黒猫目日記96 (レア魚 迷子の妖怪)
- カテゴリ:日記
- 2013/08/26 18:21:16
世間一般にはお盆にはご先祖様が里帰りなされるものだが、やはりこの街でもそれは同じようじゃ。
いつものように夕飯のおかずを釣りにゆくと変わった竿が置いてあった。
『ご先祖とっておきの釣竿』?親父殿なんじゃこれは(´?_?`)
「いえね、あっしのご先祖様があの世から祭り見物に帰ってきてるんですがね、一緒に見物に来た妖怪たちと
釣り堀ではぐれちまったらしいんでさぁ」
「特別な竿を授けるのでそいつらを釣り上げてやってくれって夢枕に立たれちまってねー」
何と!熊おやじ殿のご先祖様は妖怪たちと徒党を組んで祭り見物に帰ってこられたのか。
釣り上げるって・・・・・・妖怪ってそう云うものなのか?(´・_・`)
ともあれ、怪しげな竿に怪しげな餌をつけて水に投げ入れてみた。
すると早速あたりが来た
こ、これは・・・猫又?
釣り糸の先には妖怪と云うには随分と可愛らしい猫又が怪しげな餌に美味そうに食いついている。
釣れるんだ・・・・妖怪・・・
次にかかったのは置物のタヌキのような化け狸
そして、つぶらな瞳が可愛らしい九尾の狐である。
熊おやじ殿のご先祖様の特別な竿と餌は面白いように妖怪たちを惹きつけた。
流石元祖釣り堀のオヤジ実に見事な采配じゃ。
しかし、釣ったは良いがこの妖怪どもどうするんじゃ?
釣り堀で飼っておくのか?
「すいませんね~、祭りが終わるまで旦那ん家に置いてやっちゃーくれませんかねー」
「いや何、この掛け軸に住まわせてやりゃー餌も要りませんし、お屋敷のインテリアにもなる
一石二鳥、いや三妖ってもんですよ」
熊おやじ殿に渡された白い掛け軸をかざすと妖怪たちは見事な絵に変化した。
おお、Σ(゚д゚ )これは見事じゃ!充分目の保養になる。
判り申した拙宅の床の間にて暫しお預かり到そう。
「へい、毎度有り!掛け軸代一つ200Cコ頂きま~す」
お願いしといて金取るのかぁ~Σ(|||▽||| )
ま、まあ、いつも余った魚を買い取って頂いている恩もある、ここは素直に掛け軸代払っておこう。
思わず、ウケタ。可愛い顔文字が、これまたいいですね。
いつも心地好いテンポで語られるおはなし、
上手に書かれるものだと感心してしまいます。
楽しませて頂きました。
黒猫殿、してやられましたな。^^