大きい算盤と換えてくれ」、「店で一番算盤のうまい忠助はん呼んできて」、「親旦さん呼んできて」、「田舎の親に電報打ってくれ」などと大騒ぎになるのであるが、とうとう根負けしてしまう。

「もぉよろしぃわ、この壺持って帰っとくれやす」

「こっちの思うツボや」

※一荷というのは、水屋が一度に担げる量のことです。つまり、天秤棒の前後の水桶二杯分のことで、二荷入りの壺というのは、その倍の量が入る水壺のことです。




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